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465復興G:2013/03/08(金) 16:12:31 ID:AB6RqYXc

テキスト 『生命の實相』 第2巻 第6章より<10>

 現在社会問題として富の分配ということが問題となっているのは、富が一方に片寄っているからであります。
 富がありすぎるところには山のように積まれているのに、無いところには今日のパンにもさしつかえる。これではいけないから富豪に対抗するためにプロレタリアが連合して、今日の経済制度というものをもっとよいものにしなければならぬという。
 なるほどこれも一つの対症療法であります。
 これは身体にたとえると、頭に血がのぼせているから頭を冷やせというのと同じであります。
 しかし血を頭にのぼらせぬように根本からすれば冷やす必要はないのであります。
 なぜあたまに血がのぼるかというと血の循環が悪く一箇所にたまっているからであります。一箇所に血がたまらぬようにすれば冷やす必要もない、そんな対症療法も必要でなくなるのであります。

 経済界もこれと同じことでありまして、財を一箇所に停滞せしめないように根本からすれば問題はないのであります。
 なんでも一箇所に「積む」ということはよろしくない。これを日本人は太古(むかし)はよく知っていた。だから古代日本人は「罪」を「積む」という言葉と同じ語源から作ったのであります。
 ところがたぶん外国からでありましょう、「節約」という言葉が輸入されて来ました。これを日本語では「しまつ」といいます。「しまつ」というのは「しまる」ことすなわち「引きしめる」ことでありまして、出口をくくってしまうことであります。出口をくくってしまうから財が循環できなくなる。
 循環しないで一少部分の人間のところに富が蓄積するから、ここに近代の資本主義経済組織ができあがったのであります。

 マルクスは唯物史観を説きますが、「生長の家」は唯心史観であります。近代の経済組織は節約しなければ万一のために困ることが起こる、という人間の恐怖心が原動力となって築かれたと観るのであります。
 この恐怖心がもとになって富が一部に蓄積され、有無相通ずる流通が完全に行なわれないために、貧富の懸隔がますますはげしくなり、資本家が無資産家を脅かすようになったのであります。
 だから、この不完全な経済組織を改造するには、何も制度そのものに斧鉞を加えるにはおよばない。人間の心からこの恐怖心をとり去り、財をわれわれは蓄積しないでも、われわれの生活になくてならぬものは必ず神が与え給う――換言すれば無尽蔵の大生命から与えられる――という大信念を人間に与えるようにすればよいので、こうすれば財がある一箇所に片寄って有るという奇形な状態はなくなって、全体の人間に平等に富が循環するようになるというのであります。

 本来、神につくられ、神に生かされ、無限供給の神と一体であるところの人間が、みすぼらしくもその日のパンに困ったり、職業が得られなかったり、免職される心配でふるえておらねばならなかったりするのは、実に不合理な話でありまして、どこかにきっとまちがいがあって、無限供給の配水管に栓がされているに相違ないのであります。
 このまちがいさえ無くすれば人間は無限供給の泉にふれて、直接その無尽蔵の供給を受けることができるに違いないのであります。このまちがいというのがなんであるかといいますと、神の無限供給性を自覚しないことであります。

 さきにもいいましたように、人間は本来貧しくあるようには造られていないのであります。ケチケチせねばならぬようには造られてはいないのであります。これが「生長の家」の信念であります。
 みんな人間は無尽蔵に善いものが充ち満ちているエデンの楽園にすんでいるのでありますが、いろいろ受けるところに相異があるのは、心だけのものを受けるからであります。
 心という器が小さければ少ししか盛ることができないのであります。心という器が大きい者は多くを得ることができるのです。聖書に「少なくもてる者はなおうばわれ、多くもてる者はなお与えらる」という言葉がありますが、この心の法則をいったものでありましょう。

 だから心という器を大きくし、富想を持続するようにしさえすれば、われわれは欲する事物を自分のところへ呼び寄せることができるのであります。
 心を大きくするには、神すなわち無限供給者、無限英知者、無限能力者、無限生命者と一体であるとの自覚を深めることにまさるものはありません。
 かくして無限供給者なる神にわれわれが精神を集中するとき、同波長のものを呼び寄せる原理に従って、霊知的活動または霊知的微粒子体で互いに交流して、想念のうちに描いた富を実現することができるのであります。


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