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NO.10 数珠 浅葱(すず-あさぎ)(古参)
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ε
:2011/06/07(火) 09:17:06
*雪(すすき)/転写体/14歳
雪は学校で山登りをした帰り道に、青白い球状の物体を拾う。
それを持ち帰り、しばらく身に着けていると、ある日、その物体は弾け、中から見たことも無い生き物が数匹現れた。
驚いた雪だが、どこかその生き物のしぐさを愛おしく思い、隠れて育てる。
しだいに大きくなっていく生き物たち。これ以上は、家族に隠し通すのも難しくなってきたため、雪は球状の物体を発見した山の中に生き物たちを移した。
しかし、最近の雪の様子に不信感を抱いていた、クラスメイトの男の子(スグル)に後を付けられてしまう。
その生き物のうち一匹を発見したスグルは、その気味の悪さに悲鳴を上げてしまう。そして、恐怖のあまり、手近な石でその生き物を殴り殺す。
悲鳴を聞き、駆けつけた雪はその惨状を目撃する。ショックを受けて泣き崩れる雪に、スグルは「あんな生き物、すぐに殺したほうがいい。おまえが無理なら、俺が全部殺してやるよ」と言い残し、その場から立ち去る。
一頻り泣いた後、生き物たちを探す雪だが、その生き物たちはスグルによってめちゃくちゃな状態であちこちに転がっていた。
だが、生き物たちは帰ってきた。彼女は喜んだ。
しかし、スグルとその家族は、奇怪な死を遂げていた。雪はそれを自業自得だと思った。
それからも、生き物たちは、自ら人を襲うことはなかったが、彼らを山中で見つけた登山者などは、狂ったように執拗に彼らを追いかけ彼らを殺そうとした。
そして、逆に彼らによって殺された。雪はいい気味だと思った。先に手を出したのはあっちだなんだからと、さらに生き物たちを愛でるようになった。
だが、ある日、浅葱は町でたまたま彼女を目撃する。
くすんだその青い気配に違和感を覚える。
それから数日後、あまりに行方不明者や死者が多いため、青年会で山狩りが行われる。しかし、その晩、青年会は帰って来なかった。
警察が捜索したところ、山中には青年会と思われる変死体が点々としており、生存者も発見されるが、発狂しておりとても話のできる状態ではなかった。
浅葱はその話をある少女から聞く。
少女はたびたび路上で歌う彼のところに来ていた。少女は兄が謎の変死を遂げたことを告げる。
少女は浅葱が魔人であることに気づいており、あの山に何がいるのか調べてほしいと懇願された(できれば退治してほしいとも)。
浅葱自身、この町で起こっている怪異に思うところがあったため、それを承諾する。
山中に入ると、浅葱は何者かに襲撃を受ける。
見ると、それは死者の気配であったが、青白い何かによって侵食されていた。その気配は山中に散らばっている。
「もう、無理だな」
浅葱は呟く。
彼らはこの山中に潜む何かに殺され、さらに、恐らくそれを飼っている何者かの手によって肉体の半分近くを「同化」させられていた。
浅葱は抜刀し、深く息を吐いた。
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