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独占板
1926
:
シャンソン
:2015/03/21(土) 14:49:12 ID:8iCJuf8E
西郷隆盛や織田信長が待っていた覚悟
「覚悟」と言えば、西南戦争で戦死した西郷隆盛には、比類なき武士道精神がありました。
今ではよく知られた事実ですが、西郷は当初、明治政府との全面戦争を積極的に望んでいるわけではありませんでした。
大勢の人間が殺し合い、憎しみ合い、やっとの思いで戦争を終えてつくった新しい時代。「二度と争いなどしたくない」という心情
だったでしょう。
しかし中央政界では、願望を実現したグループと実現できないグループとに分かれ、
嫉妬や憎しみが増すばかりで、廃刀令まで出ます。願望を実現できないグループは西郷に閉塞状況をなんとかしてほしいと期待します。
名家老と呼ばれた小松帯刀の下、大久保利通と一緒に薩摩藩を率いて幕末を疾駆した西郷も深く思案したでしょう。
それでも覚悟は、最初からあったのだと思います。
幕末、あれだけの戦場、修羅場をくぐり抜けた人物です。
自分が矢面に立ち、不満を持つグループを率いて九州で蜂起する、そして見事に蒔けることまで、西郷隆盛という人には見えていたと
推察します。代わりに、新しい時代で生きることのできない、やり切れない大勢の魂をあっちの世界へと連れていくことができる、無益な殺し合いを
本当の意味で終わらせることができるーーそう考えたのでしょう。
相当の覚悟がないとできないことですし、その死を美化するわけではありませんが、
あの時代の人々には明確な武士道精神が根づいていたのだと感じます。西郷による次の言葉にもそれが表れています。
「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして己を尽くし、人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ねべし」
西郷はまた「敬天愛人」という言葉も遺しました。天を敬い、人を愛す。深い愛を知っているからこそ、これが言えたのだと感じます。
魂は輪廻転生していると知っていた日本の先人たちは、自分の力ではどうにもできない状況に際して「しかたなし」と言い、
覚悟を試されました。
重い病に罹っても長くない、理不尽な状況で刀を抜いた、そんな時、そこに生まれた我が運命を振り返り、懸命に生きたから悔いはないと
心が澄んだ状態.....それこそが「覚悟」であり、覚悟が決まった状況で心からふらつかないさまは「悟り」です。
織田信長が本能寺で明智光秀の軍勢に囲まれた際、「是非に及ばず」と発した言葉も、信長なりの覚悟の表れです。
今、こうして腹心の部下が率いる軍勢に囲まれ、自分は殺されて首を挙げられようとしている。そこにあるのは、なぜ自分がこんな目に遭うのだという
後ろ向きの気持ちではありません。
その状況に至るまで実にいろいろなことがあった、良いことも悪いこともあった、だからこうなってしまったことについて、今さらあれこれ考えても仕方がないー
これが是非に及ばずという澄み切った心のありようです。「あの時に光秀を優遇しておけば」などという濁った後悔はそこにありません。
私は医師です。だから医師としての覚悟は持っています。それは「最善を尽くす」ということです。
医療現場は複雑ですから、普通の人がすべてを把握するのは無理です。
そうは言っても医師は患者を救うことが仕事であり、そのための説明を本人や家族にしなければなりません。
余命いくばくもない方なら、どんな緩和ケア(終末期医療)を施すのが良いのかを考えないといけません。
そして本書を読まれている皆さんにも、持つべき覚悟があります。
それは医療・健康面での覚悟です。加齢と病気は裏表の関係であること、平均寿命にこだわらないこと
このふたつは重要です。理解できれば、人生を楽しめると同時に肉体死への心の準備ができるはずです。
『日本人のお役目』 矢作直樹 著
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