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日本語の方言アクセント・イントネーション

272名無しさん:2010/12/13(月) 09:57:14
「アクセントが伝わる」というのがおかしい。東京式→京阪式ではなく、京阪式→東京式というのが変化の順序。
一旦東京式になった地域が、海路の人的交流程度で京阪式になることは有り得ない。
元々の住人をほとんど駆逐するほどの京阪式地域からの大規模な移住でもあれば別だが。

四国方言の多くでは音韻やアクセントに関して保守的だから京阪式が残ったが、
中国方言ではさらに変化が進み東京式になったということ。

語彙の伝わり方と、音韻やアクセントをごっちゃにしちゃダメだよ。
語彙は個別的だから単発で伝播する可能性があるが、音韻やアクセントは基本的に「伝播」はしない。

内的変化で起こる可能性のある伝播なら、隣接地域の変化に誘発されて一見「伝播」のように見える広がり方をすることもあるが、
東京式から京阪式へは、内的変化する可能性がない。
京阪式にある区別が東京式では失われており、東京式をどう変化させてもその区別は出てこないし、
体系的にも京阪式のほうが複雑だからだ。

273名無しさん:2010/12/13(月) 10:02:36
>>272
では岡山や広島にもかつては京阪式が分布していたということだね?

274名無しさん:2010/12/13(月) 10:25:00
>>273
そういうことになるね。少なくとも本土の全ての方言アクセントは鎌倉期京都アクセントから変化したものというのが通説だから。

ただ、たとえば東北あたりだと、実は「京阪式が分布していた」時代があったことを疑うこともできる。
あくまでも「その方言のアクセントの元を辿っていくと京阪式に辿りつく」ということであって、
たとえば東北へ日本語圏が拡大していくとき、その前線でアクセント変化が起こり、青森に辿り着いたときには既に東京式へ変化していたということもあり得る。
その場合も、青森のアクセントの元を言語的に辿っていくと、元々より南にあった言語集団のアクセントを辿ることになり、それはかつて京阪式だったということになる。

ただ、中国地方の場合、今でも近畿や四国に京阪式が分布していることを考えると、やはり古い時代には京阪式が実際に分布していた時期があっただろう。
日本語自体が分布域を拡大した時代(恐らく弥生時代)に、その拡大がどこから起こったかというと、近畿ではなく恐らく九州北部だからだ。

中国地方でいつ東京式への変化があったかは文献資料がないので知りようがない。
関東地方では恐らく平安時代後期と考えられていて、室町時代後期には東京式に変化していたことを示すと思われる資料がある。
少なくとも江戸時代に入る頃には広島は東京式になっていた可能性が高いが資料がないので想像の域を出ない。
岡山は内輪東京式であること、京阪式地域にかなり近いことを考えるともっと遅いかもしれない。

275名無しさん:2010/12/13(月) 10:28:30
能登半島に京阪式が分布しているが、これは伝播とはいえないか?少なくとも話者の伝播では?
そうでなければかつては北陸一帯で京阪式が行われており、各地で垂井式が生じたことになる。
この理論では日本全国でかつては京阪式が分布していたという非現実的な世界になってしまう。

276名無しさん:2010/12/13(月) 10:59:06
>>275
非現実的ではない。かつては各地に広く京阪式が分布していたと考えられる。
京阪式から垂井式への変化は、「高起式と低起式の区別を失う」という非常に起こりやすい変化であり、
京阪式の周辺部各地に分かれて分布している。各地で同じような変化が起こったと考えられる。

京阪式から東京式への変化も、高い部分が一拍後にずれるという、やはり起こりやすい変化。
東京式からさらに一拍後にずれたようなアクセントもあり、これが起こりやすい変化であることを証明している。

むしろ、能登半島だけに、元の住人を駆逐するような大規模な住人移動があったと考えるほうがよほど不自然。
そんなことが起きていたら確実に文献記録があるはずだろう。

なぜ言語変化をそんなに何でも伝播と住人異動で説明したがるのか理解に苦しむ。
方言周圏論が中途半端な形で一般人に広がってしまった悪影響だろうか。

実際に住人異動により音韻・アクセントが「伝播」した例としては、波照間島から石垣島白保集落の例が挙げられる。
しかしこれは、1771年の八重山地震で起こった波高40mという明和の大津波により、
当時1574人いた人口の98%が死亡し、わずか28人しか生き残らなかったところに、波照間島から418人の移住者が来て再興されたという
非常に凄まじい歴史があってのことだ。

