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本流対策室/3 板

1007さくら:2012/09/18(火) 00:03:25 ID:e8ieIrPA
『善意の世界』より抜粋  谷口清超先生 著P98〜
父母の喧嘩
さて高知県に宿毛市という所がある。県の南西端にある美しい町で、
その土居下というところに後藤良夫さんといって英語と数学の私塾を経営している教育者がいらっしゃったが、
私が昭和四十二年の冬高知市に講習会に行ったとき、こんな話をしてくださった。
後藤さんは当時宿毛市の相愛会長をしていたが、ある日或る所で高校生と中学生との見真会が行われた。
その時、後藤さんは講師として出席し、親孝行の話をし、“感謝は凡てを癒す”ということをテーマに話した。
さて後藤先生がその晩会場内の一室で眠っていると、中学三年のA君が部室にやって来て、「先生、先生」と揺り起こす。

「どうしたのかね?」
ときくと、A君は、

「先生、相談があります」
と真剣な顔でいう。

「よし、分かった。しかしここでは皆さんに迷惑をかけるから、別室へ行って話を聞こう」
と電燈のとぼっている別室へ行ってA君の相談をきいてあげた。

「先生は今日、“親に感謝しなさい。感謝は凡てを癒す”という話をなさいましたね?しかし僕は、どうしても親に感謝することができないのです」

「そりゃ又どうしたことかね?」

「実は恥ずかしいですが、僕の父には母以外に女の人がいるんです。それがもとでお父さんとお母さんはよく大喧嘩をしています。近所でも評判になるくらい、毎日のように喧嘩をするんです。
その父母を見ていて、僕の夢はやぶれてしまいました。あんな喧嘩を見ていると、どうしても父母に感謝なんかする気になれません」

「そうか。なる程。あんたの気持ちもよく判るよ。しかしねえ・・・」
と、後藤さんは大略次のようなことを話してあげた。

一、親と子の結びつきについて。
二、神に感謝しても、父母に感謝しない者は神の心に叶わぬということ。
三、香川県での或る体験談。即ち或る不良の息子が、或る日父に多額の金を無心したところ、父に断られたので、カーッとなって、父に火の入った火鉢をぶっつけようとした。
すると父はその時、合掌して息子を拝んだ。その尊い父の姿を見て、息子はそこにひれ伏して、「お父さん、僕が悪かった」と言って、遂に父と子の和解ができたということ。
即ち、どんなに感謝しにくいような出来事があっても、その現象の奥にある実相を礼拝するならば、必ずそれがあらわれて、現象の悪は消えるのであるということ。
四、いかなる逆境でも、それを住みよい世界にする智慧と力とが、人間には与えられているのだということ。

後藤先生はこの四つのことを、A君に約一時間半にわたって話して聞かせた。

夜半のこの愛のこもった話は、A君の心の中にしみ透って行ったようである。A君の顔には明るい微笑すら浮かぶようになった。


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