したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

「今の教え」と「本流復活」を考える・信仰/体験板/2

2236愛と追憶の日々:2014/07/02(水) 23:13:58 ID:n7Dcr/aM
     昭和十九年四月八日 熊本から東京へ

 輝子さま   雅春

 東京師団から本部徴用の交渉があつた由、賀陽宮殿下が師団長におなりの由で、或は、賀陽宮殿下のお部屋にでも
総裁室をしたいのではないかとも思ひます。唯今、熊本の役員会後、しづかに縁側で神想観を致しました。理屈はわからないが、
東京師団へ無条件で献納したいと思ひます。貸すのではなくて献納するのです。
時価で五十万はあると思ひますが、出すべき時に出すべきものは出したら好いと思ひます。

 あれは私の名義ですから、あの三菱電機に貸してある部分から「分筆願」をして切り分け、私から献納することにし、登記所も師団所有名義に致します。
国家の御恩になつてゐるのですから、そしてその御恩返しは物質的には何もしてゐないのですから、思ひ切つてさうしたいと思ひます。
子どもの生命や、兄弟の生命を献納する人もある。戦争の中にゐて、自分だけが何ら手傷を負はないと云ふことは難かしい。これは日本人全体の業を分け持つことなのです。

 本部は家主業でも金貸業でも、儲けるための事業でもない。綺麗に献げるものは献げる。軍へ貸したりしてはならない。賃貸をとつたりしてはならない。
別紙献納願を捺印して東京師団司令部へ提出して下さい。神の無限供給は、何処からでもあるーそのことを信じたい。
日曜誌友会の道場が要るから、それは差当り、渋谷公会堂、本所公会堂、その他五ヵ所位借りて下さい。
第一日曜は何処の公会堂と云ふ風に、日曜日毎に循環的に、場所をかへて誌友会を催すのです。会場一回二十円位で借りられると思ひます。月に百円あれば何でもないのです。
併し、予約の必要があるから、至急東京市内各所の公会堂を御予約下さい。(中略)

 金と云ふものは、物質と云ふものは、結局どれほどの価値があるかと云ふと何もない。
家賃をとつて本部を貸して見ても、その賃貸として入つた金を、何につかふかと云ふことになると、使ひ道がないでせう。
欲ばることなしに綺麗に国家に献納してしまはうと決心したのはそのためです。

 本当に子孫に遺すものは、善業のほかはない。物質を残しても、それは子孫の魂を汚すことになるかも知れない。
子孫もひとりで立上らなくては、本当に立派になれるものではない。

 母と私は思わず襟を正してこのお手紙を拝読しました。母はすぐにお返事を認めました。

 『こころの旅路』 谷口恵美子 編著


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板