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「今の教え」と「本流復活」を考える・挨拶板

1373うのはな:2013/02/09(土) 10:22:57 ID:WMqYQDyc
ふるさと  伊勢への誘い   河合真如 神宮禰宜・神宮司庁広報室長

 だれにでもある、ふるさと。それぞれの心にうかぶものは、なつかしい山河や海であろうか---。

『万葉集』(巻十三)に、
  神風の 伊勢の国は 国見ればしも
  山見れば 高く貴し
  河見れば さやけく清し

 と謳われた伊勢の風景は、今も変わることなく人々を誘う。
 神宮は日本のふるさと、心のふるさとといわれる。神の息吹を想わせる自然のなかで、
 人は大いなる安らぎを感じるのである。
 あらゆるものの生命の根源である太陽にたとえられる、天照大御神を祀る皇大神宮(内宮)の
 創建は今から二千年前のこと。

 是の神風の伊勢国は、常世之浪重浪帰する国なり。
 傍国可怜国なり。是の国に居らむと欲う。

 という神託によるものと『日本書紀』は伝える。
 「常世」とは、寄せる波のように永遠を約束された理想の世界。
 「傍国可怜国」とは、海辺にある美しい国をいう。
 美しい伊勢に産業の守護神である、豊受大御神を祀る豊受大神宮(外宮)が
 建てられてのは千五百年前である。麗しい自然は、人の心を豊かにするだけではない。
 親から子へとつながる生命と生活をも守り育む。
 
 まさに命と暮らしの象徴である内宮と外宮を中心に、神宮には人々に恵みをあたえる神々を
 祀る百二十五もの社が存在する。
 日や月、水に土 人を生かしてくれる自然。そこに神秘の力をみた祖先たちは、神々を祀り暮らしてきた。
 
  神道とは、神と共に生きる道。神を意識して祀り、祭りを行なうことで和が保たれ、環境も保全されていく。
 神宮の祭りは、年間で千五百回。外宮では毎日朝と夕に、日別朝夕大御饌祭が行なわれている。
 世の平安と五穀の豊穣を祈る祭りのたびに供えられる米をはじめ野菜や果物は、神宮の神田や御園で作られたもの。
  自給自足を原則とする神宮には、お供えものを盛る素焼きの土器を作るための土器調整所もある。
 衣食住といわれるように、衣服も暮らしに欠かせない。神話は天照大御神が稲作と共に機織も人々に教えたと伝える。

 神宮にも絹と麻を織る機殿がある。毎年五月と十月の神御衣祭において絹布と麻布は、天照大御神への感謝の心と共に
 奉られている。毎年の祭りのなかでも特に重視されるのは、初穂を神々に供える十月に行なわれる神嘗祭である。
  神嘗祭には、天皇陛下が宮中の御田において作られた御初穂も、全国から懸税として寄せられた稲束と共に両宮の御垣に
 捧げられる。

 瑞穂の国といわれる国に暮らす日本人にとって、稲は命の根(イノチノネ)であった。
 年々に稔る稲穂によって文化を発展させてきたのである。初穂を捧げる神殿もまた、稲などを納めていた穀倉が原形である。
 その神殿を二十年に一度、新たにして神々を遷す祭りを式年遷宮という。

 平成二十五年秋に第六十二回を数える式年遷宮は、かつて神嘗祭の夜に行なわれていた。
 遷宮を大神嘗祭という所以である。
 日々・年々・式年と繰り返される祭りは、国と人の繁栄と共に衣食住の幸いを願いつづけるものでもある。
 神話さながらに生命と生活に関わる祈りと実践が行なわれる神宮は、過去と今と未来をつなぐ永遠の聖地ともいえよう。

 神宮に感動するのは、日本人だけではない。普遍にして不変の神の道が、国や時代を超えて人々を誘うのである。
 心のふるさとへと。


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