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独占板

6736シャンソン:2016/03/20(日) 10:06:47 ID:MuHg9kfI
    平家の落人部落に立つ

 あるブログで各地の平家の落人部落を探索している女性の紀行文を読んだ。
見覚えのある土地の写真も出ていたので思い出したが、私も女性二人、男性運転手一人の車に乗って
このあたりをドライブしたことがある。

 ドライバーが突然、「近くに平家の落人部落があるから行こう」と言いだし、
どんなところだろうとワクワクしながら山道を登って行ったが、目的地に着くと、
そこはどこにでもあるような質素な原っぱだった。草原というほどでもなく、なんか近辺の人たちがハイキングに来て、
「このへんでお弁当にしようかあ」っていいそうなかんじの平坦な原っぱだった。

石碑があるわけでもなく案内図が建てられているわけでもなく、口コミでしかわからない。
「ここは何?」「これがどうしたの?」二人の女性から同時多発質問を受けた男性は、
「いや、、いや、ここが平家の落人部落でしたっていうことで」といいながら、そそくさと車の中に戻っていった。

 滞在時間5分で済んだ私たちとちがって、その女性ブロガーは、遠方からローカル線を乗り継ぎ、タヌキも鹿もヘビも出て来る
田舎道を延々と歩いて写真撮影している。ブログコメントも、「私のその平家の話を祖母から聞きました」「あの写真の家は〇〇さんです」
とか、ものすごくローカルで、そして熱意がある。まさに紀行ブログってかんじだ。
その情熱は、神戸や伊勢に必死で配達に走れば、車も買えるし彼女も出来ると思っている青年のエネルギー速度と似ている。

 目的地まで行けなかったのか、紀行文は川べりの写真で終わっている。
そのむこうの坂道を迂回して、山に入ると何の変哲もない原っぱがあって、
そこには妻と娘から、「なんでこんなところに来たかったの??」と、
問い詰められている中高年が立っている。


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