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生長の家政治連合と「今の教え」を考える/2
1248
:
うのはな
:2014/01/03(金) 21:53:43 ID:6UwHf8nw
野生動物に学ぶ領土保全 埼玉大学名誉教授 長谷川 三千子
戦争をするのは人間だけだ、とよく言はれる。野生動物はどんなに獰猛な肉食獣でも、
同種の間で殺し合ふことはめつたにないーーこれはたしかに事実である。チンパンジーの群を襲って殺戮を行ふことがあるのは
知られてゐるし、雄ライオンが群をひきつぐとき前の雄の仔を殺すこともよく知られてゐるが、全体として、人間ほどしばしば同種の間で
大規模な殺し合ひをする動物は他に見あたらない。
けれども、人間がそんな風にとび抜けて戦争をする動物なのは、人間が国土、領土をもち、国境を区切ったりするからだ、と考へる人がゐたとしたら、
それは全く間違ってゐる。むしろ、野生動物が同種の間で殺し合ひをせずに平和共存を保つてゐるのは、彼らがきちんと領土をもち、それを正しく管理してゐるからだとすら
言へるのである。
他の動物を狩する肉食獣の多くは、自分たちの固有の縄張りをもつてゐて、おほむねその内側で狩をする。
ライオンも、ジャッカルも、虎も、ヒグマも、それぞれに縄張りをもつてゐる。そして重要なことは、彼らが、臭ひつけや見回りによつて、絶えずその「国境警備」を怠らない、といふ
ことである。たとへばライオンの群では雄ライオンは臭ひつけをするばかりではなく、毎晩縄張りのなかを歩き回つては、独特の低いうなり声をサイレンのやうに響かせて侵入者を威嚇し、追ひ払ふ。
さうした不断の努力によつて、野生動物たちは自らの領土を保全し、無用の衝突を避けてゐるのである。
実は、人間の世界における国土、領土といふものにも、同様の機能がひめられてゐる。
それは、他からの侵入をふせぐ防波堤であると同時に、それを超えて他者の領土を侵さないといふ自制のしるしでもある。一口に言つて「国境を守る」といふことは、まさに国際平和の基本なのである。
そのことを考へると、現在、近代国際法の先占の原則にもとづいて明確にわが国の領土である尖閣諸島について、中華人民共和国が領有権を主張し、周辺海域公船をくり出してゐるといふ状況は、非常に憂慮すべき
状況である。日中友好のためには、中国を刺激しないやうに日本は何もしないのが一番であり、小さな島の一つ位、相手にくれてやればよい、などと言ふ人は、国境の保全といふことが世界平和にとつてどれだけ重要なものであるかを
知らないのである。
自分たちの領土は犯されさうになつたとき、野生動物は全身に気迫をみなぎらせて侵入者を追ひ払ふ。その気迫にみちた境界保全の努力によつて自然界は無用の衝突を避けてゐる。わが国も野生動物に見ならつて、全身全霊の気迫をこめて
侵入者を追ひ払はなくてはならない。それこそが世界平和の実践そのものなのである。
『われわれ日本人が尖閣を守る』 保存版
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