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Web誌友会 板/2

107初心者:2013/02/14(木) 13:44:32 ID:4YcI.wfQ
ダブルバインド(二重拘束)の用語は、この国でもすでに日常の言語として定着した
かの感がありますね。

そんなダブルバインドですが、じっさいはどういうものなのでしょう。専門的な説明
を読んだことはないのですが、自分なりに考えたことを書いてみます。

遊びに熱中している子供がいるとします。そこへ母親がやってきて、「買い物に
行ってちょうだい」と頼んだとします(子供はひとりで買い物に行けるくらいの
年齢です)。子供はもちろん「やだ」と返事します。すると母親は「行きたくないの
なら行かなくていい」と非難めいた口調で答えます。その言葉の意味を察知した
子供は、遊びをあきらめ買い物に出かけます。

さて以上のやりとりのなかで、母親が子供に「ダブルバインドをかけた」ことが
おわかりでしょうか。子供は「行かなくていい」というメッセージのなかに「行け」
という正反対のメッセージを読み取っているのです。

その結果としてなにが起こるかというと、子供は、母親の意志ではなく自分の意志
で、行きたくもない買い物に行かされる、といった矛盾した状況に追い込まれるの
です。母親は「行かなくてもいい」といっているわけですから、行かなくてもよい
はずなのに、なぜか行かされてしまう。これがダブルバインドの一例ですね。

母親によってダブルバインドをかけられた子供は、自分の意志で、自分が望まない
行動にかりたてられます。「行かなくてもよいはずの買い物になぜ自分は自分の意
志で行こうとしているのか」。子供にとってまったく理解しがたく、しかも大変な
苦痛をともなう状況が、自分がけっして望まない形で出現するのです。

子供は当然のことに、この困難な状況をなんとしてでも解消しようとします。その
もっとも手っ取り早い解消方法が、ふたつの意志のうちのひとつの意志を自分の
ものではないものとみなす、という方法です。

行きたくないほうの意志を自分ほんらいの意志とみなし、買い物に行かせたほうの
意志を自分ほんらいの意志ではないとみなせば、問題は解決します。母親のもので
も自分のものでもない意志がどこかにあって、その意志によって自分は買い物に
行かせられたのだと考えれば、なんの矛盾もなく問題を解決できるというわけです。

ダブルバインドをかけ続けられた子供は、以上のような方法で、自分の外にあって、
しかもそれでいて自分にたえず「〜せよ」と命ずる意志の存在をたえず意識する
ようになる可能性があるのですね。

そうなるとどうなるでしょう。子供はやがて、自分以外の誰かによってつねに
「〜せよ」と命じられる状況に追い込まれるかもしれないということです。不用意
なダブルバインドで、たえず何者かによって「〜せよ」と命じられる精神症状を呈す
る可能性があるということですね。

以上のごとく、ダブルバインドは大変に大きな影響を相手におよぼすものである
はずなのですが、世の中には、自分ではまったく気づかないままに、相手にダブル
バインドをかけ続ける人がいるようです。

「愛している」といいながら、「あなたの話は虚説だから聞きたくないの」とする
ダブルメッセージを執拗に送りつづける。送られたほうは、あきらかなダブルメッセ
ージにいらだち、ダブルバインドとおなじか、さしてちがわぬ精神的苦痛を受け
つづける。問題の人物はというと「あなたのことは嫌いだ」、「あなたの発言は幼稚
だ」といった矛盾のないメッセージを受けつづけているわけですから、さほど困難
な状況には置かれなくて済んでいる。

大げさなとおもわれるでしょうが、以上がわたしの実感するところです。この名伏
しがたい違和感は、執拗に愛されつづけている自分と、あからさまに拒絶されてい
る自分とを分離させないかぎり、けっして解消できないたぐいの違和感であるよう
な気がいたします。


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