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日本語の方言の文法・語法

1名無しさん:2010/09/11(土) 09:30:05
日本語の方言の文法・語法について語りましょう。

56名無しさん:2011/03/10(木) 18:15:51
だいぶずれたけど御勘弁を。

57名無しさん:2011/03/10(木) 18:28:20
>>55
細かい話だが活用形に助動詞、助詞を含んでないか?
「書こー」=「書か」+「む」
「書きゃー」=「書け」+「ば」

58名無しさん:2011/03/10(木) 18:32:40
>>57
現代の「む」は活用する?
仮定形に「ば」以外が接続する?

しないならくっつけてしまっていいのでは。
共時態を見れば「おきゅう」を「おきゅ」と「う」に分けるなんておかしい。

59名無しさん:2011/03/10(木) 18:38:21
形態だけを見て突き詰めていくと、五段動詞を基準に、
ア段形、イ段形、ウ段形、エ段形、オ段形、音便形の6種類となってしまう。

60名無しさん:2011/03/10(木) 18:54:30
>>58
それは単なる母音融合の一種とみなせばいいのでは?
ない→にゃー のように。
「おきゅう」は「おきよ」+「う」の変化形に過ぎないと見ればいい。

61名無しさん:2011/03/10(木) 18:58:36
まあそういう立場もあるだろうね。
ただし、正しくは
オキウ→オキュー
という変化だけど。

62名無しさん:2011/03/10(木) 19:07:53
ただし、>>60の立場をとると、
今度は未来形を立てなくて良いことになる。
カコーは「書かう」の変化。
山陰のカカーも西日本一般のカコーも「書かう」で、
オキューもオキョーも「起きう」で、
未然形に「う」が付いたと見ればいい。

しかしこうすると、「活用形の違いを方言間で比較する」という趣旨に反する。
どのように連母音融合するかは方言によって違い、それが方言差になってくる
(たとえば下二段・一段なら中国地方はタビョーで九州はタビューだが、
元に戻すと「食べう」。これには九州では合音がウーになるというのが絡む)ので、
やはり>>55のような現に使われる語形で活用形を比較したい。

63名無しさん:2011/03/10(木) 19:10:21
それだったら>>58のように「おきゅ」と「う」でいいんでないかねえ。

64名無しさん:2011/03/10(木) 19:22:15
>>63
「おきゅう」を「おきゅ」と「う」に分けるのか。
その「う」は何なんだと思う。
語幹oki、活用語尾yu、助動詞uか。
すごく窮屈なような。

未然形や連用形。音便形には、
それぞれ「ない・ん・せる・れる…」や「たい・ながら・ます・なはる・んさる…」
「た・て・とる・てる・ちょる・たら」が付いて、動詞にいろいろな助動詞がつくという便利さがあって整理がしやすい。

未来形の場合、「う」が付く場合しかなく、しかも方言によって前の語と融合するので、
整理するのにその一形(書こう)だけを取り出して活用形とすればいいのではないかと思う。
まあ、名古屋の「書こまい」なんかは、未来形「書こ」に「まい」や「う」が付くとしてもいいんだけど。

65名無しさん:2011/03/10(木) 19:34:02
一つの方言だけならともかく、色んな方言を比較する場合、「活用形」という概念自体に無理があるんじゃないかな。
「否定用法の形」「推量用法の形」「接続用法の形」「否定過去用法の形」などのように比較すればいい。
>>46のいう「無数の活用形」に近くなるがそれでいい。用法は無数にあるんだから。

66名無しさん:2011/03/10(木) 19:40:03
>>64
その立場だと名古屋の「書こまい」は確かに問題になってくるが、
その「書こ」は「う」が脱落した見なせばいいかもな。

それと、>>53で言っていたナヤシの未来形だけど、
「いかむず」→「いかず」「いかす」「いかあ」「いかっ(か)」
など多様な変化があるわけで、単なる未然形にして片づけるよりは
未来形にした方がよいと思う。

