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生長の家政治連合と「今の教え」を考える/2

1093アクエリアン:2013/11/08(金) 21:27:48 ID:eu/P8Akc
11月12月といえば、三島由紀夫さんの行動哲学や大東亜戦争について、じっくりと考えたくなる時期です。

西村幸祐さんがチャンネル桜の番組で折に触れて紹介されている長谷川三千子さんの 『神やぶれたまはず -昭和 二十年八月十五日正午』を読みたくなって、アマゾンで注文しようと思ってチェックしてみたのですが、現在在庫がないみたいで少し時間がかかりそうです。

それにしても、ブックレビュー、レベル高いですね。驚きました。これほどまでの内容とは。

西村さんが絶賛されるはずです。

長谷川さんの最高傑作とも云える著作ではないかと気がしてきました。

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本当の意味において、われわれ の神を得るということ

By モト- 2013/7/14

長谷川三千子さんの『神やぶれたまはず -昭和 二十年八月十五日正午』を読ませていただきまし た。たいへん素晴らしい作品です。安易な感想な ど恐れ多いのですが、自分なりに考えたり思った りしたことを述べてみようと思います。 まず、序において長谷川さんは、〈わたしがい まここでしようとしてゐるのは、その瞬間をもう 一度ありありとわれわれの心に甦らせ、その瞬間 の意味を問ひ、そしてその答へを得ることであ る〉と述べています。その瞬間とは、昭和二十年 八月十五日正午のことを指しています。この大東 亜戦争の敗戦の瞬間を徹底的に考え尽くすこと で、日本人がわれわれの歴史を再び歩み出すこと ができると考えられているのです。 こういったテーマでは、関連する情報を雑多に 紹介するだけとか、今後も考えて行きましょうと いう掛け声で終わることが多いのですが、本書は 違います。長谷川さんは、感情面と論理面の両面 において、極めて高度な答えをはっきりと示すこ とに成功しています。このテーマについて論じた 歴代の各論者のそれぞれの意見に対し、その意見 が出て来た背景を正確に把握し、その意見の限界 を的確に指摘し、その意見の先へと論理を進めて います。本物の天才が緻密に思考した成果であ り、実に美事だというしかありません。 他にも、第八章の『カラマーゾフの兄弟』の大 審問官に対する見解、および第九章のイサクの視 点からの見解、これらは凄まじいの一言です。

本書の論理を追体験した上で、本書では(おそ らく長谷川さんの優しさゆえに)語られなかった 思想の可能性について述べておきます。 第九章で長谷川さんは、〈戦後の吉本隆明氏が 熱心な反天皇制主義者となつたことは、少しも不 思議でない。それはただ当然のなりゆきであつ た〉と述べています。〈神からの拒絶〉による 〈絶望や汚辱や悔恨がいりまじった気持〉、そこ から導かれる〈生きることも死ぬこともできない 状態〉におかれた人間は、〈神に背を向けて歩み 去ることしかできないであろう〉というわけで す。 これは、当然のなりゆきではありません。〈生 きることも死ぬこともできない状態〉というジレ ンマにおいて、吉本氏は結局、生きることを選ん だわけですから。 この吉本氏のおかれたジレンマの状態におい て、大きく分けて三つの選択肢があると思うので す。一つ目は、『改訂版 世紀の自決』に示され ているように、死ぬという選択肢です。二つ目 は、長谷川さん自身が『旧約聖書』のイサクの視 点に立って、〈イサクは黙つてモリヤの山を後に し、二度とふたたび神に祈らうとはしなかつた〉 と述べているような立場です。つまり、生きるこ とを選び、かつ、黙って祈ることをやめるという 選択肢です。三つ目は、生きることを選び、か つ、反天皇制主義者となってグダグダと呪詛を吐 くという選択肢です。 この三つの選択肢を鑑みるに、自死を選ぶ者・ 黙する者・呪詛を吐く者の順で、明らかに精神の 高潔さに差があることが分かると思います。そし て、最も高潔な者は死んでしまうため語れず、次 の黙する者も黙するが故に語れず、最も高潔でな い者の言葉が世に響くことになってしまったので す。 この深刻な事態そのものが、長谷川さんという 稀有な語り部を待つまで、日本の戦後が本当の意 味で終わることのなかった大きな理由の一つだと 思うのです。つまり、三番目の呪詛を吐く者に対 し、死を選んだ者と黙した者の沈黙の声を救う人 物の登場を待たなければならなかったのです。 長谷川さんは第十章において、〈大東亜戦争敗 北の瞬間において、われわれは本当の意味で、わ れわれの神を得たのである〉と述べています。こ のことを、別角度から論じておきます。すなわ ち、『神やぶれたまはず』によって、日本の歴史 における本来の意味が示されることによって、大 東亜戦争敗北の瞬間は、われわれが本当の意味 で、われわれの神を得たことが明らかになったの である、と。

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