こういう極端な例でもなければ、少数の来訪者が来ても音韻やアクセントは容易に影響されず、移住者も多数派に埋もれてしまう。
実際、明治時代の北海道では、垂井式や京阪式の地域からも数多くの移住者が来たが、
3世代後にはほとんどの地域が、最も出身者が多かった北奥羽式のアクセントに同化されてしまっていた。
1940年代の若者の時点で、移住元のアクセントが保たれていたのは、奈良県十津川村(内輪東京式)からの空知支庁新十津川村と、
福井県大野町(垂井式)からの渡島支庁大野村だけだった。これらは村名が示すように集落ごと集団移住した地域だ。
様々な地域から移住があったそれ以外の地域では、最も多数派の北奥羽式に押され、他のアクセントは消えてしまった。

北海道の方言は、語彙には明らかに北陸や四国などから持ち込まれた形跡があっても、音韻やアクセントにその形跡を見出すのは難しい。
移住後二世までは音韻やアクセントの特徴が保たれても、三世から一気に北海道共通語的な音韻・アクセントに変わることが調査で分かっている。

277名無しさん:2010/12/13(月) 12:16:57
>>276
アクセントを近畿と東北(や九州)の二極構造で考える説、例えば山口幸洋の
「中央の京阪式アクセントと地方の無アクセントの接触によって、東京式アクセントが生まれた」とする説は、間違いなんだね?

それから京阪式→垂井式→東京式と変化しやすいなら、京阪式というのは無理に維持しようとしない限り、
すぐに崩壊してしまう型なのだから、近畿の中央部ではそのような内部変化が起こらなかったのは、
朝廷の影響で京阪式を無理してでも話さざるを得ない環境だった、あるいは京阪式を保っていこうという意識が
どこよりも強かった、ということでいいのか?すごく基本的な話だが。

278名無しさん:2010/12/13(月) 12:31:21
>>277
上にも出てるけど間違いだろう。そもそもそんな「接触」が起こるほど、遠地で京阪式の方言音声と日常的な言語的交流があったとはとても思えない。

京阪式が近畿などで比較的変化が少なく保たれたのは、単に音韻やアクセントが保守的な傾向があったからだろう。
また、母音が強く、連母音融合や母音の無声化が少なかったことが影響している。逆に東京式への変化はこれらが一因になっている可能性がある。
また中央に近いと言語的規範意識が強く、親から子供への言語的教育もよく行われ、文字との接触も多い。
中央から遠いと規範が弱く、教育も盛んでないし文字にも縛られにくいので自由で自然な変化が起こりやすい。

「朝廷の影響で」とかいうのは意味が分からない。そもそも圧倒的多数の庶民は朝廷の人々と言語的接触を持つことなど一生無かっただろう。
実際に他地方の庶民に規範的影響力を持っていたのは、京都の庶民あるいはやや身分の高い人々の言葉だっただろうが、
結局はそれらの人々のアクセントも南北朝時代にある程度大きな変化を遂げていて、決して固定していたわけではない。

京都で大きなアクセント変化が起こったのは、南北朝時代と、幕末から明治初期にかけてだったことが分かっていて、
これは京都の社会が大きく乱れた動乱の時期と重なるので、言語的規範が弱まったことでアクセント変化が起こった可能性は否定できない。

「京阪式のまま」と言っても、南北朝時代以前の京都のアクセントは、今の京阪式とはシステムが違う。
これを仮に「祖京阪式」と呼ぶと、京都では祖京阪式から京阪式へ変化するだけの比較的小幅な変化で済んだが、
他の地域では京阪式からさらに内輪・中輪東京式や垂井式への大きな変化を起こしたり、
祖京阪式から外輪東京式、讃岐式、伊吹島式、真鍋島式などへ別方向に変化したりしたということ。
今の本土方言の祖は、京阪式ではなく祖京阪式のほうになる。

