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生長の家政治連合と「今の教え」を考える/2
360
:
うのはな
:2013/05/07(火) 21:50:29 ID:5ou.dNAY
なぜ周辺は守れなかったのか
だが同時に、なぜ安倍首相を守れる人間が政権にいなかったのか。われわれはその点を考えなくてはならない。
いままでの首相には「忠義の家来」が何人もいた。忠義を尽くすのは、首相がお金やポストを配ったからである。
「自民党をぶっ壊す」と叫んだ小泉純一郎氏にしても、適任とは思えない田中真紀子氏を外相に抜擢する(一年後には解任したが)
露骨な論功行賞人事を行っている。
ところが安倍首相は、「戦後レジームからの脱却」を本気で成し遂げる覚悟を持っていたため、家来ではなく仕事ができるメンバーを
内閣として官邸に集めた。集まったほうは「能力があって適任の自分が選ばれるのは当然」と大して感謝もしないし、恩義や借りはない、と
思うが、それはかくあるべき姿の政権だった。
マスコミが安倍首相を指して「辞め方が情けない」「男らしくない」と批判をしたのは、安倍政権の仕事にはケチをつけられず、散り際以外に悪口の
書きようがなかったからである。事務所費問題を追及されて辞任、その後、自殺に追いこまれた松岡利勝農水相は、日本農業を強化して輸出産業にする政策の推進論者
だった。安倍内閣でマスコミから狙われた閣僚の多くは、既得権益と戦う同志でもあった。
そして致命傷となったのは、社会保険庁の年金記録に不備があるという「消えた年金問題」である。
年金記録の不備が起きたのは一九九〇年以降コンピューター化に伴うものだが、参院選が行われる二〇〇七年に突如として浮上し、安倍政権が社保庁解体を決めると内部情報の
リークが相次ぎ、報道に火がついた。「安倍政権を道連れにする社保庁の自縛テロ」ともいわれている。
約一年で退陣を余儀なくされた安倍氏には、未完のまま頓挫した政策がいくつもある。
たとえばキャリア官僚の人事を内閣が握り、天下りを厳しく制限する公務員制度改革は、福田康夫政権下で基本法案こそ通ったものの、官僚組織の抵抗に遭い、骨抜きにされて現在に至っている。
捲土重来を期す安倍晋三氏が批判を覚悟で総裁選に立候補した大きな理由の一つは、周知のように中国や韓国が領土問題で無理難題を仕掛けているからである。
国益が蹂躙されているにもかかわらず、民主党政権は有効な手立てを何も打てずにいる。
尖閣諸島について「落ち着いて解決を」などと言っていては、必ず沖縄まで取られてしまう。
中国の軍事力から日本の領土を守るのに、今ならまだ間に合う。
安倍首相だけが、六年前から中国の意図を見抜き、憲法改正に向けて、まずはその手続法である
国民投票法を成立させた。安倍政権があのまま続いていれば、今日のような事態には至らなかったに違いない。
『日本精神の復活』 日下公人 著
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