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【質問受付】人工言語・言語学質問スレッド

171 ◆UOXJ7Oxg.I:2013/02/04(月) 11:41:42
>>170
本質的な説明は次のようになろうか:
再帰代名詞は主語と同じなのだから「自分を持つ」 "s'avoir" という言い方自体が不自然。

印欧語の完了分詞は受動の意味を含んでいた。それが「持つ」という意味の動詞と組み合わさって複合時制になるのだが、それは次のように推移した:

(1) S+V+O+PP → (2) S+V+PP+O

1 の段階では PP は O との結び付きが強かったが、やがて V と PP の組み合わせが時制を表すように感じられ V との結び付きが強くなり語順も変わった。
ここからは英語風の作例で説明する。

I have a bottle raised.
私は立てられた瓶を持っている。
→瓶は立っている、つまり立たせるという動作は既に成し遂げられている。
→私は瓶を立て終えた。
こういうふうに意味が変化すると語順も変わる。即ち
I have raised a bottle.

これが自分になると
I have me raised. Je ai moi levé.
ではなく
I am me raised. Je suis moi levé.
が自然である。

あとは語順を整えて
Je me suis levé.


もう一つの考え方としては、代名動詞は他動詞+再帰代名詞ではなく、目的語を抱合した自動詞である、と説明することもできる。
フランス語は複合語を作らないので、見た目はジャガイモ式に分かち書きしているだけ。
se も活用接辞とみなせば、もう他動詞としての要素はない。
これがもっと進化したのがロシア語のся動詞。


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