>>65
個人的にはあまり賛成できないなあ。
何しろ種類が多すぎて分類する目的自体が分からなくなってしまう。

67名無しさん:2011/03/10(木) 19:44:06
>>65
まあね。でも活用形を>>55式の活用形を立てると、''同源の''語形の比較に役立つ。

「意志の形」が九州でタビュー、中国でタビョー、近畿でタベヨ、関東でタベンベー、秋田でタベル、
のように並べると、違う系統のものが混じることになる。
この場合、「意志を表すのに西日本では未来形を使い、関東では終止形に「べー」を付けて表し、
秋田では終止形を使う」のように言った方がいい。

6867:2011/03/10(木) 19:50:27
>>66
自分の立場では、「いかず」は未然形に「ず」が付いたもの、
「いかす」は未然形に「す」が付いたものとする。
ただ、「いかあ」の方は「む」の末裔だから未来形(「ム形」に改称してもいいが)。

69名無しさん:2011/03/10(木) 19:52:57
>>68
それでもいいが「む」も「むず」もほとんど用法は変わらないわけだし。

それから>>55なら形容詞の活用表はどう書く?

7055:2011/03/10(木) 20:38:29
         未来形 本連用形 カリ連用形 カリ音便形 本基本形 カリ基本形 仮定形
    
高い  肥筑   高かろー たこー ―     たかかっ  ―    高か    高かりゃ
    岡山   高かろー たこー たかかり  たかかっ  高い   ―     高けりゃー    
    山陰   高からー たかー ―     たかかっ  高い   ―     高けりゃー
    ナヤシ  高から? たかく ―     たかかっ  高い   ―     高けりゃ―
    関東   ―    たかく ―     たかかっ  高い   たかかん  高けりゃー
                                   たかかっ
    東北   ―    たかく ―     たかかっ  高い   ―     高ければ

岡山にカリ活用連用形がそのまま残っているのでそれを入れてみた。九州などにもあるかもしれないが。
ナヤシに未来形があるのかどうかよく分からない。
それと、音便形については、動詞の場合は五段活用に4種類の音便があるから別立てにした方がいいが、
形容詞の場合は「たかかっ」も「カリ連用形」としておいてもいいかもしれない。
関東のカリ活用基本形にも「たかかっ(ぺー)」のような音便が現れるわけだから。

71名無しさん:2011/03/10(木) 20:49:52
形容詞だと、北東北には「タゲァグネァ」「タゲァグ」「タゲァ」「タゲァガッタ」「タゲァクテ」「タゲァバ」みたいな活用の方言があるよね。
もはや形容詞自体は活用せず、接辞だけの違いだとみなすこともできる状態だ。

あるいは名古屋あたりだと、「赤く塗る」のように次の語との独立性が高い場合は「アコーヌル」だけど、
「赤くなる」のように独立性が弱い場合は「アカナル」のようになる方言もあったと思う。

また、近畿地方を中心にして、「書けば」「高ければ」のような「ば」に接続する形を使わず、
「書いたら」「高かったら」のみを使う方言もある。

命令形でも、近畿などで「書け」をほとんど使わず、「書き」のような連用形と同じ形で命令を表す方言もある。
また一段動詞では、「見れ」が普通の命令、「見ろ」は非常に強い命令という方言もある。

72名無しさん:2011/03/10(木) 20:59:46
勿論、すべての方言は論理的文法を持つわけで、方言文法というのは当然構築可能だが、
そうすると近年の記述文法の議論が示すように、日本語のすべての方言文法は大量の形態素に解体されることになる。
だが、この形態素は当然各方言ごとに一つ一つ生み出されたものだから、
煩雑すぎて>>45の趣旨には合わなくなるだろう。共時的比較だけでもかなりめんどくさい。
他方、伝統文法(大槻文法)を貫くという方法もある。
伝統文法は非論理的なところがありしばしば批判されるところだが、
そうであるがゆえに、「柔軟性と包括性」があって、
さまざまな方言を、ある種通時的視点の下に統合して説明することが可能であるという面がある。
だが、この方法最大の特色でありある種「桎梏」となるのは、
「文語文法」つまり10世紀の平安京方言の文法にすべての現代方言文法が規範的に従属すること。
一番悪いのは、俺が思うに日本語教育文法的な発想が割り込んでしまうことで、
>>45自体がすでに片足を突っ込んでいるが、「○○形」のオンパレードにしてしまうこと。何の説明にもならない。
日本語文法というのは、非ネイティブのための記憶の便宜であって、論理性は全くないと思えてならない。
彼らは国語文法(伝統文法)を非論理的だと口汚く罵るが、記述文法のように形態素を教えているわけではないのだ。

