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生長の家政治連合と「今の教え」を考える/2

2340老婆心:2014/09/08(月) 15:40:25 ID:bqCTlaUM
<メモ>真珠湾攻撃について

宮崎正弘の書評から

ハミルトン・フィッシュ、渡邊惣樹訳『ルーズベルトの開戦責任』(草思社)


 『太平洋戦争』史観がひっくり返る決定版がでた。本書の出現はおそらく論壇を揺らすだろう。
 真珠湾攻撃がルーズベルトのしかけた陰謀による行為だったことは、いまや歴史学界における常識となりつつあるが、米国ではまだそうした真実を述べると『修正主義』のレッテル貼りが行われる。
日本の卑怯な奇襲という位置づけ、直前のハルノートをFDRは巧妙に隠したが、事実上の対日最後通牒だった史実は徹底的に無視され、米国史学界ではまだルーズベルト陰謀論は主流にはなっていない。
 本書の著者は当時FDR(フランクリン・ルーズベルト大統領)の最大のライバルで、「大統領が最も恐れた」議会共和党の有力者ハミルトン・フィッシュである。
しかもハミルトン・フィッシュはオランダ系移民の名家、FDRの住居のあるNYが、彼の選挙地盤でもあり、実はふたりはそれまでの二十年間、仲が良かった。
共和党の重鎮でもあったハミルトンがFDRと袂を分かったのは、移民によって建国された米国は不干渉主義のくにであり、しかも欧州で展開されていた、あの血なまぐさい宗教戦争に嫌気がさして新天地をもとめてきたピューリタンの末裔が建国したくにであり、その理想からFDRの開戦準備はおおきくはずれているとして、正面から反対したのだ。
しかし、本当のことを知るのはFDRの死後である。
 だからこそ、ハミルトン・フィッシュは、この『ルーズベルトの開戦責任』をFDRならびに関係者の死後まで辛抱強くまち、さらに祖国の若者がまだ戦っているベトナム戦争の終結まで待って、ようやく1976年に刊行したのだった。
そして日本語訳はさらに、原著刊行から38年、じつにFDRの死から70年後、第一次世界大戦から百年後になって、ようやく日の目を見ることになる。

書かれている内容は瞠目すべき諸点を含んでいる。
趣旨はルーズベルト大統領が議会を欺き、真珠湾奇襲の翌日に開戦を議会に求めて、これには当時の共和党指導者としてのハミルトンも賛成演説をせざるを得なかった経緯が詳述されている。
米国の不干渉主義は一夜で覆った。
しかし、けっきょくヤルタの密約で東欧、満州、そして中国を失った米国の悲嘆、FDRはいったい何のために参戦したのか、国益を損なったという怒りをハミルトンが告発したところが本書の特色である。
要は「なにがなんでも戦争をしたかった」のがFDRだったのだ。
余談だが、七月にバンクーバーに行ったおり、評者(宮?)は、渡邊さんから、原書を見せて貰った。すでに翻訳は完成していると言っていた。九月にはやくも刊行にこぎ着けたのは慶賀に堪えない。

 (続く)


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