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読書紹介板

1665アクエリアン:2019/07/04(木) 16:40:29
三島由紀夫豊饒の海第三巻「暁の寺」を読む

無着の説をさらに大成して「唯識三十頌」をあらはした世親(ヴァスバンドウ)の、あの、 「恆に転ずること暴流のごとし」  といふ一句は、二十歳の本多が清顕のために月修寺を訪れたとき、老門跡から伺って、そのとき は心もそぞろながら、耳に留めておいた一句であつた。

 それはまた、かつてのインド旅行で、アジャンタへ赴き、今の今まで誰かがいたやうな気のする 僧院(ヴィハーラ)をでたとき、たちまち目をうつたあのワゴーラ川へ落ちる一双の瀧の思ひ出に つながつていた。

 そしておそらく最終の、究極のその瀧は、はじめて勲に会った三輪山の三光の瀧や、はるかむか し、老門跡のお姿をそこに認めた松枝邸の瀧と、鏡像のやうに相映じていたのである。


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