73名無しさん:2011/03/10(木) 21:21:16
ということで、>45の趣旨に沿うのは、伝統文法的な再構築なのだろうと思う。
だとすれば、大槻文彦以来の伝統文法の活用形の意味論がバックボーンにならざるを得ない。
伝統文法の活用形の考え方はそれなりに立体的に出来ていて、かつ日本語の本質をよく示している。
未然・連用・終止・連体・已然・命令の6つの活用形は、つぎのように立体的に分類される。
A終止形/命令形…言い切ったときの法(modus)である。
B連用形/連体形…要するに広義の分詞(不定詞、動名詞など含む)である。副詞的分詞/形容詞的分詞という区別となる。
C未然形・已然形…これは実は一定の語尾のうち独立性の高い物を切り出した便宜的分類と考えれば良い。
C枠などは無限に広がり得るが、ここで規範的に「打ち止めにする」というところが真のミソだろう。
未然形というのは、意味論的に常に攻撃される類型だが、諸時代・諸方言通じて大変によく活用されてきた類型でもあって、
未然形という規範的語幹というか「語基」を残しておくことが、伝統文法を束ねるひとつの鍵になるように思う。
「きちんと未然形を抽出できるか」を「規範」として押し立てて、それに外れたものを混濁と切り捨てることにより、
伝統文法の枠が維持され、その適用の普遍性を獲得しているような気がする。
ある種の政治的操作というか、法律解釈のような感じなんだよなあ。「規範」文法だから当然なんだけど。

74名無しさん:2011/03/10(木) 21:43:57
ということで、何を言いたいのかということ、
俺は>>45の趣旨を貫徹するなら、>>46の「未来形」の創出には大反対ということ。
>>46修正は、>>51の言う「蟻の一穴」をすでに越えていて、「未来形」を立ててしまったら伝統文法的整序は不可能になる。
>>46がすでに指摘していることだが、三河より東の方言にはそもそも「未来形」はない。
そしてより保守的な西国の活用が>>55を見ればわかるように「〜ゅー」となるわけで、
未来形なるものの抽出は出来なくなる。
>>60なんて完全に本末転倒で、明らかに畸形的な一段動詞の「よう」の前半に、
本来の音韻変化通りの西国方言を逆立ちさせて捩じ込んでいる。
「う」については、通時的に未然形+「む」に立ち戻った上で、
東京・近畿の「よう」はいわば畸形であるとして処理するほうが筋が良い。
(この場合、「よう」という助動詞を立てるだけなので畸形と言っても処理は簡単だが)
名古屋の「まい」に接続するチャンポンな「四段のオ段語尾」や「一段の『よ』」などは、
規範文法的には明らかな畸形で、こんな一部の地方のみの変態的畸形を「未来形」などとしたら、
伝統文法の長所が全部潰れてしまう。

75名無しさん:2011/03/10(木) 22:05:34
方言学というのは国学であって言語学ではないのだから、
非文をそれなりに排除できる、まっとうな文法を論ずる必要はない。
稚内から与那国島までの言葉を源氏物語と比較できればそれでよい。

7655:2011/03/10(木) 22:12:48
>>75??

7775:2011/03/10(木) 22:21:01
つまり、>>72-74が気にしている桎梏なるものは、方言学にとってはむしろ善であると言いたい。
政治性、規範性おおいに結構。

78名無しさん:2011/03/10(木) 22:28:53
>>72->>74はどういう活用体系を作るのか?

