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「今の教え」と「本流復活」を考える・挨拶板

314初心者:2011/08/25(木) 14:57:19 ID:4IaAZAME
これはそれほど古い話ではない。元カノに勧められて、NHKの単発ドラマ『赤い魚』の
再放送を見た。元カノが勧めたのは、たんにあたしが「瀬戸内海が好きだ」という、
そんな理由からだった。

だけどあたしは、『赤い魚』に感情移入した。それは今でも心にのこる素敵な出会いだった。
主人公は、落ちぶれて、瀬戸内海の大崎下島でエロい小説を書いている老作家だった。
あるとき、そんな老作家のもとに東京から若い女編集者がやってくる。

「担当の○○の都合がつかないので、代わりに自分が原稿を受け取る」と女は言った。
老作家は、女をしげしげとながめて「お前ではダメだ」という。
原稿をわたしてもらえなかった女は、最終便の船が出るまで島でねばる。
浜辺に描いた絵が老作家の気を惹く。
老作家と若い女の交流がはじまる。

いつしか老作家は、女に淡い恋心をいだくようになる。
不釣り合いな恋と、地に堕ちたプライドのはざまで老作家の苦悩がはじまる。
抑制。
老作家にできるのは、たったこれっぽちのことだった。

老作家は女に無理な注文をする。
金魚鉢の赤い金魚を殺して魚拓にしろと命じる。
その魚拓を新刊本の装丁に使う。
老作家のこの言葉に、女は泣きながら金魚を殺し魚拓にする。

やがて女がこなくなる。
東京の出版社に問い合わせる老作家。
「ガンが再発して入院した」

ここでドラマは冒頭のシーンにもどる。
老作家は東京にいた。
真っかな薔薇の花束をかかえて病院の広場にすわりこむ老作家。

女がやってきた。
「恋されているような気がいたします」
「そう思ってくれていい」


なんだか知らないけど、あたしはこのドラマに感動した。
こういうシチュエーションを一度でいいから演じてみたいと思った。
あやうさを秘めた女は、その知的好奇心ゆえに老作家に関心を持つ。
廃墟と化した美意識にしがみつく老作家が、おさまりのつかない葛藤に身をよじる。

分不相応な望みとは知りながら、一度でいいからこんなシーンを演じてみたいと
思っていた。ドラマの一場面が今もあざやかによみがえってくる。

                             妄想好きな初心者より


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