したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【質問受付】人工言語・言語学質問スレッド

123luni ◆CcpqMQdg0A:2012/11/29(木) 20:34:51
アルカのSOVからSVOへの移行は前期アルカから中期アルカへの移行期、
1994年末のことだよ。


格標識がなかったよ。
SOV語順で、あんまり複雑なことは言えなかったのです。
SとOの境界が不明瞭で分かりにくい感じだったよ。
ゆえに形容詞や形容詞節がごちゃごちゃつく複雑な文がでてくると、
SとOの境界が不明になってきたから、間にVを挟んで区別するという風に1994年末ごろ変わったよ。


当時の例文をあげるよ

[del ena] 私 泣 / 私は泣く。
[kal de nalu:ta]場 也 学校 / 場所は学校である。
前置詞も格助詞もない時代だから、「私は泣く」+「場所は学校である」 = 「私は学校で泣く」みたいに
文を分けて書いていたよ。

これが、中期制アルカ時代になるとどうなったかというと
[del ena kal de nalu:ta] 私 泣 場 也 学校 / 私は泣く、場所は学校である
という中間的な過程を経て、次第に繋辞のdeが省かれ
[del ena kal nalu:ta] 私 泣 場 学校 / 私は学校で泣く

という風になり、場所を表すkalが場格前置詞としても使われることになったよ。
これは時間を表すimaなど他にもいろいろあるね。

中期アルカ(1994〜1997年)の時代は他にも時制・相・モダリティに関する語彙が出てきたり、
天秤詞と言う今でいう文末純詞的なものが出てくるなど、文法的に成長した次期なのです。
語彙的にもようやくピジン段階を抜けだし、オリジナルの語彙が音象徴によって生成されるようになり、
自然言語から人工言語へ変貌していった時代でもあるよ。


元々格助詞、つまり後置詞がないところからだったから、欧米の格変化による名詞の語尾変化のような
SOV時代の痕跡器官みたいなのは見られないね。
ドイツ語をやったほうが、格は主に前置詞と冠詞で表示するようになったのに
SOV時代の残滓の語尾の変化が残っている様子がみられて勉強になるかもしれないし、
古英語、中英語、近代英語へと英語が変化していく様子を見た方が、
SOVデフォルトな言語が残存器官を残しながらSVOに変わってゆく様子がみられて参考になると思うのです。
屈折語尾と格助詞の併用となると、ラテン語やフィンランド語が参考になると思うよ。


修飾節や形容詞は最初はSOV時代と同じく前置だったけど、
1996年にはじめてつくられたアルカ字典である『制定語彙』の登場を境に、
節は後ろに、形容詞は前にも後ろにも付くようになったよ。
中国語みたいに従属節が前につくSVO語順の言語もあるけど、
すっきりと構造が見えやすいようにするとなるとインドネシア語のようなSVO NA 節後置が
ちょうど、S以後が、語順が安定しているOV語順言語の対称形になって、
構造が把握しやすいよ。
SVO言語って一般的に長かったり重かったりする部位は、
It that構文みたいな形で後ろに回す傾向があるから、従属節は後ろにあったほうが、
一般的に読みやすいのです。


ええと、中期アルカ(1994〜1997)については以下のサイトがくわしいのです。
http://www33.atwiki.jp/kakis/pages/10525.html

あと『アルカ』というのは本じゃなくて2003年10月15日に、セレンさんがまとめたアルカ史のpdf資料だよ。
初代アルカから前期制アルカ(2002〜2003年)までの言語の作成過程と、
当時使われた中期制アルカの極々初期のヴァージョンの文法仕様が詳しく把握できる貴重な資料なのです。
2003年7月16日にリーザさん(当時33才)が作ったアルティス教を、このころはまだ真面目にやっていた様子が
うかがい知れるのです。
http://kakis.cocolog-nifty.com/blog/files/sadarka.pdf

内部関係者用の資料と言うこともあり謎単語や独自の暦法があって読みにくいものの、
この段階で既に並みの国際補助語以上考察されている感じで、
新しく作る人にとっては、飽きずに作り続ければ10年後ぐらいにそうなるという形態で、
どう作ったら非効率かとか、グダグダになるかとか、アルカ史の膨大な回り道の過程が見て取れるのです。
こういった過程を経たからこそ、現代の「人工言語の作り方」にみられるような
効率的な人工言語の作成ノウハウが見出されたのです。
「良くも悪くも普通の言葉」になるまでに、いかに奇抜で荒々しい
紆余曲折の道のりを経たのかと言う、その最初の半分ぐらいの工程がみられるね。
古アルカの時代はピジン・クレオールに近く、制アルカ時代は工学言語に近いものなのです。
人間は楽に流れるもので、楽だと思って作ったら逆に苦労したりとかして、
結局、普段使う自然言語というのは運用効率においていかに楽に作られていたのかということ、
表現力やバランス感覚が絶妙だと言うことに気付いたりするのです。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板