279名無しさん:2010/12/13(月) 20:28:09
「京阪式」が「保守的」なのに「不安定(変化しやすい)」という、通説の言い回しが
ミスリードなんだと思うんだよなあ。ここに、山口や小泉のような珍説が生まれてくる背景があり、
またそれが、学界の外の一般人にやたら受けいられられてしまう背景にある。
恐らく、最大の誤りは京阪式が「保守的」「比較的変化が少ない」ということだと思う。
いわゆる「今の関西弁」の京阪式、つまり15世紀以降の京都アクセントと同系のアクセントは、
祖語アクセントと比較して、決して「保守的」ではない。むしろ強い二次的変化を起こしていて、
その「二次的変化の態様」が、本質的にやや「不安定」で「変化しやすい」ものだと説明したほうがいいのだと思う。

280名無しさん:2010/12/13(月) 20:39:36
その「不安定な二次変化」の肝は、
「低平連続崩壊を起こして、低起類の大半が高拍始まりになったのに、低起/高起の区別が残った」
というところにある。低起/高起の区別を残しているのだから「保守的だ」と言うのだが、
区別ラインが完全崩壊している以上、これは「保守的」だとは言い難い。
結局、半分は「関係ないものを無理やり弁別する」ようになっていて、垂井化はある意味必然に近い。
垂井化した瞬間、体系の屋台骨を失うからガタガタ(最終的には無アクセントまで突っ走る)になるのも、不思議ではない。
そしてさらに、低平連続を崩壊させるた結果「滝が2つ前にずれた」ため、
祖語来の用言アクセントの類別を支える痕跡が、東京式のように分かりやすい形にならなかったこと。
形容詞でいえば、「高起マイナス2」と「高起マイナス3」、
動詞でいえば、「高起0」と「高起マイナス2」と「低起0」となるが、
これではアクセントの大対立と綺麗に符合せず、いずれ弁別が怪しくなっても全くおかしくないということになる。
(東京式は最終的にここが「平板/起伏(/頭高)」と対応関係を結んだ。
それでも頭高型用言は、ごく一部を除いて消えたけど。)

281名無しさん:2010/12/13(月) 20:43:02
京阪式の「変化しやすさ」って何だろうね。
パッと思いつくところでは、下げ核が最後の拍にある型が少ないというのが挙げられると思う。

高起式では下げ核が最後の拍にある型は全く存在しないし、低起式でもかなり少ない。
二拍名詞五類が例外的にある程度の所属語数を持っているが、一拍名詞には存在しないし、
三拍名詞でも第二拍が特殊拍のものしかなく数えるほどしかない。四拍以上はよく知らないけどかなり少ないはず。
これが、核の一拍後退という変化を潜在的に起こしやすくしているのでは?

282名無しさん:2010/12/13(月) 23:20:32
>>277
京阪式→垂井式→東京式
というのは間違い。
垂井式から東京式は生まれない。

京阪式から高起・低起の区別がなくなったのが垂井式で、
一方で京阪式から一拍後ずれと語頭隆起を起こしたのが東京式。

平安京阪式(祖京阪式)からは室町京阪式、讃岐式、外輪東京式が生まれた(自分は二型式も祖京阪式から出たと考えるが)。
さらに室町以降の京阪式から、中輪東京式、内輪東京式、垂井式がそれぞれ派生している。

283名無しさん:2010/12/13(月) 23:41:00
京都を中心にして、例外はあるものの見事に
京阪式、垂井式、内輪東京式、中輪東京式、外輪東京式と分布しているのは、
外側のものがより分岐した時期が早かったから?

284名無しさん:2010/12/15(水) 08:21:42
>>283
確かに外側のほうが分岐年代は早そうだけど、綺麗に種類と対応してるかは微妙だな。
垂井式と内輪東京式は遅そうだ。

285名無しさん:2010/12/16(木) 08:04:26
岡山県倉敷市下津井大畠のアクセント

一拍名詞
L-H 1・3類
H-L 2類

二拍名詞
LH-H 1類
LH、LL-H 4類(LH-Hにもなる。これは若年層に多い)
LH-L 2・3・5類
HL-L 2・3・5類

二拍動詞
LH 1・2類
HL 居(お)る・出る・見る・来る

三拍動詞
LHH 1類
LHL 1・2類

三拍形容詞(老年層)
LHH 1類
LHL 2類

286名無しさん:2010/12/16(木) 12:10:49
2拍一段動詞二類のテ・タ形(「見た」の類)って、京阪式ではHLなのに、
東京式でもHLなのはなんでなんだ?内輪はLHらしいが。

3拍一段動詞一類のテ・タ形(「負けた」の類)も、京阪式でHLLで、東京式でLHLになることが予想されるのに
そうなっているのは内輪のみで、中輪ではLHHなのはなぜ?

