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「教区会員」板

195トキ:2012/10/17(水) 14:05:37 ID:MlujcLto
宝島社から出版されている「モンダイの弁護士」
(宝島 Real 028)のP184に、弁護士の櫻田喜貢穂さんが
以下の文章を書かれています。参考になるかもしれないので
転載します。

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 代理人である以上、弁護士は依頼者の権利・利益を最
大限に擁護し、その実現に奉仕すべきものであるが、問
題は依頼者の権利・利益の中身である。依頼者が望んで
いることが本当に依頼者にとつて利益になるとは限らな
い。それが適正なものとも限らない。私は、何が依頼者
にとって本当の利益なのか、依頼者が求めているものが
適正かどうかを依頼者とともに考えるし、意見も申し上
げる。依頼者の考えを批判することもある。
依頼者の本当の利益を考えることは、依頼者の幸せを
考えることにほかならない。弁護士の仕事というのは依
頼者が幸せになる手伝いをすることなのだ。
 依頼者はしばしは、「先生、許せないから、徹底的に
やっつけてください」 とか 「取れるだけ取ってくださ
い」 と言う。私は、「やっつければ幸せになれるのか。取
れるだけ取ったら幸せか」と訊ねる。そして、議論が始
まら、本当の利益を、幸せを考え始める。自分の求めて
いるものが適正・妥当なものであるかどうかを考え始め
る。依頼者が一時的な利益を、あるいは感情を優先させ
て利益を考えているときに、弁護士は長期的な視点で、
冷静に依頼者の利益を考えなければならない。

 そして、依頼者に非があれば、そのことを理解させ、
相手方の言い分にもっともなところがあれは、それを
知ってもらわなければならない。そうするうちに、依頼
者にとっての適正な利益が見えてくる。本当に求めるべ
きものが決まってくる。依頼者の求めるものは変化して
いい。それは、解決に至るまでの過程で依頼者と弁護士
の相互的な理解が深まり、依頼者が多少なりとも弁護士
の意見を受け入れた結果である。

 代理人というのは、依頼者の意のままに動く道具では
ない。依頼者の本当の利益を考えて、それを依頼者に伝
え、時には批判し、議論もしながら、依頼者に寄り添う
ものである。そうでなけれは、よらよい解決の手段方法
すら見出せない。なんでもかんでも訴訟にしてしまうの
は、依頼者のことを考えていないからだ。

(つづく)


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