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【西伯耆・出雲】雲伯方言【隠岐】

1名無しさん:2010/08/28(土) 20:12:40
鳥取県西部(西伯耆)、島根県東部(出雲)、隠岐諸島で話されている雲伯方言について語るスレッドです。

2名無しさん:2010/09/19(日) 01:07:16
なぜか北奥羽方言との発音の共通点が多い不思議な方言だ。

イ段とウ段が中舌母音で、エ段が狭いという母音体系は東北方言と同じ。
ただし東北方言のような、アイが融合したエァはない。
母音単独のイとエ、ウとオは混同する。ミとメ、ムとモ、ニとネ、ヌとノの混同の傾向もある。ヒとフも混同する。
「犬」はエノ、「海」はオミ、「虱」はシラメ、「水」はメズィ、「温かい」はノクイ、「縫う」はノー、膝はフザなどになる。

いわゆるズーズー弁で、シとス、チとツ、ジとズがシ、チ、ジのほうに統合されている。
語中のカ行、タ行の有声化(濁音化)はなく、また語中のガ行、ザ行、ダ行、バ行の入り渡り鼻音もない。
ガ行は語中の鼻濁音もなく普通の破裂音。セ、ゼの発音はシェ、ジェを残す。合拗音クヮ、グヮも残る。
開合の区別があり、開音をアー、合音をオーで区別する。ザ行とダ行の混同がある。
ヒとヘにフィ、フェの発音を残すが、ヒはフになることもある。

語中のラ行は子音が脱落して長音化する傾向が強い。
例えば「来る」はクー、「見る」はミー、「笑う」はワラー、「割る」はワー、「掘る」はホー、「投げる」はナゲー、
「鳥」は「トー」、「夜」はヨーというようになる。
また語末のムは撥音化して、「読む」はヨン、「噛む」はカンというようになる。

アクセントは隠岐以外は北奥羽式アクセント。隠岐のアクセントは島の中でも変異が激しいが特殊なアクセント。

3名無しさん:2010/12/12(日) 21:45:27
トンデモといわれるかもしれないが、
音韻体系の東北方言との類似性は、やはり縄文(アイヌ)語的特徴の名残なのだろうか。
出雲には十六島(うるっぷい)というとても日本語的とは思えない地名があるし。

4名無しさん:2010/12/12(日) 21:53:00
>>3
トンデモだろ。今の方言の対立を「縄文語」だの「弥生語」だのに求めること自体間違い。
今の本土方言の対立は全て歴史時代に入ってからできたもの。
雲伯方言や裏日本式方言に見られる音韻的特徴とアイヌ語の音韻の特徴は何も関係ないし。
小泉保のトンデモ説に影響されるのはいい加減やめたほうがいい。

5名無しさん:2010/12/12(日) 22:08:45
小泉保の説はよく知らないが、
出雲や東北に追い詰められた、元縄文(アイヌ)語話者が
日本語を話そうとした場合に自然に現れてくる発音という可能性はないかね?

6名無しさん:2010/12/12(日) 22:18:19
アイヌ語に中舌母音はない。
ズーズーはイとウの緊張が緩めば自然に発生する。
そして最も奥まった岩手県三陸海岸に非ズーズー地帯があり、
このことがズーズー化は新しいものだということを物語っている。

7名無しさん:2010/12/12(日) 22:24:24
>>5
アイヌ語の音韻的特徴と出雲や東北の方言の発音傾向は一致しない。
例えば東北や出雲では、母音のウが中舌的で、唇の丸めも共通語以上に弱い。
ところがアイヌ語では、母音のウは英語のuのように奥舌で、唇の丸めもかなり強い(西日本以上)。
同様にイも東北や出雲は中舌的だが、アイヌ語のイは前舌的。

そもそも、縄文時代の日本列島の言語として単一の「縄文語」を想定し、それをアイヌ語と結びつけること自体が不自然。
ヨーロッパ人入植前のカリフォルニア半島や、パプアニューギニアの先住民の言語に見られるように、
農耕以前の社会段階の地域は、系統的に無関係の多数の言語が狭い地域に複雑に分布しているのが自然。
縄文時代の日本列島にも10以上の言語が分布していたと考えられ、古アイヌ語はそのうち北日本に分布する言語だったと考えられる。

縄文時代には東日本に人口の大半が集中し、西日本は非常に人口が希薄でほぼ無人に近かったが、
縄文時代末期に東日本の人口が大きく減少し、弥生時代に入ると西日本の人口が激増して東日本以上になったことが分かっているので、
西日本では縄文時代の言語とのつながりがあったかどうかも怪しい。

8名無しさん:2010/12/13(月) 01:04:23
>>7
>古アイヌ語はそのうち北日本に分布する言語だったと考えられる。
南九州や沖縄に川を「ナイ」と読む地名があるのをどう説明する?

