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Web誌友会 板/2
5526
:
a hope
:2015/06/21(日) 21:53:38 ID:cEpBaIdo
「生命の實相」第19巻 p131
転身
一
そのころ、突然、松江市の岡田建文という人から、その編集している週刊新聞ふうな雑誌『彗星』というのを送ってきた。
それには丹波綾部に皇道大本というのがあって、魂返しの鎮魂法で、松江の医師井上留五郎氏が、すでに縡(こと)切れていた病人を蘇生(よみがえ)らした話が書いてあった。
爾来、岡田建文氏からは『彗星』を毎号送って来た。
それにはいろいろの心霊療法や皇道大本の奇跡のことが書いてあったので、わたしはわたしの研究した立場から、多数の心霊療法の方式を説明し、その方式が有効に作用するの所以(ゆえん)の共通の原理を指示し、すべては三界唯心の理によってそれが可能であるという結論を与えて、皇道大本の奇跡も、もしそれが実際ならば同一原理によって起こるものであるという批評を与えた原稿を投書した。
岡田建文氏からは折り返し返事が来た。
それには、「すべての心霊療法は貴下の解説とおりの原理でできるのであるが、皇道大本ばかりは別物である。一度綾部に到ってその実際を見聞せられよ」と書いてあった。
それと共に送ってきた雑誌『彗星』には、皇道大本の世界建て替え説が紹介されてあった。
それにはいっさいの罪人と罪業が神力によって焼き滅ぼされ、清浄無垢(じょうじょうむく)の新天新地が創造される時期がいよいよ到来した。
その時期というのはここ数年間だという実に目睫(もくしょう)の間に迫ってくる福音であった。
「新天新地がいよいよ来るのだ!」
当時罪悪感に捉われながら、罪業を消去する道を求めて焦慮していたわたしにとっては、いっさいの罪人と罪業が焼き滅ぼされ清浄無垢の新天新地が創造される世界建て替えの福音は、心を打たずにはいなかった。
それはわたしにとって実に喜ばしい福音であると同時に恐怖すべき福音であった。
わたしは希望と、恐怖と、好奇心とで、ある朝思い切って綾部行きの汽車に乗ったのであった。・・・
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