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高嶺の花

1名無しさん:2012/08/24(金) 18:02:13
名は麻子(仮名)。
武井咲似の美人な子である。
筆者がこの住居に引っ越してきた頃、麻子ちゃんは大学生であった。
いい大学に通ってたようで、その後スーツを着て出勤をしていた。
見た目からは、筆者のように油まみれの厨房で働く者とは違い、夜になるとワインを飲みながら夜景を見ている勝ち組OLを思わせる。

2名無しさん:2012/08/24(金) 18:02:49
筆者とは別世界のお嬢ちゃん。
麻子ちゃんをそう思わざる得ない。
別世界な女ゆえに筆者にも恋心にも似た感覚は微塵もなく、むしろその辺の女と変わらない。
いや、むしろ、OLやサラリーマンを毛嫌いし、堅苦しい女とも感じていた。

3名無しさん:2012/08/24(金) 18:03:32
ある日、麻子ちゃんと駅で会う。
大学の帰りらしい。
すると満面の笑みで挨拶してきた。
筆者はこれと言って挨拶などするつもりもなく、まるで丸腰で歩いてて辻斬りに遭った心境であった。

4名無しさん:2012/08/24(金) 18:04:12
最近気付いたことだが、人の縁には二通りあるらしい。
運命のように赤い糸で結ばれた縁と、クサレ縁のようで不愉快な感情すら思わせる縁である。
筆者のとって前者と思おうとしたが、麻子ちゃんにとっては後者だったのではなかろうか。

5名無しさん:2012/08/24(金) 18:04:48
麻子ちゃんとは行くところ行くところ出くわす。
筆者とていい気分ではない。
が、麻子ちゃんにしてみればストーカーにも感じたようで、顔色が変わっていく。
無理もない。
筆者とて女だったら警察に通報する。

6名無しさん:2012/08/24(金) 18:05:19
ここで事件が起きる。
例のとおり、再び麻子ちゃんと偶然出くわしたのである。
筆者には、細かい事を気にしない乾いたようなところがあった。
確かに偶然ではあるが、それが度重なっても行動を変える理由が無い。

7名無しさん:2012/08/24(金) 18:06:37
ところがそんな性分が裏目に出て、麻子ちゃんは走って逃げて行った。
これには筆者も激怒する。
そうであろう。
人は時にして、宿命染みた傷のようなものがある。
宿命ゆえにどうしようもなく、それを他人に攻められて怒らない者がいるであろうか。

8名無しさん:2012/08/24(金) 18:08:12
傷と言うのは業界用語で「欠点」を意味している。
昭和初期の時期、シロウトの間でも流行った言葉かもしれない。

9名無しさん:2012/08/24(金) 18:08:52
次の日の朝、麻子ちゃんと会うと筆者は一睨みする。
ソッポを向き、そのまま去った。
二度とこんな女と挨拶などするものか。
そう心に決め、その姿を見たものは鬼人にも感じたであろう。

10名無しさん:2012/08/24(金) 18:09:28
が、ここで奇跡が起きた。
「おはようございます!」
筆者は驚く。
朝から女に呼ばれるわけが無い。
が、目の前には麻子ちゃんが立っていて、今までに見たことの無い笑顔で、まるで天使だった。

11名無しさん:2012/08/24(金) 18:10:55
「怒ってる?」
麻子ちゃんは言った。
この時思った。
麻子ちゃんは頭のいい子で、出世したのは社交性であろう。
これは悪女も同じで、根は悪魔でも印象は天使でなければいけない。
麻子ちゃんが社会人になって2年が経った頃であった。

12名無しさん:2013/04/18(木) 18:59:58
いつもの出勤時。
家の前に腹の突き出たオッサンがいて、ポケットに手を突っ込んでいた。
さらに、筆者が怪訝な顔をすると、睨み返してきた。
(オッサンのくせに何をカッコつけてんだ?)

13名無しさん:2013/04/18(木) 19:02:10
そのあと、麻子ちゃんが出て来て、筆者に挨拶をし、腹の突き出たオッサンのところに歩み寄った。
見たところ、麻子ちゃんの上司か得意先の人であろうか。

14名無しさん:2013/04/18(木) 19:02:44
いかに麻子ちゃんが美人とはいえ、やはりカッコもつけたくなるものかと思ったが、一面では、いいオッサンが待ち合わせでそわそわしてるようでは、たかが知れている。

15名無しさん:2013/04/18(木) 19:03:17
筆者にとって麻子ちゃんは目の保養といっていい。
筆者は、麻子ちゃんがどういう女かも知ったし、さらには自分の女にしようとも思った。

16名無しさん:2013/04/18(木) 19:03:51
筆者は、恋愛感情をそのまま女に向ける、とは前に触れた。
口ではなく、目で物をいうのである。
麻子ちゃんの最初の反応は、変人を見るようだった。
麻子ちゃんはやや戸惑っているが、むしろ筆者にはいい兆候だった。

17名無しさん:2013/04/18(木) 19:04:27
筆者はかつて、麻子ちゃんのことをなんとも思っていなかった。
しかし、男である以上、いい女を追っかけるのは当然のサガである。
「俺の大好きな麻子ちゃんが無視をする」
と、筆者は同僚に話す。

18名無しさん:2013/04/18(木) 19:05:17
麻子ちゃんと連呼するこの騒がしい筆者を、同僚達はあきれていた。
「まるでAKBの熱烈ファンみたいだぞ」
と、こういうわからないことを言うのである。
彼女から引かざる得ない、と、同僚は言った。

19名無しさん:2013/04/18(木) 19:06:07
とりあえず、引いて、しばらく様子を見ろ
と、言うのである。
男女間は押せば引くし、引けば女は気になる。
押して引いてで、状況が変わらなければあきらめろ
と、言うのが同僚の考えだった。


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