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生長の家政治連合と「今の教え」を考える/2

3276トキ:2015/06/21(日) 00:01:27 ID:/uSrND5I
 五百旗頭教授の証言は、続きますが、ここで友人の意見を加えます。

 この発想は、ケーディス個人のものではなくて、おそらくは英米法系の弁護士
が共通して持つ発想だと思われます。正文としての憲法より上の概念(自然法)
を認めて、明文になくても、国民に認められるべき権利は当然ある、ということ
でしょう。例えば、テレビでおなじみのアメリカのカリフォルニア州弁護士の
ケント・ギルバートさんは、「ボクが見た日本国憲法」の第9条の解釈で、
この発想を使って、自衛権は当然の権利と説明をしています。

 では、なぜ、GHQ、というよりは、ケーディス大佐は、第9条をあのように
わかりにくい内容にしたのか、という疑問があります。もし、第9条で、誰でも
わかるように、自衛権の存在とその内容を説明したら、戦後、長年続いた論争は
存在しなかったからです。

 その回答としては、ケーディス大佐と親交があった山田久俊さんの証言が参考
になります。ケーディス大佐は、もし、日本側がそれを希望したら、受け入れる
気持ちだったと言います。山田さんは、ケーディス大佐にそれを訪ねましたが、
結局、返答はなかったみたいです。ただ、山田さんの受けた印象では、当時の
政治的な状況から、日本側とGHQが当面の日本の再軍備を避けるために、あえて
曖昧な文面にしたのかもしれない、ということです。

(昭和史 忘れ得ぬ証言者たち 保坂正康著、講談社文庫、524p)

(つづく)


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