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ヘビの穴の狼達
1
:
名無しさん
:2012/07/06(金) 18:12:08
中学卒業後と同時に筆者にはひとつの目標が出来ていた。
初恋の女を仕留めることである。
想いは寄せていた。
が、想いを伝える事が出来ず、筆者にはどうにも心残りだった。
行動力が信念の筆者にはそれが屈辱であって、それを挽回するには自分の女にする他ならない。
31
:
名無しさん
:2012/12/31(月) 21:19:39
いくら携帯番号を教えてもらっても、それだけのことで、成功とは限らない。
ただ、筆者の頭には理想が膨らんでいる。
――聞き上手でなければならない。
ということだった。
話し上手には才能がいるが、聞き上手は誰にでもできる。
また、女は話すのが好きである。
女によってはそれが理想の男性ということもある。
32
:
名無しさん
:2013/01/12(土) 18:20:33
筆者は、ナンパするにあたって、博打と同じく確率のゲームだと思っている。
大学時代の記憶では、ナンパに成功すると最初の話し時間は30分にしていた。
筆者の伝説化したやり方である。
33
:
名無しさん
:2013/01/12(土) 18:21:06
大学生活が始まって、ナンパをするとわずか4人目で喫茶店に着いてきた。
実は、出来たばかりの友達を驚かせたのだが、その時も数さえ当たれば成功すると思ってたのである。
筆者はこの方法を誇った。
34
:
名無しさん
:2013/01/12(土) 18:21:39
ともかくもナンパというのは、よほどの神経を使わなければならず、女の気持ちを考えると、男に警戒心を持っているだけに、やはり工夫しなければならない。
しかもただ話すだけではなかった。
35
:
名無しさん
:2013/01/12(土) 18:22:13
ナンパというのは、経験者から見て、長時間話すのは逆効果である。
同時に、短時間で切り上げることが、薄っぺらい装置ながらも、女からすれば大切にされている感情を抱く。
情報収集をして、30分ほどで切り上げるのである。
36
:
名無しさん
:2013/01/12(土) 18:22:48
逢う約束をできると、待ち合わせである。筆者は定番とおり10分前に行った。
記憶によると、筆者の方が早く着いたことが多かった。
女というのは、待ち合わせ場所で、男の様子を見る傾向があるらしい。
37
:
名無しさん
:2013/01/12(土) 18:23:28
>>31
で触れたが、携帯番号を教えてもらったことが成功とは限らない。
筆者が携帯番号を教えてもらったとき、間違った番号のこともあった。
言うまでもなく、こちらに気がないわけで、このような時はあきらめるしかない。
38
:
名無しさん
:2013/01/12(土) 18:24:07
また、待ち合わせをしても来ないこともある。
携帯番号を聞きだし、同じ大学であるのに、待ち合わせに来ないのは、要するに芽がないことを意味する。
が、この場合、まだ0%ではない
と、筆者は言う。
39
:
名無しさん
:2013/01/12(土) 18:24:42
待ち合わせまで約束したとき、嬉しさのあまり大騒ぎし、さすがに周囲も筆者をたしなめたが、この後どうなったか、想像できるであろう。
40
:
名無しさん
:2013/01/12(土) 18:25:21
「女の嫌いが、本当に嫌いとは限らない」
と言うように、女も勇気がなくて、来れなかったことも考えられる。
もし、芽がないと思って次に行けば、その女とは永久に終わりとなるであろう。
41
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:51:02
――待ち合わせをすっぽかせやがって!!との憤りも残っているが、奇妙なことに筆者は内心喜んでいる。
男と女には「女優先」とされていて、その理不尽さは悲痛なほどである。
が、それがルールなのである。
42
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:51:53
しかし、それであきらめていいはずがなく、次々にナンパを重ね、最後に生残った者が勝者となる。
待ち合わせをすっぽかされた筆者は再び口説いた。
あまり口説くと女も構え、ストーカーと勘違いされるらしい。
43
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:52:23
次の日、筆者は女に気軽に声をかけた。
女は待ち合わせをすっぽかした負い目があるから、優しく声をかける。
女の硬直が消えた頃、筆者は再びデートを申し込んだ。
ナンパ成功まであと一歩。
44
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:52:54
当日に電話するのはいけない。逆効果なだけである。
45
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:53:30
待ち合わせの約束を破ることは3度まで許した。
それ以上許すと調子に乗り、都合のいい男になる。
(またか)
頭にくるはずである。
が、筆者は何事もなかったように、店に入ってメシを喰った。
46
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:54:08
モテる男は堂々としている。
たかがナンパである。
スグに成功してもおもしろくない。
これに対し、モテない男はソワソワしていた。
