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「今の教え」と「本流復活」を考える・挨拶板
1254
:
うのはな
:2012/08/16(木) 18:27:29 ID:CVNuh5cE
十六夜 「十六夜」と書いて「いざよい」と読む。ときどきの月に美しい名前を
つけて楽しむ感性は、日本人ならではの繊細なもの。
旧暦は、月の満ち欠けと連動しています。旧暦の一日は必ず「新月」ですし、十五日はだいたい
「満月」です。ですから「十六夜月」とは十六日の月のこと。満月よりも少し送れて、かなり暗くなった空に「いざようように、つまりためらうようにゆっくりと
浮かぶ月のさまを、こう言い表したのです。その後も「立待月」、「居待月」と、欠けるにつれて名前が変わります。
満月でない月にも美しい名前をつけて、楽しむ方法を見出したのは、にほんじんならではの繊細な感性のなせる技であり、何より心のゆとりが生み出したものではないでしょうか。
十五夜(旧暦8月15日のこと)の月は「仲秋の名月」といい、お団子を作り、野のすすきを摘んで、お月見を楽しみます。また月はひとつなのに、池に映るもうひとつの姿を愛でるなどという
遊び心も忘れません。夜の自然の輝きである月は、私たち日本人の生活の中で、決しておろそかにはできないものなのです。
さらに「雪月花」という言葉もあるように、日本人にとって、月は美の原点でもあります。
「春は花」に対し、「秋は月」が詩歌の心であり、古く万葉の時代から続く日本の風雅です。
月月に 月見る月は 多けれど 月みる月は この月の月 (詠み人知らず)
月に思いを寄せて楽しむというのは、日本人ならではの心に宿る習慣でしょう。
『和の美をめぐる50の言葉』 木村 孝 著
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