大猫、赤白長衣の少女、スリッドスカートの少女は、細かい意思疎通は不可能だが、少なくとも語族レベルでは共通した言語の持ち主であり、白猫又と大猫とスリッドスカートの少女も擬人化動物汎用語により意思疎通が可能ということで言語的障壁は低い様子である。
問題は、太古の世界で広く伝わるパワーインフレ漫画の典型とされる伝説の名作に出てくる主人公もかくやという勢いで、ひたすら食べている青年である。
赤白長衣の少女のボディーランゲージの甲斐もなく、全く意味が通じた様子はない。
"le te xif aa.... nn....."
赤白長衣の少女は頭を抱えた。
"haan."
大猫は何かに納得した様子である。
"ku molak luni i kakis lobi. jel e"
白猫又は青年の言葉になんとなく大猫が言った言葉が通じた痕跡を見出した。
"deo cumari [so] a amakon, nde...."
大猫は断片的な記憶データから言語の系統を解析する。
"[na:mez] et kik al avalon po pero imen sid tin, ma.... nei [addu] tan et sativet e avalon po pero mia?"
混沌とした独白の中、言語系統を検索する。
"lozeld ilen avalonpo sid/gumosopo/eld xe. til an se-u eld xe et to."
断片的にだが、言語系統を同定した。
"govejtud?"
"ya. til gumosopo tan et lozeld"
なんとなく解読の手掛かりを手に入れたようだ。
使える知識はすぐ使って見る。
"[jes, i: so kakis], [kakis]"
大猫は両手をあげて話してみる。
"[addu, it so lɯnji]"
前足を白猫又の方に向けていった。[ɯ]とは非円形の母音であり、関東式の「ウ」とほぼ同じ音である。
"luniii"
白猫又はそういった。[l]の音が弱く、なんとなく「うにー」と鳴いているように聞こえる。
"[addu, ʃe: so akali:]"
大猫は赤白長衣の少女に前足を向けて言った。
ちなみに[akali:]は最後のliにアクセントがある。
"ep? txi alna sen luen eld?"
赤白長衣の少女は驚いている。
"[addu, ʃe: so lɛɪn]"
大猫はスリッドスカートの少女にすり寄って言った。
ちなみに[lɛɪn]とは[lein]よりも口を大きく開けてはっきり発音したもの程度の理解で構わない。こっちは、最初のleにアクセントが付いている。