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読書紹介板
327
:
うのはな
:2017/12/04(月) 11:45:24
映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
〜 サブプライムローンは「クソ」崩壊前に知っていた勝者たち〜
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』は2008年ニアメリカで起こった金融危機で、
逆に100億円以上の利益を得た男たちを描いた、ノンフィクション『世紀の空売り』の映画化。
「ショート」は「空売り」つまり、相場が下がるほうに賭けることこと。
証券取引が趣味の神経科医マイケル・バーリは住宅バブルが荒れ狂っていた05年、ウォール街の投資銀行が売っている
サブプライム住宅ローン債を調べていた。バーリは、それが時限爆弾だと気がついた。バーリは突然カメラ、つまり観客に向かって言う。
「サブプライムとは何か?僕が説明しても面白くないから、カワイコちゃんにお願いしよう」
すると画面は、裸でお風呂に入っているセクシーな美女に切り替わる。
「ウォール街は、支払い能力がない人の住宅ローンをサブプライム(優良の下)と名付けて売り始めたのよ。サブプライムと聞いたら、クソだと思ったほうがいいわ」
彼女は『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』でディカプリオのエロエロ妻を演じたマーゴット・ロビー。こんなふうに『マネー・ショート』は金融という面倒くさい話を虚実ごちゃまぜの
スピーディなコメディーとして見せていく。
監督のアダム・マッケイは『俺たちニュースキャスター』『俺たちステップ・ブラザース』『アザー・ガイズ 俺たちハイパー刑事!』など、ウィル・フェレル主演の下ネタ・コメディばかり作ってきたが、『アザー・ガイズ』では08年の金融危機の元凶、
ウォール街の証券マンを適役にし、エンドクレジットでサブプライム・ローンのデタラメな構造をアニメでわかりやすく解説してみせた。
普通、不動産を買うには頭金やローンを組むための収入証明が必要だが、サブプライム・ローンを借りたのは、貯金も収入も職すらない人々だった。彼らをローン会社は金利ほどんどなしのローンで釣った。
2年後に未払いの金利がまとめて乗っかってくる仕掛けだったが、借り手は気づかないか、不動産価格は高騰しているから2年で売り抜けて儲けようと企んでいた。
このサブプライム債券を証券会社はCDOとして売り出した。CDOは「債務担保証券」の略だが、『マネー・ショート』では、「レストランの月曜日のスペシャルメニューは残り物処分だ」などの汚い裏側を暴露した『キッチン・コンフィデンシャル』の
著者でセレブ・シェフのアンソニー・ボーディンが登場して、説明してくれる。「この腐りかけた魚がサブプライムだ。でも、新鮮な魚と混ぜてシチューにしてしまえばバレない。これがCDOさ」
投資銀行は優良なローンにサブプライムを混ぜたCDOを作り、それをムーディーズなどの格付け会社に見せた。格付け会社の職員はウォール街に入れなかった人々なので、ゴールドマン・サックスなどにちやほやされると喜んで信用度最高のAAAをつけてしまう。
こうして腐った魚入りのCDOが優良商品として世界中に売られた。日本でもこれで年金を運営していた企業もあった。これは必ず破綻するとバーリは思った。
さて、それでどうやって儲けるか。バーリは自分でCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)をサブプライム債の売り手である投資銀行にもちかけた。CDSは債券に対する保険のようなもので、サブプライム債が値上がりを続けている間、バーリは支払いを続けるが、下がったら下がった分だけ支払いを受ける。
つまり「空売りショート」だ。ゴールドマン・サックスはバブルが続くと思っていたから、喜んでCDOバーリに売った。
原作『世紀の空売り』を書いたマイケル・ルイスの前作は『マネー・ボール』。メジャー・リーグ、オークランド・アスレチックスのケチケチ経営術を書いた本で、ブラッド・ピット制作・主演で映画化された。そのつながりで『マネー・ショート』もブラピの制作で、彼自身も金融業界に幻滅した元銀行マン役で出演している。
08年、ついに市場が崩壊して、ショートした連中が大喜びしていると、ブラピは「浮かれてるんじゃねえ!」と凄む。
「何千万人が家を失い、大事な蓄えを失ったんだぞ!」。あのー、完全に『ファイト・クラブ』入ってるんですけど。
あ、もちろんこの事態を引き起こしたウォール街の連中はひとりも裁かれず、逆に税金で救済され、莫大なボーナスを自分たちに払った。
共和党の次期大統領候補のテッド・クルーズの妻はゴールドマン・サックスの職員で、クルーズは同社から1200万ドルの選挙資金を借りている。
『今のアメリカがわかる映画100本』 町山智浩 著
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