モテない男には余裕がなく、また待ち合わせ場所で落ち着きがなかった。
47
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:54:45
筆者も、最初の頃はソワソワもしたが、ナンパを重ねるうちにだんだんと要領がのめるようになった。
いざというときに堂々としてなければならない。
そのため、待ち合わせ場所で本を読むゆとりを持っていた。
48
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:55:24
男には矢吹丈のような生き方を美学と思うらしい。
彼には才能があり、反逆の精神があった。
筆者も一度は憧れた。
彼の生き方は最初は自己満足もするが、人間関係は崩壊する。
49
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:56:01
「反逆の精神」と、座右の銘のように発し、矢吹丈のような生き方を真似る者がいる。
彼らは、一匹狼というぐあいに、理由なき反抗を繰り返すのだが、周囲にいる者は大変なものである。
50
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:56:44
女にとって、「反逆の精神」を美徳と思っている男は、かえって敬遠すると言っていい。
その美徳も、批判的で、独りよがりなのである。
自分を毛嫌いする女に、攻撃的な妄想があらわれ、さらには
「俺様に着いて来れんヤツは、着いて来んでいい」
な、ぐあいである。
51
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:57:18
そんな男がいるなかに、乾いたような男がいて、人間には二種類の男にわかれている。
乾いた男の朝は、めざまし代わりの音楽から始まるという。
携帯には、ナンパした女のメールがあり、今日一日の大吉を予感させる。
52
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:58:04
乾いた男は、あるいは反逆の精神の男の真逆な性格かもしれないが、ともかくも我々もみ習わなければならない。
彼はモテまくった。
朝は早めに起きてスポーツジムに通った。
53
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:58:36
多少マジメな雰囲気があるかもしれないが、乾いた男には爽快感がり、スポーツジムに通うことによって出会いを求めている。
54
:
名無しさん
:2013/01/19(土) 17:59:25
彼は、そのつど、女に声をかけている。
挨拶をすると予想しなかったことに反応が良かった。
挨拶は人と人の縁を繋ぐため、挨拶をしているうちは縁が切れない。
モテる男をみると、老若に関係なく声をかけている。
55
:
名無しさん
:2013/02/02(土) 20:14:31
乾いた男は昼休みに、女子社員を誘った。
さて、反逆の精神の男である。
反逆の精神の男は妄想が強いから、乾いた男を僻んでいる。
その僻みも奇妙な解釈で「俺の方が上だ」というのだから、見上げた精神である。
56
:
名無しさん
:2013/02/02(土) 20:15:13
ここで訂正したい。
「反逆の精神の男」と称しているが、モテない男がすべて反逆の精神を持ってるわけではない。
これからは彼をアツシと呼びたい。
モテない男すべてが反逆の精神だとすれば、世の中どのようなハメになるか。
57
:
名無しさん
:2013/02/02(土) 20:15:46
同僚はアツシを昼食に誘うが、アツシは無視をし、パソコンを叩いている。
多忙であった。
しかし、他の同僚にとっては、アツシの多忙など知った事ではない。
58
:
名無しさん
:2013/02/02(土) 20:16:16
アツシがめずらしく、筆者に声をかけてきた。
声をかけてきたのは相談のようだ。
アツシは顔がブサイクなため、見掛けが悪いため、モテないというのである。それでモテている男はいる。
59
:
名無しさん
:2013/02/02(土) 20:16:56
「髭を剃ったらどうだ」
と、筆者がまず言ったことであった。
アツシは、この髭はポリシーだと言った。
「女は通常、髭は嫌いだ」
と、筆者は女の立場に置き換えた。
それでもアツシはその髭が反逆の精神の象徴だと主張するのである。
60
:
名無しさん
:2013/02/02(土) 20:18:13
偉そうにブラットピットがどう、竹之内豊がどう、と、ホザき、これがアツシの感想であった。
アツシにすれば、反逆の精神が美徳と思っているし、それが「男」だと思っている。
61
:
名無しさん
:2013/02/02(土) 20:18:46
なにやら筆者はバカバカしくなっている。
アツシが「男の中の男」ヅラして、髭の哲学を語っているのが笑止である。
要するに、自分を擁護している口実ではないか。
62
:
名無しさん
:2013/02/02(土) 20:19:23
「女は、理屈的で、自己主張する男は嫌いだぞ」
筆者は言った。
アツシは自分を誤魔化すことが嫌いな男で、このあたりの批判さが、女にとって悪評であった。
女との会話は、まず女をホメなければならない。
63
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:33:03
いつの間にか、筆者とアツシは語り合っていた。
その後、アツシは筆者の助言通り、髭を剃った。
「お前、本当にアツシなのか?」
筆者は唖然した。
アツシには、髭面というムサ苦しさがあった。
64
