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非武装信仰板

1819シャンソン:2019/10/19(土) 15:12:06
 『竜になった魔物の王女』 谷口雅春(先生)著 あとがき

 最近わたしの『新ファウスト物語』という〝大四次元の世界〟と、この〝物質の世界〟との関係を
推理小説風にかいた童話が読者からよろこばれたので、わたしが、もっと若い頃に書いた童話『ひかり物語集』
『善い子の童話』等を内容別や、読者層を大体その年齢にしたがって読みやすいように分類再編成し、文字づかい、表現をやさしく、
さし絵もふやして『谷口雅春童話集』全五感として出されることになった。

 これを、このようにまとめて下さった日本教文社の重役中島省治氏に感謝する。
その第一巻がこの『竜になった魔物の王女』である。

 わたしの出身校である大阪の市岡中学に〝澪漂文庫〟という小さな図書館があって、昼休みには読書好きの
生徒が多勢つめかけて好きな本を読んでいたが、わたしはその中のひとりであった。そしてわたしの熱心に読む本は、
当時、博文館発行の巌谷小波の書いた童話や、黒岩涙香の『ああ無情』などを好んで読んだものである。

 子供は少年少女時代に読んだ童話によって自分の潜在意識の中に、その童話の教えるアイディアを蓄積して、それが性格を形成する素材となるのである。
わたしが中学時代に読んだ巌谷小波の童話はみな、わたしによい感化を与えている。黒岩涙香の『ああ無情』はユーゴーの「レ・ミゼラブル」の主人公ジャン・バルジャンの物語を
日本風に書き直したものであって、ジャン・バルジャンが教会の牧師の家から黄金の燭台を盗み出して捕らわれたが、その牧師がジャン・バルジャンの実相を見て、
「この燭台は彼に私が与えたのである。決して彼が盗んだのではない。彼は立派な神の子である」と、

彼がおかした罪をゆるしてやったために、彼はその後、本当に立派な人間になった物語だった。わたしはそれを読んだときに、〝人を赦す〟ことの尊さや、人間の本性即ち実相はみんな立派なもので、
それを認めてやれば、その実相の立派さが現れるものだと知って非常に感動したことを憶い出すのである。少年時代に感動した『ああ無情』の物語が、後になって愛と赦しと実相を拝む宗教を私が創始するに至った
最初の種子になっていないとはいい切れないのである。


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