287名無しさん:2010/12/16(木) 14:38:16
金田一によると確か、「見た」類は元々は「ミータ」のような形でLHLだったらしく、
京阪式では後に短縮してHLになったそうだ。

中輪・外輪では短縮する前に東京式化が起こったので、LHL → LLH → HLH → HLL となり、
その段階で短縮が起こってHLとなった。
一方、内輪では東京式化が遅く、その前に短縮が起こったので、先にHLになり、それが一拍後ずれでLH’になった。

うろ覚えだけど確かそんな感じの説明だったと思う。

288名無しさん:2010/12/16(木) 23:19:33
というか、その類の平安時代の記録はないの?

「置け」とか「白く」のアクセントは分かるのに?

289名無しさん:2010/12/17(金) 00:19:30
京阪式アクセントの表記法。

 ̄か

 ̄ひ’

_て

 ̄かぜ

 ̄あ’し

_なに

_はる’

 ̄かたち

 ̄あた’ま

 ̄こ’ころ

_うさぎ

_いち’ご

290名無しさん:2010/12/18(土) 06:46:34
>>287
「見た」類だけミータだったというのはずいぶん無理のある説明なんじゃないか?
そういう長音化がなかったとみると、「見た」=HLからは、平安期京都で「見たる」=LLHだったと推定できる。

「負けた」類については、外輪で平板になるのは高起統合で説明できるので、説明すべきは中輪のみ。

もしかして「見た」類の頭高化(中輪・外輪)と「負けた」類の平板化(中輪)は、類推による変化なんじゃ?
つまり、終止形で起伏型のもの(二類)はテ・タ形でも起伏に、終止形で平板型のもの(一類)はテ・タ形でも平板に、という類推。
内輪の場合、「泣いた」類や「囲んだ」類は、終止形は平板だがテ・タ形は起伏型の傾向があって、活用によってアクセントが揃わないものが多いから、こういう類推が起こらなかった。

291名無しさん:2010/12/18(土) 13:58:32
見たるRLH

292名無しさん:2010/12/18(土) 16:42:33
確かに当時の「見る」類の連用形のアクセントは「昇」だ。
そして当時、降や昇といったアクセントを持つ拍はやや長めに発音されていたようだ。
当時は短母音と長母音の対立もまだなかったし。

293名無しさん:2010/12/18(土) 19:45:46
「見たる」はRLHだったという記録資料はあるの?
となると京阪式ではRLH→HLH→HLというのも考えられるんじゃない?
鎌倉期に入るときに原則としてRはHに変化したから。

294名無しさん:2010/12/19(日) 22:03:30
院政期京都の動詞活用型アクセント

終止一拍・連体二拍 カ変・ラ変動詞
    未然I   未然II   連用I   連用II   終止    連体    已然    命令
一類 高     高     降     降     降     高高    高低    降     「為(す)」など
二類 高     低     昇     昇     昇     低高    低降    昇     「来(く)」など

終止一拍・連体二拍 二段動詞
    未然I   未然II   連用I   連用II   終止    連体    已然    命令
一類 高     高     降     降     降     高高    高低    高低    「寝(ぬ)」など
二類 高     低     昇     昇     昇     低高    低降    昇低    「得(う)」など

終止二拍・連体二拍 一段動詞
    未然I   未然II   連用I   連用II   終止    連体    已然    命令
一類 高     高     降     降     高低    高高    高低    高低    「着る(きる)」など
二類 高     低     昇     昇     低降    低高    低降    昇低    「見る(みる)」など

終止二拍・連体二拍 四段・ラ変動詞
    未然I   未然II   連用I   連用II   終止    連体    已然    命令
一類 高高    高高     高低   高低    高低    高高    高低    高低    「聞く(きく)」など
二類 低高    低低     低降   低高    低降    低高    低降    低降    「切る(きる)」など

終止二拍・連体三拍 二段動詞
    未然I   未然II   連用I   連用II   終止    連体    已然    命令
一類 高高    高高     高低   高低    高低    高高高  高高低  高低低  「消ゆ(きゆ)」など
二類 低高    低低     低降   低高    低降    低低高  低高低  低降低  「起く(おく)」など

