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読書紹介板

2001テレビガイド:2021/05/25(火) 16:40:21
>遺伝学が明らかにする「残酷さ」よりも衝撃だったのは、「子供の選別と親の免許制」という発想だった。・・・これは、全くナチの「優生学」ではないか。

だが、「子の選別」というのは、実は日本でもとっくに行われている。
出生前診断(新型出生前診断)でお腹の子がダウン症だということがわかれば、実に95パーセント以上の親が中絶を選択しているのだ。

本書では、さらに進んで、「将来犯罪者になる人間」をあらかじめ排除するシステムにまで言及する。犯罪癖や犯罪傾向もまた遺伝子が関わっているし、その犯罪遺伝子の発現には、乳幼児期の育成環境がものをいう。
そして、犯罪の生物学的基礎を考慮すれば、10歳で矯正教育をはじめても効果はさほど望めない。ならば、遺伝や乳幼児期の家庭環境に対処するため、「子供を産むにあたってはまず免許を取得しなければならない」という発想すらうまれる可能性があるそうだ。

「親の免許制」まではいかないが、実はイギリスでは「まだ犯罪を犯していない重篤な人格障害を持つ人の隔離」というのはすでに施行されているという。
今はただ荒唐無稽にしか思えないが、脳科学や遺伝学の進歩や犯罪率の上昇次第では、現実のものとなる可能性もなくはない。

遺伝学や脳科学の進歩とともに、それらの残酷さはもっと顕著になっていくことが予想される。だとしたら、それに気づかないふりをしてそっぽを向いているよりも、知識の偏向といった不愉快な事実にも向き合うことで、よりよい社会を目指したほうが健全なのではないか、と著者は示唆している。

果たしてそれが良い結果につながることなのかどうか、私にはわからない。
ただ、そう遠くない未来、目を背けてはいられない時が必ずやってくるだろう。


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