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:33:35
筆者はアツシに近づき、彼の顔を眺めた。
「なんか、らしくないな」
「髭を剃れと言ったのはお前だろ」
世に髭を伸ばしている男はいる。
女にとっては、嫌な存在にちがいない。
65
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:34:28
アツシの髭だが、剃ってみるとシックリ来ない。
アツシから髭を取れば、アツシとは思えぬ。
髭面に今更弁解するつもりはないが、しかし、剃ってみると、例外もいるもんだ、と思えてきた。
66
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:35:14
(これが髭というものか)
筆者はアツシを見て感じた。
髭もちょっとくらいなら、と、アツシに助言する。
筆者は本心を隠して、「らしさ」を語った。
67
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:35:56
アツシは女に媚を売ったことがなかった。
女に不審顔をされるとスグ怒り、下手すると怒鳴った。
そこを治さなければならない。
と、いうふうに筆者は言った。
68
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:37:18
「女は好きか?」
と、筆者は聞いた。
恋愛は女優先に出来ている。
筆者は「もっと女を好きになれ」との意味のことを言ったのだが、不審顔くらい大目に見ろ、と話した。
69
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:38:00
「見た目が9割」との言葉がある。
ほとんどの者は見た目通りの者らしい。
女がアツシを見て批判的な男だと思い、不審顔をする。
アツシが怒る。
オカシナことに女の思った通りになって、固定概念が付着するのである。
これが心理学での「期待観測の法則」である。
70
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:38:39
筆者の場合、必要以上に女を好きになるように意識した。
意識するだけで女には伝わるのである。
あるとき、筆者が同僚の子に気がある噂がたった。
同僚の子は真央(仮名)という。
71
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:39:19
真央は筆者のことをさほどでもないが、好意を持たれることに悪い気はしない。
と、のちにそう語った。
これは、間接的に好意を伝えたと言っていい。
筆者は指一本動かさず、好意を伝えたのである。
72
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:39:54
恋の道は求愛し、気の利いた言葉まで哲学的になり、ときにそれをテクニックと言ったが、女というのはもっと現実的である。
一言の求愛で良く、自然に恋愛関係が成立するのは、よほどのときである。
73
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:40:31
てっとり早く女獲得するには、告るのが一番である。
適当に言葉を繕って、好きと言い、数撃てばいつか成功する。
口で言うのは簡単だが、告るのはエネルギー費やす。
しかし、口は出さず、好きと意識するだけで、相手には伝わる。
74
:
名無しさん
:2013/04/05(金) 20:41:07
筆者は、口には出さず、好きという意識をそのままで行動した。
一言の求愛よりずっとラクであろう。
そこには「好き」と言った事実は無い。
このため、恋が成就されなくても、既成事実は闇から闇へと葬り去られるのだ。
75
:
名無しさん
:2013/04/18(木) 18:56:04
印象とは妙なものだ。
高校2年の頃、女にフラれたとき、(ヘビのようだ)と、あのときほど感じたことはない。
筆者自身も良くなかった。
初恋の女といえば、光り輝く吉祥天女を感じさせるような女と思っていたが、いざ付き合って見るとじゃじゃ馬だった。
76
:
名無しさん
:2013/04/18(木) 18:56:39
元気で、ことさら人に思いやりがある姿はどこに行ってしまったのだろう。
初恋の女は、吉祥天女というものではなく、どこにでもいる我儘女だった。
77
:
名無しさん
:2013/04/18(木) 18:57:13
その後ほどなく女の紹介の話があった。
友達が集まって、元気のない筆者を励まそうとしたのである。
朗報といっていい。
78
:
名無しさん
:2013/04/18(木) 18:57:46
しかし、筆者はそれを断った。
友達の伸介(仮名)が
「お前は女にビビてんだよ」
と言い、尚更、紹介を受けるべきだと言った。
79
:
名無しさん
:2013/04/18(木) 18:58:27
男は狼ながらも、女の前に立つと、ヘビに睨まれた蛙のようになる。
それほど男は女に弱い。
ヘビという女に、蛙のように動けなくなる。
この場合そうかもしれない。
80
:
名無しさん
:2013/04/18(木) 18:59:05
女をかわいいと思わなければいけない。
そのことに気が付いた。
もし、これからも女がヘビに見えるとすればおもしろくないと思ったのである。それより、女の魅力を見た方が楽しいのである。
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