79名無しさん:2011/03/10(木) 22:39:30
>>78
簡単なことだよ。用言の活用形としては、従来通り
未然・連用・終止・連体(・仮定)・命令をそれぞれ立てる。
(ひょっとすると「仮定形」は要らないかもしれない)
一見して当てはまらないものがある場合は、通時的・共時的(隣接方言)に分析し直し、
現代仮名遣いの「う」のように、綴り字でごまかせるところはごまかしてしまう。
音韻の微調整でバズルがはまるときははめてしまう。
そうできないときは、「○○の変化」として「規範的な原型○○」と並列させてしまう。
完全に混濁しているものは、「混濁している畸形である」として切り捨てる(しかない)
変化か混濁かというのは、再構築形を組み立てられるかどうかで決まるように思える。
「食べよう(東京方言)」は変化として説明できる。(「食べう」の変化とする)
「起きよう(同)」もぎりぎり変化か。
「起きよまい(名古屋方言)」は完全な混濁として切り捨てることになる。

80名無しさん:2011/03/10(木) 22:45:31
>>79
近畿方言の「行かへん」「行かはる」は「行きはせん」「行きなはる」の変化と説明するということか。

81名無しさん:2011/03/10(木) 22:47:19
「行けやん」(南近畿)は語源不明の混濁か。

82名無しさん:2011/03/10(木) 23:04:33
そもそも「やん」の起源は?

83名無しさん:2011/03/10(木) 23:06:56
>>80
少なくとも京阪式アクセント方言の「へん」「はる」は、本籍は明らかに連用形だろうね。
アクセントが完全に連用形のそれが保存されていて、
かつ連用形の語義的意味(副詞的分詞+補助用言の変化)からも基本的には外れない。
>>81
「やん」は、否定「ん」が「ん・やん」に発展したものと理解することができる。
混濁ではなく、新たな「分かりやすい形の誕生」と理解する。
文法的には、「やん」は一段動詞につく「ん」のもうひとつの形ということで、
「れる・られる」「せる・させる」と同様に理解することができる。
文法的整理の上では全く問題がない。

混濁というのは、まさに名古屋方言の「起きよみゃー」のような例を言う。
これ、勧誘の助動詞として「む」なのか「まい」なのか重畳していて意味不明になっている。
いうなれば、「起きようべー」と言っているのと同じ。「レッツ起きよう!」と言ったら、
ルー大柴にさえ「リピートすんじゃねえ!」と笑われるだろう。それくらいおかしな表現で、
こういうものは混濁だと切り捨てるしか無い。

84名無しさん:2011/03/11(金) 00:24:43
方言文法全国地図を参考に、「書く」の色々な用法の表現(「活用形」というには問題があるかもしれないけど)を比較してみた

     終止   連体   否定      過去     意志     推量        受身    使役      仮定1   仮定2
札幌  カク   カク    カカナイ    カイタ    カコ      カクベナー    カカレル  カカセル   カケバ   カクナラ
                                                                         カクンダッタラ
青森  カグ   カグ   カガネァ    カエダ    カグガ    カグデネナー   カガエル  カガヘル   カゲバ   カグンダラ
仙台  カグ   カグ   カガネァー  カエダ    カグベー    カグベー     カガレル  カガシェル  カゲバ   カグンダラバ
                                        カグンデネァーガ
水戸  カグ   カグ   カガネァー  カイダ    カグガ    カグベー      カガレル  カガセル   カゲバ   カグナラ
前橋  カク   カク    カカナイ    カイタ     カコー    カクダロ        カカレル  カカセル   カケバ   カクンナラ
東京  カク   カク    カカナイ    カイタ     カコー    カクダロー     カカレル  カカセル   カケバ   カクナラ
                                                                  カキャー
利島  カク   カコ    カカン       カイタ    カクベイ   カコダンノー    カカレル  カカセル   カケバ    カコダレバ
      カコ                                カコダルベイ    カカレロ  カカセロ
八丈島 カコワ  カコ   カキンナッキャ カカラ    カコー    カクノーワ     カカレロワ カカセロワ  カケバ   カカバ
新潟  カク   カク    カカナイ    ケァータ    カコァー   カクダロー     カカレル  カカセル   カケバ   カクンダラ
                                        カクロー                            カクンダッタラ
秋山郷 カク   カコ    カカネァー   ケァータ    カコァー              カカンレロ カカセロ    カケバ   カコダラ
      カコ                  ケァーケ   カコァーズ                            カカバ   カコダバ
                                 カカズ                               カケヤ  カカバ
長野  カク   カク    カカネー    カイタ     カカズ   カクダラズ     カカレル  カカセル   カキャ   カクンダラ
                カカネ
奈良田 カク   カク    カカノー    カイタ     カカズ   カクラ        カカレル  カカセル   カケバ   カクダイバ
                           カイトー                                           カクジャー
静岡  カク   カク    カカニャー   キャータ    カカズ   カクズラエー    カカレル  カカシェル  カキャー カクナラ
                                   カカズヨ  カクラエー             カカサシェル       カクンナラ
                                                           カカカス         カクダラ
                                                                        カクンダラ
名古屋 カク   カク    カカン       ケァータ   カコカ    カクダロー    カカレル   カカセル   カキャー カクナラ

