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独占板

5754シャンソン:2015/12/23(水) 11:33:08 ID:pQZ4O.WY
     関東大震災異聞

 関東大震災については、語ればキリがありませんが、私がいちばん関心のあるのは膨大な文書が消失したことです。
官房文書課だけでも、琉球藩関係のものが一五〇〇冊、神社関係の文書も全部焼けてしまいました。大蔵省では六棟の倉庫に収められていた
文書が消失してしまいましたから、大震災以前の経済記録はわからなくなってしまったといわれています。

 また、文部省では一一万冊が焼け、そのなかでも惜しいのは珍しい写本が失われてしまったことです。
東京帝大の図書館では七〇万冊が被害にあったといわれています。伊能忠敬自筆の「伊能地図」の元本も焼けています。
私の知っている話でいえば、ドイツ生まれでイギリスに帰化したフリードリッヒ・マックス・ミューラーという
オックスフォードの大学者(初代比較言語学教授)が亡くなったとき、三菱財閥の岩崎家が彼の蔵書二万冊を五万円で買い、それを
東京帝大に寄付していますが、それがそっくり焼けてしまいました。

 そこには、非常に重要な本がたくさん混じっていました。
ただし、そのリストだけは残っていましたので、私の知り合いのジョージタウン大学の教授は、「そのリストを復元したい」といって、
わざわざ来日、半月ぐらい滞在していたことがあります。

 それからサンスクリット文学も焼けてしまったし、ジェズイット(イエズス会)に関する貴重な文献もまるまる焼けてしまいました。
非常に残念でなりません。多くの人が亡くなられたわけですが(死者・行方不明者は一口に、一〇万五〇〇〇人といわれている)、
文書関係でいえば、そうした損失も忘れるわけにはいきません。

   『渡部昇一の日本内閣史』渡部昇一 著


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