したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

非武装信仰板

1800シャンソン:2019/09/06(金) 20:42:49
 「親の因果が子に報い」の本当の意味。龍神が解説します。

「ところで、さっきタカさんが言ったことだけど」
最後のフルーツサンドを摘まみ上げて、りっちゃんが口を開いた。
「『親の因果が子に報い』ってホントなのかしらね?」

 親の因果が子に報い。「親のした悪業の報いが罪もない子に現れる」
という意味で使われる言葉だ。日本では昔から悪いことがあると祟りとか呪いとか
その手の言葉がよく使われる。果たして龍神の見解は?

 「親が悪いことをしたら、世の中の法則として子供や血を引く人に必ず悪いことが起きるわけではありませんが...」
そう言うと黒龍は一旦言葉を切る。そして思慮深く言葉をつないだ。
 「しかし、人間同士の怨恨が影響することはあるかもしれません」
「人間同士の?それはどういうことですか?」僕は聞いた。

「神様が悪いことをした親の代わりに子供に罰を与えることはありません。しかし、親に怨みを持った人間たちが霊となり、もしくは生き霊となり、
その子供たちに襲いかかるケースがあるのは事実です」
「マ、マジで!」「えーっ、ヤダヤダ、そんなの怖い」
ワカとりっちゃんが、恐れおののく。僕もつられて、おののく。

「なんとか防ぐ方法はないんでしょうか?そりゃ人に恨まれないことが一番なんでしょうけど」
僕は大した男じゃないから誰にも恨まれないはずだ。きっと大丈夫。しかし黒龍は落ち着き払ってこう言った。
「どうぞ皆さん、ご安心ください。何のために私たちがいるのですか。それにこう考えてはいかがでしょうか。『親の因果で子が報われる』と」

あ。そこで僕は思い出した。ずっと昔の話だけれど。僕の祖父は若い頃から海沿いの街で歯科医をしていた。
ある時、二軒隣の店から出火があり、大きな火事になった。祖父の病院も半焼する被害にあった。
後日、その出火元の若夫婦が、苦労して集めたであろうお金を持って近所を謝罪して回ったそうだ。しかし行く先々で「こんな金でごまかされるか!」
「これっぽっちで足りると思っているのか」と怒鳴られ、追い返されたらしい。まあ、その気持ちもわかる。

で、最後に訪れたのが祖父のところだった。祖父はそのお金を受け取ると「この金は僕がもらったものだから好きにさせてもらうよ」と、奥の部屋へ引っ込んだ。
しばらくして出て来ると、ポンと何かを置いた。
「はい、お見舞い」祖父は受け取ったお金をのし袋に入れて、若夫婦の前に出したそうだ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板