85名無しさん:2011/03/11(金) 00:25:24
金沢  カク   カク    カカン       カイタ     カコー   カクヤロー    カカレル   カカス     カケァア  カクカ゜ナラ
京都  カク   カク    カカン      カイタ     カコー   カクヤロー    カカレル   カカス     カイタラ  カクノヤッタラ
                カカヘン
十津川 カク   カク    カカン      カイタ     カコ     カクジャロー   カカレル   カカス     カキャ   カクンジャッタラ
                カカヘン    カータ                                      カイタラ
高松  カク   カク    カカン      カイタ     カコー   カクダロー    カカレル   カカス     カキャー  カクンナラ
                                        カクジャロー                   カイタラ
高知  カク   カク    カカナー    カイタ     カコー   カクロー      カカレル   カカス     カキャー  カキャー
                カカン              カコ
松江  カク   カク    カカン      カエタ     カコーカ  カクダラ      カカレー   カカセー   カカ    カクナラ
                                 カカカ                              カキャ   カクダッタラ
広島  カク   カク    カカン      カイタ     カコー   カクジャロー     カカレル  カカス       カキャー カクンナラ
大分  カク   カク    カカン      カイタ     カコー   カクジャロー    カカルル  カカスル   カキャー カクナラ
                         ケータ
福岡  カク   カク    カカン      カイタ     カコー   カクジャロー    カカルル  カカスル   カキャー カクナラ
鹿児島 カッ   カッ     カカン       ケタ      カコカ   カッジャロ     カカルッ   カカスッ    カケバ  カッナラ
名瀬  カキ    カくン   カカン      カッチャ     カコー                カカルン  カカスリ    カキゥバ カくンナリゥバ
     カくリ                 カッツィゥ   カクン              カカルリ   カカスン          カキゥバ
     カくン
名護  ハクン  ハクヌ  ハカン     ハチャン ハキワルエイル カキヤサーニ         ハカフン   ハキネー ハクラワ
首里  カチュン カチュヌ カカン     カチャン カキワルヤル                   カカスン   カケー   カチュラー
平良  カキゥ   カキゥ  カカン     カキゥタイゥ  カカ   カキゥドゥッサアラン カカリイゥ  ハカスィゥ  カキバドゥ カカディヤッカー
石垣  カクン   カキゥ  カカヌ     カクダ   カカバドゥヤル カキゥハズ    カカリン   カカス    カケルカ  カキゥカー
与那国 カッティ   カグ   カガヌン    カキタン   カグンカヤー カグハディ    カガリル  カガミ   カッテャルバ カティタヤ

86名無しさん:2011/03/11(金) 00:49:10
他の動詞や形容詞もお願い

87名無しさん:2011/03/11(金) 00:57:48
方言文法全国地図でもまだまだ断片的な資料しかないんだよな
例えば連体形の地図は「書く」しかないし、逆に「書く」には命令形の地図がない。
連用形や接続形の地図は全くないし。

