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詩に関するスレ

3灰人@スキゾキッズ:2015/11/19(木) 07:58:37 ID:1vE6a4Fc
+包含と排除+
どんなに親しい仲間意識も、本当の包含であったためしはない。
輝かしい仲間意識の内に、公にされない排除が隠されていて、それ常に包含の構造そのものである。

仲間意識は排除を敵視せぬどころか、むしろ仲間意識は包含ゆえに排除を生み、排除をはぐくむと理解される。
仲間意識の形成の瞬間から包含はすでに排除を始めているのだ。

だが秘匿された排除が問題視されるまでに、どれだけ仲間内の秘密の漏洩を経過するとしても、
仲間意識は全い連帯の消失に化するその瞬間まで、包含であることをやめはしない。

たとえ仲間意識の属性と考えられていないもの、
たとえば情緒的交流の断絶、たとえば敵対
によって冒されているとしても、
仲間意識の仮面は排除を隠蔽し輝いている。

仲間意識が連帯の消失にかえる時は複雑な経過を経るのが普通だ。
その経過の中で連帯は薄れゆく影のように霧消してゆき、全い疎外が立ち現れる。
だが――

どんなに孤立した<外部>も、本当の外部であったためしはない。
一人も友達がいないスケープゴートへの視線の中に、目に見えぬ微少な連帯は、
自己複製子のように隠れていて、それは常に包含の構造そのものである。
存在のその瞬間から<外部>はすでに、包含へと生き始めている……

(谷川俊太郎「灰についての私見」参考)


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