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読書紹介板
1393
:
アクエリアン
:2019/04/27(土) 07:42:12
月以降、元死刑囚や幹部の手記の他に、ノンフィクションの出版が続いていて、教団と事件についてより明らかになってきている。また宗教とはどのようなものなのか、特にカルトの特徴についてよく見えてきた。広瀬は早稲田大学大学院の典型的な理系エリートで、地下鉄サリン事件の実行犯の一人である。本書は彼の手記を集めて構成されている。いくつかの手記には重複があり、内容的にも初心者向きとは言い難い。オウム事件についてある程度知っていて興味がある人や、元死刑囚たちは獄中で何を考えていたかなどを知りたい人に向いていると思う。広瀬は麻原の第173回公判で、銃器製造のメンバーとその役割分担を詳細に証言し、その記憶力で弁護士を驚かせている。地下鉄サリン事件の頃、彼は「師」から「正悟師」に昇格することが決まっていたが、これは一般企業でいえば、課長から部長への昇格に例えることが出来る。現場と幹部との中間に位置していただけに、CSI(科学部門)では、縦方向の視界が最も広かった人物の一人と推測できる。オウムでは仕事の内容は部署ごとの秘密とされていたため、横方向の視界は狭い。そのため本書でサマナ全般について語っている部分では、CSI内の常識を他部署にも当てはめて考えているように思われ、違和感を感じる部分があった。今までCSIの中心的な人物の手記は出版されていないことと、視界が広く、記憶力もある人の記録なので、資料としても価値が高いと思う。
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