88名無しさん:2011/03/11(金) 01:02:16
東日本限定で言えば、
必要:盛岡、酒田、八王子、豊橋
不要:前橋(この図の前橋は全く要らないよ)
といったところかな。
意志・勧誘・推量に3分割すると、特に東海東山はいろんなことがわかる。
状況可能と能力可能も足すとよいかもしれない。
それから、明らかに原図の問題なんだが、終助詞のノイズが多いよなあ。
「な」「ね」「よ」の3つは本当は要らないんだろうね。だが削除というのも恣意性があるからなあ。

89名無しさん:2011/03/11(金) 01:15:53
>>88
とりあえず最初に各方言区画から1〜2地点という感じで地点を決めてから調べていったんだが
確かに前橋はなんか周囲とも違う場合もあって、狙いだった西関東方言の典型という役割は果たしていない感じで不要じゃないかと思った。
まずはこういう並べ方自体がいいのかどうかという反応が見たかったので、地点の選定などはあまりよく考えたものではない。
そもそも実は各地点にぴったり合う調査地点が無くて近くで代用してたりするし(名護とか首里とか明らかにずれてるし、青森や仙台も中心地じゃない)。
項目の数にも地点密度にもまだまだ不満を感じる。

90名無しさん:2011/03/12(土) 13:38:36
後続形式
打消型:〜ない 〜ん 
受身型:〜(ら)れる、〜(さ)せる
未来型:〜(よ)う/あ、〜ず/ず/っ/あ 
連用型:〜たい、〜ます、〜んなか
接続型:〜た、〜て
終止形:〜。〜な(禁止)、〜べえ、〜のうわ

91名無しさん:2011/03/12(土) 13:39:34
           未然形           連用形       終止形  連体形  仮定形  命令形
     打消型  受身型  未来型   連用型  接続型       
書く
西日本   書か   書か   書こ    書き   書い     書く   書く   書け   書け
山陰    書か   書か   書か    書き   書い     書く   書く   書け   書け
ナヤシ   書か   書か   書か    書き   書い     書く   書く   書け   書け
関東東北  書か   書か   −     書き   書い     書く   書く   書け   書け
八丈     −    書か   書こ    書き   書っ     書く   書こ  書か・書け 書け

買う
西日本   かわ   かわ   かお    かい   こう     かう   かう   かえ   かえ
山陰    かわ   かわ   かわ    かい かあ・かっ    かう   かう   かえ   かえ
ナヤシ   かわ   かわ   かわ    かい   かっ     かう   かう   かえ   かえ
関東東北  かわ   かわ   −     かい   かっ     かう   かう   かえ   かえ
八丈     −    かわ   かお    かい   かっ     かう   かお  かわ・かえ かえ

92名無しさん:2011/03/12(土) 13:40:07
起きる 
肥筑  起き・起きら 起き  起き・起きろ 起き   起き    起きる   起きる  起きれ   起きろ
豊日  起き・起け  起き  起き・起け  起き   起き    起くる   起くる   起くれ   起きよ
西日本   起き   起き   起き    起き   起き    起きる   起きる  起きれ   起きよ・起きい
ナヤシ   起き   起き   起き    起き   起き    起きる   起きる  起きれ   起きろ/起きょー
関東    起き   起き   起き    起き   起き    起きる   起きる  起きれ   起きろ
南奥羽   起き   起き   −     起き   起き  起きる・起きっ 起きる  起きれ   起きろ
北奥羽   起き   起き   起き    起き   起き    起きる   起きる  起きれ   起きれ
八丈    −    起き   起きろ   起き   起き  起きる・起き  起きろ 起きら・起きれ 起きろ

93名無しさん:2011/03/12(土) 13:40:54
する 
西日本   せ    さ    し     し    し     する    する   すれ   せえ・せよ
ナヤシ   し    さ   し・せ    し    し     する    する   すれ   しろ/しょー
関東    し    さ    し     し    し    する・す   する   すれ    しろ
東北    し    さ    −     し    し    する・す(ん) する   すれ  しろ・しれ/せえ
八丈    −    さ    し     し    し    する・す   すろ   すれ    せ

