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「まじめな話」の板

8744一部転載・笹川平和財団:2021/08/24(火) 23:53:09
新型コロナ、治療代が820万円!?
試されるアメリカ医療保険制度

山岸敬和
南山大学国際教養学部教授

 1月21日にワシントン州で最初の新型コロナウィルスの感染者が出てから、しばらくは患者数の増加は緩やかで、トランプ大統領も楽観的な姿勢をとっていた。それが3月初旬になると状況は急激に悪化し始め、一ヶ月もしない間に感染者数は中国を抜いて世界一となった。トランプ大統領は、中国の初期対応を非難し、WHOの中国寄りの姿勢を非難し、大型の経済救済策をまとめる「戦時大統領」と名乗るなどして、アメリカ市民の協力を求めている1。

 しかし現場ではすでに医療崩壊が起きてしまっている。また医療保険を持たない人々は、適切な検査や治療を受けられずに感染を広めてしまっているとも言われる。本コラムでは、現在の医療保険制度を概観し、それが人々の行動に及ぼす影響について述べる。そして、トランプ政権がどのように対応しようとしているのか、そしてこの状況が医療保険制度改革をめぐる政治的争い、特に大統領選挙にどのような影響を与えるのかついて論じたい。

オバマケアからこぼれ落ちた人々

 日本でも、「アメリカでは新型コロナウィルスに感染しても医療保険を持たない多くの人が治療を受けられない」との報道がなされている。無保険者が新型コロナウィルスの治療を受けようとすると、42,486〜74,310ドル(約470〜820万円)の自己負担が発生するだろうという試算がなされる2。

 2010年3月に成立したオバマケア(患者保護及び医療費適正化法)は、雇用者提供保険に入っていない人々が民間医療保険をより購入しやすくすることで、皆保険を目指そうとしたものであった3。

 個々人で保険加入していた人々を、基本的には州ごとの医療保険取引所にプールして健康リスクの分散を図る、そして補助金を出して保険料負担の軽減を行う、というのが主な仕組みである。また、それでも保険加入が困難な低所得者向けに、メディケイド(医療扶助)を受給するための所得基準を緩和した。しかし、オバマケアでは皆保険が達成されていない。

 2018年には約3,000万人の無保険者がいた。その内訳は以下である。財政補助を受給する資格がありながら医療保険取引所で保険を購入していない者が25%。メディケイドが適用される条件にいながら受給していない者が25%。移民の法的問題によって受給できない者が16%4。メディケイドの拡大を認めていない州の居住者が9%。その他が15%5。


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