面倒だから早くこの場を立ち去ろう。
そう思って歩き始めた矢先、
"aaaaaa!!!"
怪物に吹き飛ばされた戦斧を持った妙にがっしりした髭のおじさんが突然空から降ってきた。
"hgyaaa!!"
押しつぶされて、思わず猫の悲鳴のような声をあげる小猫又。
"naa? nei haar luni?"
大猫は、その悲鳴で流石に異変に気がついたか、髭のおじさんの下敷きになった小猫又を引っ張り出す。
"la el la jeg nyaaa.."
小猫又はかなりの衝撃で押しつぶされたにもかかわらず、よく道で見かける平面化した毛の塊にはならなかった。
一方でそのおじさんは吹き飛ばされた衝撃で内臓破裂を起こし今にも死にそうであった。
"gois!"
大猫は、面白い玩具を眺めるように高い年代物の鎧や斧を観察している。
彼もまた小猫又と同類の妖怪なのだ。
他者の生死にさしたる関心はない。
彼は灰色っぽい光る金属でできた無骨な斧を撫ぜ回した
"op?"
驚いたことに、斧はみるみる小さくなり、太古の学校で使われていたというチョークに酷似した
小さな金属棒に変化した。
今度は、重そうな丸盾にふれてみる。これも小さな金属棒に変化した。
"wei, luni liij, ba' bit mil. vongole boj"
大猫は、小猫又に面白いからやってみろと促した。
小猫又は、小さな短剣に触れて見た。これもまた小さな金属棒に変化した。
"ou, gel, si na dara bo!"
小猫又も面白く思ったようだ。