「べし」は本来終止形接続だが「起きべえ」「しべえ」などは明らかに「起きよう」「しよう」からの類推で、この場合「起き」「し」は未然形未来型とした。「起きっぺ」の「起きっ」は終止形とした。なお関東の「−う」は無視。八丈の「書から」は「書けり」からなので「書か」は仮定形(已然形起源)とする。

94名無しさん:2011/03/12(土) 13:41:37
〜てしまう
1−A   てしまわ てしまわ てしまお  てしまい てしもう  てしまう  てしまう  てしまえ  てしまえ
1−B   てまわ  てまわ  てまお   てまい  てもう    てまう   てまう   てまえ   てまえ
1−C   ちまわ  ちまわ  ちまお   ちまい  ちもう    ちまう   ちまう   ちまえ   ちまえ
2−A   てしまう てしまわ てしまお  てしまい てしまあ  てしまう  てしまう  てしまえ  てしまえ
3−A   てしまう てしまわ てしまお  てしまい てしまっ  てしまう  てしまう  てしまえ  てしまえ
3−B   てまう  てまわ  てまお   てまい  てまっ    てまう   てまう   てまえ   てまえ
3−C   ちまう  ちまわ  ちまお   ちまい  ちまっ    ちまう   ちまう   ちまえ   ちまえ
3−D   ちゃう  ちゃわ  ちゃお   ちゃい  ちゃっ    ちゃう   ちゃう   ちゃえ   ちゃえ

95名無しさん:2011/03/12(土) 13:43:41
       未然形      連用形            終止形          連体形     仮定形 
高い    カリ      本    カリ         本   カリ        本   カリ     
肥筑    高かろ   たこう   高かっ       −   高か       −   高か   高かれ 
西日本   高かろ   たこう  高かっ・高かり  高い   −        高い  −    高けれ
山陰    高から   たかあ  高かっ      高い  −         高い  −    高けれ
ナヤシ  (高から)  たかく   高かっ       高い  −        高い  −    高けれ
関東    −      たかく   高かっ      高い 高かん・高かっ  高い  −    高けれ
東北    −      たかく   高かっ       高い  高か(ん)    高い  −    高けえ
八丈    −      たかく   高かから     高きゃ 高かん 高け  −  高けれ・高から・高かあ

96名無しさん:2011/03/12(土) 13:44:29
          未然形        連用形          終止形     連体形    仮定形
静かだ     未来型     完了型    連用型       

肥前  本   静かじゃろ   静かじゃっ   ?        −       −     
     ナリ   −       −        ?         −      −     静か(か)ならetc.
     カリ  静かかろ    静かかっ    ?      静かか・静か  静かか   
  
山陽  本   静かじゃろ   静かじゃっ   −       静かじゃ    −      −
     ナリ  静かなろ    静かなっ   静かに     静かな     静かな   静かなら  

山陰  本   静かだら    静かだっ    −       静かだ     −      −
     ナリ   −       静かなっ   静かに     静かな     静かな   静かなら
  
近畿  本   静かやろ    静かやっ    −       静かや     −      −
     ナリ   −         −     静かに      静かな    静かな   静かなら
 
ナヤシ 本   静かだら    静かだっ    −       静かだ     −      静かだら
     ナリ   −         −     静かに       −      静かな    静かなら
  
越後  本1   静かだろ    静かだっ   −       静かだ     −      静かだら
     本2   静からろ    静からっ    −       静から     −       −
     ナリ   −         −     静かに       −   静かな・静かん 静かなら
 
関東  本    −        静かだっ    −      静かだ(ん/っ)   −    静かだら
     ナリ   −         −     静かに        −     静かな    静かなら
   
津軽  本    −        静かでっ    ?       静かだ    静かだ   静かだら・静かだ
     ナリ   −          −      ?         −      −      −
  
八丈  本    −        静かだら    ?      静かだ(ん)   静かどあ   静かだら
     ナリ   −          −      ?         −     静かの     −