終止三拍・連体三拍 四段動詞
    未然I   未然II   連用I   連用II   終止    連体    已然    命令
一類 高高高  高高高   高高低  高高低  高高低  高高高  高高低  高低低  「笑ふ(わらふ)」など
二類 低低高  低低低   低低降  低低高  低低降  低低高  低低降  低低降  「思ふ(おもふ)」など
三類 低高低  低低低   低高低  低高低  低高低  低高高  低高低  低高低  「歩く(あるく)」など

終止三拍・連体四拍 二段動詞
    未然I   未然II   連用I   連用II   終止    連体    已然    命令
一類 高高高  高高高   高高低  高高低  高高低  高高高高 高高高低 高高低低 「忘る(わする)」など
二類 低低高  低低低   低低降  低低高  低低降  低低低高 低低低降 低低降低 「崩る(くづる)」など
三類 低高高  低低低   低高低  低高低  低高低  低高高高 低高低低 低高低低 「隠る(かくる)」など

終止四拍・連体四拍 二段動詞
    未然I   未然II   連用I   連用II   終止    連体    已然    命令
一類 高高高高 高高高高 高高低低 高高高低 高高高低 高高高高 高高高低 高高低低 「失ふ(うしなふ)」など
二類 低低低高 低低低低 低低高低 低低高低 低低高低 低低低高 低低高低 低低高低 「表す(あらはす)」など
三類 低高高高 低高高高 低高高低 低高高低 低高高低 低高高高 低高高低 低高高低 「関はる(かかはる)」など

295名無しさん:2010/12/19(日) 22:24:00
未然形と連用形の一と二の違いはなんなんだ?

296名無しさん:2010/12/19(日) 22:51:25
>>295
正確には覚えてないけど後続する助詞によって違うっていうことだったはず
同じ活用形が後続する助詞によってアクセントが影響されるというより、
語形が同じだけで、本来なら別々の活用形として立てるべきだったんだろう

一段動詞や四段動詞の終止形と連体形の形が同じだけどアクセントが違ったのと同じようなものだ
終止形と連体形の場合、活用の種類によっては語形も違うから分かりやすいけど

院政期の時点では、「き」「ぬ」「む」「り」「たり」「けり」「なり」のような助動詞もアクセント上独立していて
動詞のアクセントと助動詞のアクセントをそのまま並べたものが全体のアクセントになっていた。
例えば「たり」は「有り」と同じアクセントで、「見たり」(終止形)は昇低降、「見たる」(連体形)は昇低高になる。
形態素の内部に高さの谷が来ないという法則も動詞+助動詞には適用されず、二語の連続扱いだった。

しかし、鎌倉期には助詞や助動詞のアクセントが名詞や動詞に拘束されるようになっていった。
現代諸方言でもやはり助動詞は動詞とアクセント上一体化している。

297名無しさん:2010/12/19(日) 23:19:33
見たる=RLH
負けたる=HLLH
か。
これが京阪式ではHL、HLLになり、
中輪式では類推で「見たHL」、「負けたLHH」になったというのは
そんなに奇妙な説じゃないと思う。

298名無しさん:2010/12/20(月) 00:04:53
未然形は、今の京阪式でもそうだが、基本的には「独立のアクセントをもっていない」はず。
だが後続する付属語が固有のアクセントをもつ場合があり(大抵は複合語のアクセントが残ったもの)
それに応じて未然形アクセントが引きずられることがある。
連用形は固有のアクセントを持っている(基本的に下がり目に至る)が
「下がるポイント」が、後続付属語により干渉を受ける場合があったはず。
だから、未然のⅠとⅡは似ても似つかない形のものもあるが、連用のⅠとⅡは良く似ている。

299名無しさん:2010/12/28(火) 22:26:58
京都以外の方言で過去のアクセントが推定できる資料はどれぐらいあるの?
有名なところでは、「犬」のアクセントが京都で高低、関東で低高、讃岐で高高だと記述した資料があったと思うが
あれは何年頃の資料だっけ?
東北地方、中部地方、中国地方、九州地方などのアクセント状況を示唆する近代以前の資料は皆無なのか?

