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「部室」板/3

329うのはな:2012/06/28(木) 01:51:21 ID:gTn97m6I
   家族の立場から老人の立場へ

 AIDS(エイズ)を巡る対応を見ていてつくづく考えさせられることがある。
妊娠中の高知の女性に対して『子供を生ませるな』という意見が殺到したとか、対策法案の中に
性行為をすると罰するという内容があるなどということを見聞きすると、ゾッとしてしまう。
どうもこの国では、エイズ患者をどう守るかということよりも、共同体の側をエイズからどう守るかだけに
興味があるらしいのである。外国での発想は少し違っていて、もちろん共同体をどう守るかでパニックになっている
ようだが、専門家や行政の側は、エイズ患者自身の人権をどう守るのかという点に、少なくとも腐心しているように思われる。

これはもう、国民性の違いで仕方のないことなのかもしれないけれど、かつて、ハンセン氏病者を地域からしめ出し、さらに精神分裂病者を
生活の場から追い払ってしまったのと同じことを、エイズでも繰り返すのであろうか。
というのも、私の関わっている老人問題の分野にも、その“国民性”が顔を出しており、とても無関心ではいられないのである。
マスコミも行政も「寝たきり」や「痴呆」について語り、対策を講じている。しかし、それらも「寝たきり」や「痴呆」の老人自身をどう守り
生活を保証していくのか、という視点よりも、共同体の側の「寝たきり」や「痴呆」の介護負担をどうするのかという視点ばかりが優先しているのである。

 開業医の先生や保健婦、ホームヘルパーなど、直接老人とその家族に関わっている職種の人を集めて、大学の先生が講義をする。
『まず、家族の立場に立ちなさい。家族は精神的にも肉体的にも疲れ切っているのだから、その負担をどう軽くするかを第一に考えるべきです』と。
そこで開業医の先生は、「おしっこが漏れて困る」と訴える家族の求めに応じて老人の尿道にカテーテルを突っ込む。
保健婦やホームヘルパーは、「動いてもらうと家族が困るから」と言われて、老人の寝たきり化に協力してしまう。
家族を助けると称して老人の尿意を根こそぎなくしてしまう。あるいは、徘徊して困るからと老人を寝たきりにし、老人に呆けと寝たきりの二重苦を強いることで
家族のもそれを求めているのだろうか。

『老いの見方、感じ方』 三好春樹 著


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