しかし見事に京都から遠いところ、あるいは日本海側に分布しているのはなぜ?
ズーズー弁が発生するのはどこでもよさそうな気がするが。京都や鹿児島ではなぜ起きない?
雪が降るとか寒いから口を開けなくなったとかそういう理由なのか?
東関東は雪は降らないし、新潟は雪が降るのにズーズー弁ではない。出雲も長野より温かい。
そして例えば東北でそのような変化が起こっても、そのような変化が周りに伝わるかね?
ズーズー弁が発生したのが約400年前だという説があるが、その場合、各藩に分かれていた時代に、そんなに速く東北全土に広がるのか?
京都や江戸でおきた変化なら広範に伝わるのはわかるが、東北の一農村で起きた変化がそこまで広がるだろうか?
ならばズーズー弁もアクセントのような自律的内的変化であると言うかもしれないが、どうして鹿児島には分布しないのか?
そしてズーズー弁ばかりが注目されるが、東日本全土に渡りウは非中舌、非円唇であり、東北方言からの遷移ともとらえられる。
要は東日本、裏日本にはもともと潜在的にズーズー弁的要素があったと考えざるをえない。
信越の秋山郷はマタギの活動地として知られるが、ここはズーズー弁だ。そしてマタギはアイヌと関連があるといわれている。
できすぎではないか?
>>6>>7説明でアイヌ語とズーズー弁の音韻関係がないのはわかったが、アイヌ語の中絶母音があるないなどは問題ではなく、
そもそも子音の発音も含めた音韻体系が全く違う言語の話者が違う言語を話すとすると、元の言語の音韻的特徴を受け継がずに、
全く関連性のない方向の特徴が現れるといった可能性がないわけではない。

ではもしズーズー弁がアイヌ語と全く関係ないとしよう。
その場合、日本語話者以外の何らかの集団がかつて日本全土にいたアイヌ語話者を駆逐し(だからアイヌ語地名は残っている)
その集団がズーズー弁の基になる言語を話していたという可能性はないかね?
そしてその集団はその後日本にやってきた大和勢力によって出雲と東北に追い詰められたと。

どちらにしろズーズー弁の分布はどう見ても潜在的特徴にしか見えないんだよ。
それは緊張が緩めば起こるのはわかるが、その緊張を緩ませる原因要素が潜在的にあったとしか思えないな。
まあ、はなから全否定する人には何を言っても無駄だがね。
スレッドのタイトルからだいぶ逸脱したのでこのくらいにしておこう。

9名無しさん:2010/12/13(月) 01:52:36
>>8
気候と結びつけるのも言語学を知らない典型的なトンデモ。
琉球方言でも奄美の一部と首里の旧士族成年男子を除いてシ・ス、チ・ツ、ジ・ズの区別は失われているし、
奄美・宮古・八重山など中舌母音を持つ方言では、これらの音節は中舌母音を持っていて東北方言や雲伯方言と似た響きになっている。
宮古・八重山方言では、イ段が中舌母音に遷移しエ段が狭くなるという、東北方言や雲伯方言とよく似た変化を起こしていて、それをより極端にしたような変化だ。
もちろん気候は日本で最も暖かい地域だ。

音韻変化が「伝わる」という発想がおかしい。音韻変化は各地で独立して起こる可能性がある。特に似たような発音傾向を持っていればなおさらだ。
いわゆる蝸牛考的な「周圏分布」で「周囲に分かれて分布するほうが古い」と推定できるのは、語彙に恣意性があり、必然性が低いからだ。
例えば犬を「イヌ」と呼ぶ必然性は低いから、その呼び方が別の場所で独立に発生する可能性は低く、恐らく発生地は1箇所であり、また広がるのも伝播だけによるため遅い。
しかし、例えば犬を「ワンワン」と呼ぶ場合、擬声語のため恣意性が低く、各地で独立して呼び方が同時発生する可能性があり、その場合はかなり急速に分布範囲が広がる可能性がある
音韻変化やアクセント変化もそれに似ていて、各地で同時発生する場合があるし、伝播だけで広がる場合に比べると急速に広がることがある。

語彙は一般に文化の高いところから低いところへ伝わるが、発音変化の場合は逆の伝わり方をする例も見られる。
一旦変化後の発音を身につけると前の発音を身につけるのが困難になる例などがそうだ。
例えばガ行鼻濁音を失う変化や、四つ仮名→二つ仮名、二つ仮名→一つ仮名などの例がそれに当たる。
一旦ジとヂや、シとスの区別を失った場合、それを改めて身につけるのは非常に困難だ。しかし区別を失う変化は容易だ。

発音の潜在的特徴という概念自体は否定できないが、それを「縄文時代の言語」とやらに結びつけ、さらにそれが「縄文語とはアイヌ語である」というのは非常に危険だ。
関東より南・西のアイヌ語地名というのははっきり実証されていない怪しいものしかなく、東北とは明らかな違いがある。
日本語以前の言語の発音傾向がもし残っているのだとしても、それはアイヌ語とは無関係の既に消えた言語のものだとしたほうが妥当だろう。

10名無しさん:2010/12/13(月) 23:39:41
>>8
>それは緊張が緩めば起こるのはわかるが、その緊張を緩ませる原因要素が潜在的にあったとしか思えないな。
その原因要素は、都から離れていて変化が起こりやすい、ということでいいんじゃないか?

鹿児島の場合ズーズー化しない代わりにおびただしい母音脱落・促音化・閉音節化が進んでいる。
発音を楽にしようという傾向が別の方向に向かっただけだろう。
近畿・四国以外は、ズーズー化や閉音節化はしていなくても、アイ→エー、ウイ→イー、オイ→エーなどの連母音融合が多い。
これも発音を楽にする、緊張が緩んだ変化だ。

11名無しさん:2010/12/29(水) 01:07:45
ラ行が子音脱落して長母音化するのは雲伯方言だけの現象?

12名無しさん:2010/12/29(水) 01:09:48
体系的なものは他に聞いたことがないが。

神戸・福岡の「とる」→「とー」は語彙的。

14名無しさん:2011/04/30(土) 09:40:02
雲伯方言では、「しない」「せぬ」が「さん」になるようだけど、
北奥羽方言の「さねぁ」と似てるな。
もちろん五段化という新しい変化なんだけど、
雲伯方言と北奥羽方言は似た変化を起こしてることが多いな。


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