97名無しさん:2011/03/12(土) 13:46:31
               連用形          終止形   連体形   仮定形
         連用型   接続型   完了型  
ぬ   
ン型       −    ん・なん   ん・なん    ん     ん    ね・ん  
ズ型       −     ず      ざっ     −     −     −
カリ活用型    んく    んく     んかっ    ん     ん    んけれ

ない       なく   なく・ない   なかっ    ない   ない    なけれ

98名無しさん:2011/03/12(土) 14:27:19
「連用型」「接続型」「完了型」の定義は品詞によって異なり、
動詞は最初の通り。

形容動詞は
完了型…「〜た」に接続
連用形…「〜なる」に接続

「ぬ・ない」については
連用型…「−なる」
接続型…「−て、−に」
完了型…「−た」
に接続するとする。
名称は恣意的。

99名無しさん:2011/03/12(土) 16:33:57
後続形式(形容詞)
未来型…「〜う」
連用型…「〜なる」
接続型…「〜て」
完了型…「〜た」

       未然形        連用形          終止形  連体形  仮定形  
高い      未来型   連用型  接続型  完了型

肥筑  本    −    たこう  たこう   −     −    −    −
     カリ  高かろ    −    −   高かっ   高か   高か   高かれ
     
西日本 本    −     たこう  たこう   −    高い    高い   高けれ
     カリ  高かろ    −   高かっ  高かっ    −    −    −

山陰  本    −     たかあ  たかあ   −     高い    高い   高けれ
     カリ  高から    −    −   高かっ     −    −    −

ナヤシ 本    −    たかく  たかく   −    高い    高い   高けれ
     カリ   −     −    −    高かっ    −    −    −

関東  本    −    たかく   たかく   −      高い   高い   高けれ
     カリ   −     −    −    高かっ 高かん・高かっ −    −

東北  本    −    たかく  たかく   −     高い   高い   高けえ
     カリ   −     −    −    高かっ 高かん・高かっ −    −

八丈  本    −    たかく  たかく   −   高きゃ     高け   高けれ
     カリ  高かろ    −    −    −  高かん・高かっ −  高から・高かあ

100名無しさん:2011/03/13(日) 00:53:28
>>50

新潟の「すけ」も「さかい」の仲間だね。
東北にもあるんだっけ?

101名無しさん:2011/03/13(日) 00:54:36
ごめんwそのこと書いてあったのかw

102名無しさん:2011/03/13(日) 18:16:59
理由に関して思い出したことを一つ。
↓では三陸中部に「けに」系が見られる。
これは何を示すのだろうか?
http://www6.ninjal.ac.jp/siryokan_data/drep_siryokan/gaj_map/GAJ_033_e.pdf
http://www6.ninjal.ac.jp/siryokan_data/drep_siryokan/gaj_map/GAJ_033_m.pdf

103名無しさん:2011/03/26(土) 14:46:37
>>102
それはサケニか何かの脱落だろう。
東北地方は理由を表す接続助詞にカラとハンデとサカイの3種がある。
飛び地的に沿岸に分布してることからして、サカイ系の語が近畿から輸入したものであることは確実だ。
一方で中国四国九州にあるケニは、当時サカイが用いられていた近畿にまで広がっていたかどうかあやしい。
近畿-東北のルートでケニが伝播する可能性はないと見ていい。
では三陸のケニは東北でケニが用いられていた名残りかというと、
三陸は東北の中で特に奥地、僻地というわけでもないから、そこだけ古い言いまわしが残るのかと考えると疑問が残る。
サケかスケから、第一音節が脱落したと考えるのが自然だ。

104名無しさん:2011/04/05(火) 01:19:56
>>100
新潟は今の中年層以下では〜スケというより〜ッケになってるな。

105名無しさん:2011/05/30(月) 18:27:04
分布からして思うに近畿では古くはケニが使われていたが
いつからかサカイニが用いられぬようになり、北陸方面を中心に広まった。
三陸中部でケニが使われているのは、
比較的古くからこの地域に関西の影響があった証だろう。


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