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非武装信仰板

1567シャンソン:2018/10/15(月) 05:06:03
   父が母を勇気づけてくれたことでわたしは生まれました。

ーお父さまが五十代の時に、おできになったお子さんだったのですね。

 53歳で、旭川第七師団の第10代師団長になって2年目か3年目でございましょうか。
周りの方から「師団長に孫が生まれたことはあるけれども、子どもが生まれたことはない」といわれたようです。
 わたくしの姉が長女で、22歳上になりますが、ちょうど同じ年に、長女を産んでおります。

 ですから孫と子どもがいっしょにというので、母は産みたくないっていう気持ちを持っていたようです。
その時に父が「男が子どもを産んだらおかしいけれども、女が産むのに恥ずかしいことがあるものか。産んでおけ」っていって、
わたくしを産んでおいてもらった。わたくしはそういう子なんです。

 父のおかげで、わたくしはこの世に生を受けることになったんですね。
だから父は、わたくしの命をそこでも救ってくれて、それから二・二六の日も弾からわたくしを救ってくれて。
その代わりに、わたくしだけは、父の最期を看取ったといいましょうか、敵のさなかで、ただひとりで父を死なせないですませることができたと。

 そのために産んでおいてくれたのかなと思います。
ほこらしげではないですけれど、母でさえそばにいなかったのに、わたくしはお父様の最期まで見た。
 それこそ父の、ピストルを構えた時から最期の息絶えた時まで見た、唯一の人間でございます。

 『〝ふがいない自分〟と生きる』渡辺和子 NHK「こころの時代〜宗教・人生〜」制作班 編


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