[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
1001-
1101-
1201-
1301-
1401-
1501-
1601-
1701-
1801-
1901-
2001-
2101-
2201-
2301-
2401-
2501-
2601-
2701-
2801-
2901-
3001-
3101-
3201-
3301-
3401-
3501-
3601-
3701-
3801-
3901-
4001-
4101-
4201-
4301-
4401-
4501-
4601-
4701-
4801-
4901-
5001-
5101-
5201-
5301-
5401-
5501-
5601-
5701-
5801-
5901-
6001-
6101-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
Web誌友会 板/2
4677
:
SAKURA
:2014/12/08(月) 19:54:36 ID:???
こんばんは…… ローマ字(大文字)のSAKURAで〜〜す。
>>4676
投稿の続きです。
■―― 霊界通信 ――■ −その63−
「小桜姫物語」 浅野和三郎 著 (転載編) ―その1―
―― 【 四十一、海神の怒り 】 ――
――――――――――――――――――――――――――――――
■私が伺った橘姫のお物語の中には、まだいろいろお伝えしたいことがございますが、とても一度に
語りつくすことはできませぬ。
何れ又良い機会(おり)がありましたら改めてお漏しすることとして、ただあの走水の海の御入水遊ば
されたお話だけは、何うあっても省く訳にはまいりますまい。あれこそはひとりこの御夫婦の御一代を
飾る、尤も美しい事績であるばかりでなく、又日本の歴史の中での飛び切りの美談と存じます。
私は成るべく姫のお言葉そのままをお取次するRことに致します。
『わたくし達が海辺に降り立ったのはまだ朝の間のことでございました。風が少し吹いて居りましたが、
空には一点の雲もなく、五六里もあろうかと思わる広い内海(いりうみ)の彼方には、総の国の低い
山々が絵のようにぽっかり浮んで居りました。
その時の私達の人数はいつもより小勢(こせい)で、かれこれ四五十名も居ったでございましょうか。
仕立てた船は二艘、どちらも堅牢な新船でございました。
『一同が今日の良き船出を寿(ことほ)ぎ合ったのもほんの束の間、やや一里ばかりも陸へ離れた
覚しき頃から、天候が俄かに不穏の模様に変って了いました。西北の空からどっと吹き寄せる疾風、
見る見る船はグルリと向きをかえ、人々は滝なす飛沫を一ぱいに浴びました。
それにあの時の空模様の怪しさ、赭黒い雲の峰が、右から左からも、もくもくと群がり出でて満天に
折り重なり、四辺(あたり)はさながら真夜中のような暗さに鎖されたと思う間もなく、白刃を植えた
ような稲妻が絶間なくなく雲間に閃き、それにつれてどっと降りしきる大粒の雨は、さながら礫
(つぶて)のように人々の面を打ちました。
わが君をはじめ、一同はしきりに舟子達(かこたち)を励まして、暴れ狂う風浪と闘いましたが、
やがて両三人は波に呑まれ、残余(のこり)は力つきて船底に倒れ、船はいつ覆るか判らなくなり
ました。すべてはものの半刻(はんとき)と経たぬ、ほんの僅かの間のことでございました。
『かかる場合にのぞみて、人間の依むところはただ神業ばかり……。私は一心不乱に、神様にお祈祷
(いのり)をかけました。船のはげしき動揺につれて、幾度となく投げ出さるる私の躯――それでも
私はその都度起き上りて、手を合せて、熱心に祈りつづけました。と、、忽ち私の耳にはっきりとした
一つの囁き、『これは海神の怒り……今日限り命の生命を奪る……。』
覚えずはっとして現実(うつし)にかえれば、耳に入るはただすさまじき波の音、風の叫び――が、
精神(こころ)を鎮めると又もや怪しき囁きがはっきりと耳に聞こえてまいります……。
『二度、三度、五度……幾度くりかえしてもこれに間違のないことが判った時に、私はすべてを
命に打ち明けました。命は日頃の、あの雄々しい御気性とて「何んの愚かなこと!」とただ一言に
打ち消して了われましたが、ただいかにしても打ち消し得ないのは、いつまでも私の耳にきこゆる
あの不思議の囁きでございました。
私はとうとう一存で、神様にお縋りしました。
「命は御国にとりてかけがえない、大切の御身の上……何卒この数ならぬ女の生命を以て
命の御生命にかえさせ玉え……」
二度、三度この祈りを繰りかえして居る内に、私の胸に年来の命の御情思(おんなさけ)が
こみあげて、私の両眼からは涙が滝のように溢れました。一首の歌が自ずと私の口を突いて
出たのもその時でございます。真嶺刺(さねさ)し、相模の小野に、燃ゆる火の、火中に立ち
て、問いし君はも……。
『右の歌を歌い終ると共に、いつしか私の躯は荒れ狂う波間に跳(おど)って居りました、
その時ちらと拝したわが君のはっと愕かれた御面影――それが現世での見納めでございました。』
― その2 ―に続く
❤〜SAKURA
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板