300名無しさん:2010/12/28(火) 22:35:25
18世紀の「安斎随筆」より
和語四声は、五畿内の人の詞に「月」をツキと云うは去声なり。キの音下りて弱し。
関東の人の詞には上声なり。キの音上がりて強し。
畿内の人「花」をハナと云うは去声なり。ナの音下りて弱し。
関東の人の言葉には上声なり。ナの音上がりて強し。


15世紀中ごろの「毛端私珍抄」より
喩へば犬をイヌと言ふは京声なり。
犬をイヌと言ふは坂東・筑紫なまりなり。
犬をイヌと言ふは四国なまりなり。

おそらくこの2つのみ。江戸はもう少しあったかもしれないが。
特に後者は重要で、15世紀中ごろの時点で、
関東と九州北部は東京式、讃岐は讃岐式だったという証拠とみて良い。
中部や中国地方、東北の資料はないと思う。

301名無しさん:2010/12/28(火) 22:38:28
18世紀の『安斎随筆』より

和語四声は、五畿内の人の詞に「月」をツキと云うは去声なり。キの音下りて弱し。
関東の人の詞には上声なり。キの音上がりて強し。
畿内の人「花」をハナと云うは去声なり。ナの音下りて弱し。
関東の人の言葉には上声なり。ナの音上がりて強し。


15世紀中ごろの『毛端私珍抄』より
喩へば犬をイヌと言ふは京声なり。
犬をイヌと言ふは坂東・筑紫なまりなり。
犬をイヌと言ふは四国なまりなり。

江戸の資料はまだあるかもしれないが、それ以外の地域はこれだけだろう。
15世紀中期には関東・九州北部が東京式だったとみて良い。

302名無しさん:2011/01/06(木) 16:27:50
渡部陽一

「出ない」LHL

303名無しさん:2011/01/06(木) 20:13:57
経歴からみてどこかの方言という可能性は低いな。「〜ない」「〜たい」をアクセントまで含めて完全に形容詞活用している人なんだろう。

304名無しさん:2011/01/07(金) 14:48:36
富士訛りではないんだね?
全て「無い」単体のアクセントで言ってるってことかい?

時々共通語と違うアクセントを使うので静岡訛りは入ってると思うけど

305名無しさん:2011/01/07(金) 18:40:43
自分の知り合いで長野県松本市付近の出身の人が
「出ない」「見ない」をLHLで言っていたから、そのあたりの方言の特徴かもしれない。
各地で独自に発生しそうでもあるし連続分布かも分からないけど。

306名無しさん:2011/01/08(土) 00:29:33
やっぱそうでしょうね〜

307名無しさん:2011/01/08(土) 00:30:10
静岡の「投げる」みたいな動詞のアクセントって土佐弁と同じなんですか?

308名無しさん:2011/01/08(土) 00:58:33
>>307
そこだけは一致するけど他が全然違うからなあ。
元々東京式では「投げた」が高低低なので、それに引きずられて「投げる」も高低低になっただけ。
高知の「投げる」も高低低だけど、これは東京式の低高低の変化前の形。「投げた」が低高低。
普通の東京式は「投げる」が低高低、「投げた」が高低低なので高知とは逆になっている。

309名無しさん:2011/01/08(土) 01:19:38
へ〜。

愛媛の京阪式アクセントって京都に似てるの?
位置づけで言えば保守的なうちに入るん?

なんか友近ってLLLHを多用してるけど。エセ京都アクセントなのかなんなのかしらんが。

310名無しさん:2011/01/08(土) 01:57:43
>>309
松山などの京阪式は、位置付けとしては京都に近い主流京阪式という扱いだったはず。
あまり保守的ではない。遅上がりの状況などは大体京都と同じようだ。
徳島はLLHH…で江戸中期の京都、高知はLHHH…で室町期の京都と同じ。

京都で起きた「頭」類のHHL→HLLへの変化、「下げる」類のHLL→LLHへの変化などがどの程度起こっているかはよく知らない。
これらの変化は、和歌山や徳島といった比較的保守的な京阪式地域でも、中年以下で進行中のようだ。
テレビなどを通した京阪神の影響だろう。松山や高知などでも進んでいるとは思うがどの程度かは知らない。

311名無しさん:2011/01/08(土) 02:27:51
>>310
松山は、遅上がりに関しては保守的じゃなかったかな?
そのおかげで、若年層では垂井化が始まっていたと聞いたことがあるけれど。
(「海」と「飴」が同じアクセントになる。「海」と「雨」のアクセントはまだ区別される段階)
京阪式で遅上がりが強くなると、高起と低起の差がはっきりするので、
単純な垂井化はおきにくくなる。(はっきりさせるために遅上がりがおきたとも言えるかもしれない)

312名無しさん:2011/01/08(土) 07:18:27
歌じゃないときの花いちもんめってどういう発音?
スマップなかいのドラマ宣伝の時の「味いちもんめ」に毎回違和感あって
ゲシュタルト崩壊してます。
ハラマキ+たんす、みたいな発音でいいんだっけ?

