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生長の家政治連合と「今の教え」を考える/2

5016志恩:2016/08/19(金) 09:28:51 ID:6hRUvSRg
 美智子皇后著「橋をかける」

皇后 美智子さまが「子供時代の読書」を語る

ブックレビュー
◯『橋をかける』とは、どことどこをつなぐ橋なのか、知りたいと思って読む。
その橋は二つあって、他の人と結ぶ橋と内なる自分自身に向かう橋でもあるという。

 言い換えれば、自分以外の人がどれだけ深くものを感じ、どれだけ多く傷ついているかを気づかされたことである。
この世を生きるためには悲しみに耐えること、反対に喜びに向かって伸びようとする心が養われるとしている。

人生の全てが決して単純ではないこと、複雑さに耐えて生きていかなければならないことを本によって教えられる。
 子供たちが、自分の中にしっかりした根を持つために子供たちが、喜びと想像の強い翼を持つために子供たちが、痛みを伴う愛を知るために
子供時代の読書の意義を優しくじっくり語りかけてくれている。

◯ 戦時下、美智子さまが体験された、疎開先での草干し作業、――美智子さまがそのような体験をなさっておられたとは、おどろきでした。
 尊父様よりおくられた本、日本の神話の一節から、愛と犠牲とは二つながら、一つのものである、との認識を得られた、とありました。

 美智子さまが、まど・みちおさんの詩を訳されたこと、訳された詩で国際アンデルセン賞を受賞されたこと、本を通じて、
世界中の子供たちが平和を得られるよう、尽力されてきたこと、など、私にとっては初耳のことばかり、おどろきの連続でした。

◯昔から美智子様に深く傾倒していた老人ですが、この書をぜひ小学生のひ孫を育てている私の孫娘に読ませたい。
美智子様の長い苦しみを切り抜けてきた力の源に触れる思いがする。あらためて美智子さまの深い教養と積み重ねられた

言い知れぬ苦難を克服した上での言葉や文章は、珠玉のように輝いて、限りない未来を背負った子供たちをもち、
真実に活きようとする親たちの心の灯火となるだろうことを疑わない。

◯深い感銘を受けた。理由は二つ、第一に陛下が民間から皇室に入られ我々の知らぬさまざまな苦悩を乗り越え、
国民への愛の犠牲たらんとする高みに達せられたことを、強く暗示すること。

第二に幼児期の読書の本質を鋭く喝破されている深い教養と見識である。前者はオトタチバナヒメの話の紹介に暗示的に示されている。
幼時にこの話の愛と犠牲の不可分性におののかれたのは、間違いなく遠い将来に言葉を失うまでの深い苦悩に陥る運命への予言的な直感だったと

陛下が自覚されていることが伝わってくる。そしてそれは陛下がその苦悩を乗り越えられ、正に愛の勝利を手中にされたことを、
鋭利な感性を持つ読者に向けて、あくまでさりげなく暗示されていると思えてならない。

後者は最後の3つの結論(末尾)に簡潔に凝縮されているが、特に感銘を受けたのは、2つめの喜びと想像の翼という点である。
1や3なら、指摘できる人は多いと思う。3にしても、痛みを伴うという一語には圧倒される。

深い苦悩から真理を掴まれた聡明なる陛下だからこそと思えてならない。最近の両陛下は立ち居振る舞いだけでも
先帝両陛下に勝るとも劣らぬ境地を感じさせるものがある。しかし本当の心情は我々には接し難い。その貴重なものが本書だと思える。


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