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メビウス@管理者
:2011/12/24(土) 00:28:56
永井は現象的意識について、ウィトゲンシュタインを度々引用して
「語りえない」といい、またそのウィトゲンシュタインの洞察が
英米圏で忘れられていると嘆きます。
でもこの永井の批判は全く的外れなんです。
そもそも20世紀の心の哲学はウィトゲンシュタインから大きな影響を受けた
論理行動主義から始まります。
行動主義はあまりに素朴心理学からかけ離れているため心脳同一説や機能主義に
置き換わっていきますが、その機能主義もまたウィトゲンシュタインの
「語の意味とはその用法である」という思想に由来しています。
そして、その機能主義に対する批判として現れたのがジョン・サールやチャーマーズの
自然主義的を前提とした心の哲学なんです。
つまり現代の心の哲学はウィトゲンシュタインの「語りえない」という考察は当然の
前提に過ぎず、チャーマーズが哲学的ゾンビや逆転クオリアの想像可能性論法による
思考実験で主張していることは「語りえないけど想像できる」ということなんです。
永井は「想像できない」ということ、つまり哲学的ゾンビやクオリアの逆転が論理的に
不可能であることを全く証明できていません。
それなのに自分の独我論的前提が周知の事実であるかのように拙速に話を進めていき
ますから、内容がずさんで、話についていけないのは当然でしょう。
永井もすっかり有名人になってしまいましたから、権威主義的になってるという
感じですね。
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