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独占板
4701
:
シャンソン
:2015/10/09(金) 15:47:14 ID:PWmHtSSc
過去世からつながるかけがえのない仲間たち
私の職場である東大病院救急部・集中治療部のスタッフは、いろいろな医療機関や大学から
やってきた人たちです。この病院の救急部門を改革するという志に共鳴してくれたという意味では、
「類は友を呼んだ」のかもしれません。
何せ東大の中では、もっとも新しい科です。誰も行きたがらず、人が集まらない時期もありました。
そんな状況にもかかわらず、「自分が行きます」と挙手してくれた人がいた。本当にありがたいことだと感謝しています。
ところが、組織というのは難しいもので、運営していくうちにさまざまな問題も生じてきます。
人のことを言えた身分ではまったくありませんが、中には反抗ばかりする人も出てきます。
しかしよく考えると、たとえるならば、そういう人は「苦汁(にがり)」のような存在です。少なからずそういう人がいないと、
組織は活性化されないし、進化もしません。仮にその人を排除しても、全体はバランスをとろうとしますから、必ず同じような人はまた生まれます。
ですから排除するのではなく、活かす方向で考えることが重要なのです。
そういう人もまた仲間であると、私は考えます。立場や主張は違えども、組織を活性化させる役を担っているという意味では「類友」にほかなりません。
友という字は「ナ」と「又」からなる会意文字です。どちらも「手」を表しており、二つが合わさっている形から、手と手をたずさえる仲ーつまり「友人」という意味へと
変化したようです。ちなみに、類は「仲間」という意味です。「類は友を呼ぶ」ということばは、似た性格の者、似通った者、気の合う者というのは、自然と集まり、仲間として
集団を形成するといった意味です。「類友」は、このことばの略称です。
また、同じようなことばに「類をもって集まる」があります。古代中国の占術書にして、東洋最古の書物『易経』には、「類を以って聚(あつ)まり」ということばも登場します。
このことからわかるように、「類をもって集まる」ということばが先で、「類は友を呼ぶ」ということばは、あとになってできました。
「類は友を呼ぶ」ということばができたのは、江戸時代と言われています。江戸を代表する文化の一つ、「上方いろはかるた」や「尾張いろはかるた」に、
「類をもって集まる」という札があります。おそらくはここから「類は友を呼ぶ」という、よりポジティブなことばが派生したのではないかと見られています。
類は友を呼ぶことは事実です。ただ、時間の経過とともに、自分の周囲にいる「友」の顔ぶれが変わることもまた事実でしょう。さまざまな理由で、つき合う仲間は移ろいゆくのです。
卒業、転職、異動、転居などをイメージするとよくわかります。どれほど慣れ親しんだ仲間でも、物理的に離れることで親密さは薄くなる。逆に面識がなかった人でも、身近にいる時間が増えれば、
自然と親密さは濃くなります。
こうした物理的な理由に加え、私たちの「意識の変化」も関係してきます。
意識が変わると、つき合う人が変わるのです。人はみな、さまざまな目的やテーマを持ってこの世に転生してきました。
自分には自分の、その人にはその人の学びがあります。
あるとき意気投合していた人と、しばらくして疎遠になるのは、おたがいに意識の変化が起き、「学びの種類」が変わったからなのです。
そう考えると、別れとは決して悲しいものではないことがわかります。おたがいが成長し、次のステージに進んだという証なのですから。
何ごとも、最初から最後まで同じ顔ぶれ、ということはありえません。会社からサークル活動にいたるまで、組織というものはすべてこのプロセズのくり返しです。
必要以上に別れを悲しんだりするのではなく、人間関係もまた「無常」であるととらえたほうがよいでしょう。
『世界一美しい日本のことば』 矢作直樹 著
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