「ロイ・E・デーヴィス氏は、アメリカに於ける私の親友で、今私の伝記の著書の執筆中である。氏は少年時代からヨガの指導者ヨガナンダに師事して心霊的修行を積み、その後、ユニティ、リリジャスサイエンス、ディヴァインサイエンスその他ニューソート派のいわゆる光明思想と称せられる諸多の宗教及び応用心理学的な人間の運命改善に関する学を渉猟し、常に身をもって修行し、その方面の大家として、著述に、講演に、八面六臂の活動を続けている哲学者であり、且つ宗教家である。
デーヴィス氏の講演は常に満員の盛況であって聴講者千名を下ったことがないといわれている。数年前日本へも講演旅行に来て多くの聴衆を集めたが、氏の著書、「Time, Space, and Circumstance」は深い真理を内に含む氏の実相哲学で、人間の本質を究明した好著であったので、氏の来朝を記念して私が和訳して、「人間とは何か」と題して出版したのであったが、いまだにこの訳書は、読者から読者に伝えられて注文がつきないのである」