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「今の教え」と「本流復活」を考える・挨拶板

100トキ:2011/07/18(月) 11:20:07
 全然関係のない話ですが、京都の「一澤帆布」の事をネットで読みました。

「一澤帆布」は京都の有名な鞄屋さんで、独特の商品を良心的な製法で作り、手作りの風合いが
人気でした。先代の社長の時期に一時、店の経営が傾いた時がありましたが、新聞社勤務の三男
が新聞社を退職して会社の再建に乗り出し、現在は全国に知られるブランドになりました。

 ところが、社長が死ぬと、今まで全く経営にタッチしてこなかった長男が「社長の遺言書で
全財産は自分が相続する事になっている」と言い出しました。他方、三男も「遺言書は私も
持っている」というので、2通の遺言書の真贋が争いになり、裁判になりました。

 長男は、京都大学を出て名古屋の銀行に定年まで勤務し、その間、一度も「一澤帆布」の経営には
関係した事がないそうです。他方、三男は同志社大学を卒業し一時は朝日新聞に勤務しましたが、
店の再建のために朝日新聞を退社し、永年、店の経営に関与してきました。長男の持っている
遺言書はボールペンに三文判、三男の持っている遺言書は毛筆に実印というものです。

 ところが、最初の裁判で、長男が勝訴しました。結果、長男が「一澤帆布」を乗っ取りました。
「手作りは古い。外部に委託し、ドンドン生産し、大もうけする」という考えのようでした。
 つまり、従来の伝統を無視し、利益追求に重きに置く経営方針に転換したのです。
すると、職人や社員が、長男社長の方針に激怒し全員が退社。三男を中心に、新しい会社を
作り、あらたに商売をする事になりました。もちろん、伝統的な商品です。そのため、こちら
が本流だと言うので、かえってこちらの方が繁盛するようになりました。

 その後、あらたに遺言書について裁判が行われ、新たな鑑定の結果、長男の遺言書は偽造で
あるとの結論に達し、長男は社長を解任。三男が「一澤帆布」の社長になったとのことです。

合掌 ありがとうございます


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