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生長の家政治連合と「今の教え」を考える/2
550
:
アクエリアン
:2013/06/15(土) 14:34:28 ID:yh1CrJ.I
次に、最も重大なことは、三島氏の指摘する 憲法第一条と第二条との矛盾であろう。この矛 盾を平然として並べた曲芸的な操作は、人をし て呆然たらしめるものである。
第一条では、天皇の地位は「主権の存する国 民の総意に基く」とあるが、第二条では「皇位 は世襲のものであって国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、これを継承」するとあ る。ここにいう「国民の総意」と「世襲」と永 遠に調和できないであろう。
主権在民の個人主義的近代思想に立ちながら 、国民の総意が世代から世代に動かずに世襲さ れるとは夢にも考えらない。そうすると、三島 氏が考えたように、天皇は即位のたびに主権者 たる国民の総意によって査察を受けねぱなぬと いうのか。その査察によって天皇の地位が否定 されたら、世襲という規定は成立しないではな いか。
国民の総意は、選挙の形で明確になるもので ある。個々人の意志の集合で計量されるもので ある。それは横にひろがったもの、三島氏の言 葉でいうと「空間的概念」である。そこには縦 の歴史的な連続性は完全に抹殺されている。三 島氏のいう「時間的概念」はどこにもないのだ 。 この三島氏の見解を押し進めると、歴史的連 続性を抹殺しておいて、そのうえで世襲という 概念を掲げると、どういうことになるか。いう までもなく、歴史を追放した世襲は、単なる動 物的な血統にすぎなくなる。そうなると、皇位 の継承ということは完全に抹殺されて動物の生 殖と同じ次元に落ちこんでしまう。
歴史的連続性を以て本質とする天皇が、横の 広がりである空間概念によって裁かれるのか。 三島氏の痛憤は、じつにここにあったと言って よい。これでは日本の日本たる所以、氏のいわ ゆ日本のアイデンティテー(自己同一性)は成 立しない。つまり、日本は日本でなくなるので ある。それは日本の滅亡である。
続きます。
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