313名無しさん:2011/01/08(土) 13:33:46
「花いちもんめ」も「味いちもんめ」もLHLHHLHだな、私は。
「味いちもんめ」というドラマは一切知らないため、「花いちもんめ」と同じアクセントで読む。
「花が1匁(もんめ)です」と言う意味で「花いちもんめ」と言うのならLHLHHHHだが、
遊びの「花いちもんめ」はLHLHHLHだ。「匁」という単位を使わない世代ゆえ、
歌のメロディをそのままアクセントとしても使うのだろう。
しかし「匁(もんめ)」は尾高型のようなので、正しくはLHLHHHHだと思う。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%82%82%E3%82%93%E3%82%81&dtype=0&dname=0ss&stype=0

314名無しさん:2011/01/08(土) 13:42:57
「はないちもんめ」で調べたらあった。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%82%E3%82%93%E3%82%81&stype=0&dtype=0&dname=0ss
LHHHHHHで、中高型ですね。

315名無しさん:2011/01/08(土) 13:45:51
ん、これは尾高型と言うのかな。よくわからない。勉強不足で説明できません。すみませんね。

316名無しさん:2011/01/08(土) 21:16:57
LHLLLLLと書いてあるように見えるんだが。

317名無しさん:2011/01/08(土) 22:40:16
そうですね。ありがとう。

318名無しさん:2011/01/10(月) 21:05:19
>>311
そうなんだ。じゃあ主流京阪式に分類されているのはなぜ?どういう面で保守的じゃないんだ?

319名無しさん:2011/01/11(火) 19:30:09
京阪式の分類軸はいくつかあって、主要なものをあげると、

a)高起と低起の対立の有無
b)遅上がりの無し、有り
c)主流京阪式、讃岐式、真鍋島式といった違い

等がある。

このうち、abはそれぞれ、対立有り、遅上がり無しのほうが古い特徴なので、保守的かどうかを見分けるポイントになる。
一方で、cはそれぞれが新旧の関係にないため、保守的かどうかの判断に使えない。


同じ主流京阪式同士について言えば、遅上がりの無いほうが保守的で、垂井化(aであげた対立を失う変化)を起こしていないもののほうが保守的となる。


松山については、
遅上がりがないとすれば、その点は保守的で、
垂井化を起こしているとすれば、その点は保守的ではないということになる。

320名無しさん:2011/01/12(水) 16:11:31
香里奈 やっていて の いて がHLだね。愛知県出身。

でも東京人でもこの発音するんだよなぁ

321名無しさん:2011/01/18(火) 21:06:45
アクセントは親など、同居している家族の影響もあるし、
その時によく交流している人のアクセントが多少うつることもある。
ひきこもりがちで、テレビとばかり接している人は、テレビタレントの話し方がうつるそうだ。
京阪式がすっかり東京式になるというような大きな変化はありえないが、
やっていての「いて」のアクセント程度なら、ゆらぎがあっても不思議ではない気がする。
どこ出身だからこのアクセント、というような話は、もう少し大きな視野で見る方が良いように思う。

322名無しさん:2011/01/19(水) 00:26:48
いてHL は関東出身の多くの人が言っているのに、
聞いたこと無い!と言い張る人がいるし

323名無しさん:2011/01/19(水) 00:34:54
前もそれに関して言ったかもしれないけど、俺の身の回りは半分ぐらい関東出身者だけど聞いたことがない。
広島出身の人からは聞いたことがあるけど、そのアクセントを聞くたびにかなり耳につくから、聞き逃してるということはないはず。
NHKやBSでも聞いた記憶がない。民放は最近ほとんど見てないから知らない。

ただ今自分で発音してみて思ったけど、「〜シティタ」「〜シティテ」みたいに、エイの部分のイがかなり弱く二重母音の後部みたいに発音されれば、
「〜シテタ」「〜シテテ」のようにLHLっぽく発音されてもそこまで不自然じゃなく聞き逃すかもしれない。どちらかというとイを聞き逃してるって感じだけど。
はっきり「シテイタ」「シテイテ」と発音されると、「〜して射て」「〜して射た」に聞こえてしまうから明らかに変だ。

