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読書紹介板

1401アクエリアン:2019/04/27(土) 07:58:37

mountainside

5つ星のうち5.0
生きる意味、絶対的価値の追求からカルトへ! 2019年3月31日
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本書は大学講師から依頼されて著者が綴った手記が原本である。高3時に疑問を持った「生きる意味」、「絶対的価値」の追求がオウム真理教への入信へと著者を導いた。数学的公理さえ、主観的なものに思えたという。スピノザやトルストイ、ジェイムズが援用され、著者の悩みが思春期特有のものであることが述べられる。カルト教団であるオウム真理教は解脱を説き、ヨガに励み、浮遊体験など超能力を習得することによって、健康を維持し、独自な宗教的体験を重視する。著者が解脱目的にカルト教団に入信し、解脱を成し遂げた段階で脱退出来れば死刑囚とはならなかったであろう。しかし、このカルト教団は尊師麻原彰光への絶対的帰依・服従で成立している教団であった。麻原の言葉は神の命令である。解脱のためには麻原の命令に従わねばならない。麻原にとって殺人行為は、被害者を成仏によって救済(ポア)することを意味した。科学班でサリン製造に従事しながら、著者にはサリン製造が何を意味するか、省察出来なかったことが誠に残念である。麻原に洗脳され、思考回路が塞がれた著者にとって、自己の行為の恐ろしさを省みることは許されなかったのである。
著者が犯した過ちを繰り返さないために、哲学的思考と省察が必要である。宗教に入信する前に、経典を読むことも不可欠である。単なる宣伝に騙されてはならない。本書は思春期に悩む青年に教訓を与えてくれる。本書を読み通すのはつらいものがあるが、お勧めの一冊だ。


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