したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

非武装信仰板

1724シャンソン:2019/07/10(水) 00:04:09
 物質文明から霊的文化へ 『アクエリアン革命』の示すもの

 アメリカでは、若者を中心として東洋志向が盛んであり、ヨガや禅などを実修する者が増えて
いることはよく知られている。しかし、私は、最近『アクエリアン革命』(実業之日本社)という訳書を読んで、
こうした傾向が、単なる若者の一部にとどまらず、もっと大きな〝意識革命〟の流れとして、知識人をも巻き込んで、見逃せない運動と
なっていることを知った。

 本書を翻訳している堺屋太一を通して大きな流れになったといったらよいだろう。
それは、「自我の否定と、宇宙万物とともにある真の自己の自覚」として或者はとらえる。また他の者は言う。
「自己を拡大し深めようとすると、人々はみな驚くほど似たような経験をする。そして、そういう経験はいままで考えられていたほど主観的なものではなく、
実は客観性をもったものだということが最近になって認められはじめている」(四三頁)

 それはひろく言えば機械論的宇宙、無目的な人生という近代の唯物論的世界観への反逆と言えるだろう。人々は、ヨガの瞑想やドラッグ体験などを通して、人間の意識が変わりうることを知り、
われわれが現実であると思っていた客観世界が、じつは、意識の状態に対応し変化する〝現象〟にすぎないことを知ったのである。そして意識が深まるにつれて、すべてから切りはなされたアトム的自我としての個ではなく、
宇宙万物と一体に〝拡大〟された自己を知ったのである。ある者は次のように述べる。

「現在ある対立概念は独立した別個の存在ではなく、...そこには二元論の入り込む余地はない。精神と身体もひとつである。かくして有機的世界認知が成立する。.....視野のなかに、より高い次元が付け加わり、そのため解決不可能な問題も、
もはや問題ではなくなる。.....より大きな生命力のなかで問題は消滅してしまう。それでは、これらの人々の持つ思想の共通性はどこにあるのだろう。これらの人々は、イデオロギーや主義、主張ではなく、もっと確実な共通性を獲得しているように見える。
それは〝体験〟によって変った人々の共感のようなものである。そこに見てとれるものは、真に存在するものの豊かさに対するおどろきと讃嘆であり、人間の可能性に対する信頼である。著者は、「生きるということはいままで考えていたよりはるかに光明に満ち、
豊かで意味があるように感じられてくる。....すべての感覚が研ぎすまされ、開放され、世界は新鮮さをもつ」(一〇八頁)

 そして、著者は、こうした意識の変革は段階的に起り、それは「終りのない旅」であるという。
はじめに、こうした生命肯定の感動があり、それらにつづいて第二の段階は、それを常住のものとしようとする「求道」であるという。
第三の段階が、バラバラな体験が、新しい枠組のなかにおさまる「統合」の経験であり、第四の段階が、人々が協力し、社会に働きかける「くわだて」であるという。

つづく


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板