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生長の家傍流掲示板/別板1

3096シャンソン:2018/03/23(金) 05:48:50
      思いやりが救った命

 あるとき私は、ワシントンDCにあるショッピングモールの混雑したフードコートに
座っていた。ランチを終え、私は食器返却場のほうに歩いていった。と、自分の名前が呼ばれたような
気がした。あたりを見まわしたが、人ごみの中に知っている顔はない。

 再び歩き出そうとすると、今度はフルネームで名前を呼ばれた。私が声のほうを向くと、若い女性が近づいてきた。
彼女は立ちどまって自己紹介をしたが、私には心当たりがなかった。すると彼女は「あなたは命の恩人です。お礼を申し上げたくて声を
かけさせていただきました」と言った。

 私のけげんな顔を見ながら、彼女は続けた。「私、10年ほど前に誘拐された少女のひとりなんです」
私の脳裏にパッと映像が浮かんだ。恐ろしい銃撃戦が繰り広げられる中、二人の警官が少女二人の救出に成功したのである。そこで私は「あなたの命を救ったのは、二人の警察官ですよ」と応じた。
すると彼女は、救出してくれた警察官への謝意を述べたうえで、「でも、やっぱりあなたが命の恩人なんです」と言った。

 「どうしてです?」と、私は尋ねた。「当時、私の心はボロボロになっていました。でも、立ち直るきっかけを得られたんです」。彼女の話を聞くうちに、解放された彼女から事情を聞く任務を担当したときの記憶がよみがえってきた。
彼女が気持ちを落ち着かせ、取り乱すことなく事件当時の状況について話せるようになるまで、1カ月という時間がかかった。私は毎日1時間をかけ、彼女に話をしてもらうように心を砕いた。肝心なのは、思いやりを示す言葉だった。誘拐事件そのものを
話題にすることはほとんどなかったものの、1カ月という時間をかけて、私は当時14歳だった被害者の少女から事件の詳細を聞いたのだ。事情聴取を終えたあと、私は二度と彼女と会っていなかったし、それ以来、とくに彼女のことを思い出すこともなかった。

 ところが彼女はしっかりと覚えていた。
「あなたは私のことを忘れてしまったかもしれません。でも私は、あなたがやさしくしてくださったことをよく覚えています。あなたの力添えがなければ、私は立ち直れなかったでしょう」。私は彼女に礼を述べ、自分はただ職務をまっとうしただけです、と言った。
そしてトレイをサービスカウンターに置き、彼女と別れた。そして、こう痛感した。話し手は自分が語った言葉をすっかり忘れてしまっても、聞き手に深い影響を及ぼしている場合があるのだ、と。

  『元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法』 ジャック・シェーファー/マーヴィン・カーリンズ 著


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