324名無しさん:2011/01/19(水) 00:58:32
あなたか。
おかしな話だね・・。
はっきり発音してるよ

325名無しさん:2011/01/19(水) 15:02:15
真正の東京方言話者(西関東方言ネイティブといってもいい)は、「聞いていない」んじゃないか?
西関東方言の場合、アクセント単位は句レベルにまで広がっていて、
補助動詞のアクセントは「どうでもいいところ」なので、下がり目があろうがなかろうが、聞いていない。
ところが、名古屋方言などでは、アクセントの文節単位が厳密に守られているので、
「いる」は絶対に「HL」と発音しなければおかしいことになるし、厳密に聞き取っている。
はつおん しなければ おかしい ことに なるし、げんみつに ききとって いる ことに なる
LLHH LLHLL LLHL HLL HLL LLHHH LLHLL HL HLL HL
これが、名古屋や岡山などで、言挙げする人の基本的な感覚。(アクセントは名古屋方言で書いてみた)
同じ乙種といっても、感覚がかなり違うことになる。
東京方言話者にとっては、これではもはや、駅の自動放送か昭和時代のロボット音声の世界だが。

326名無しさん:2011/01/19(水) 15:08:03
で、実際の東京方言話者の話なのだが、内省的には「どうでもいい」んだと思う。
アクセントの大きな単位は句単位ではあるが、アクセントが完全に一体となっているわけではない。
(助動詞「られる」や「ない」が付く時などとは違う)
動詞の型別はすでに前段階で明示されているので、あとはどうでもいい。
音声上はなんとなく下がり目があるのかもしれない。
「下げてみる」のがイントネーションとしてトレンドなのかもしれない。
だが、おそらく音韻的には意味が無い。
名古屋人などが言挙げするのは、
「かんさい」と「かんとう」と「かんこく」の「ん」の発音は全部違う!
と大真面目に聞きとってしまう香港人のようなものと理解するのが正確だろう。

327名無しさん:2011/01/19(水) 16:45:22
もしかしたら関東人にはHLと発音されていてもそれを認識する能力が無くて気づいてないのではないかと思えてきた
本来LHHのとこが関西弁みたいにHHHになったりしてる時もあるし

328名無しさん:2011/01/19(水) 16:51:21
We are the worldの 歌詞で、『We are the ones who make a』と言うところで実際はwhoのところで音が下がり、
単語単位をアクセント記号で表してみると、
ones who make a
HLHL
と言う感じなのですが
ones who makeをHHHと言う具合で同じ音程で歌う人結構います
だからって音痴な訳じゃなくて歌は上手かったりするんですが、何故なんでしょうか?
完全に物真似しようとしていて、そこだけ違うのでアレンジとかではないです

音の下がりを聞き取る能力が無いと言うことなのでしょうか?

これは普段比較的単純なアクセント(東京式アクセント、無アクセントなど)の使用者に多いと言う可能性はありますか?

329名無しさん:2011/01/19(水) 17:09:28
>>328
はあ??何を言っているんだ?
ones who make a の「音程の高さ」は、
LHLHでもHLLHでもLLLHでもHLLLでも全く問題無いわけだが。
ただし、強弱強弱という韻律は守らなければならない。
だが、強だからといって音程が上がるわけではない。
日本人英語の変な癖として、強アクセントのところの「音程を上げる」というものがあり、
結構ばかにされることがある。
    ニー


ジャパァ  ズゥ
強弱もないばかりか母音も余計に添付されているのに、
なぜか奇妙なところの音程が跳ね上がる、変な「↑イィィィ↑ ↓↓んぐりっしゅ」だ。

330名無しさん:2011/01/19(水) 18:00:58
>>328は、ある意味「居る」問題の本質を突いていると思う。
必要の無いものを聞きとって、勝手に言挙げしているということ。

わ     め
 んず ふう えくう ああ

「アクセントをはっきりして!それじゃあアクセントがなさすぎる」

わ           め
 あ           え
  あ     ううう   え
   んずう ふ       く ああ


「全然だめ!アクセントをはっきり!」

 あ
  あ
   あ 
    あ
     あ
      んずう…

おそらく似たような話が起きているのだろう。

331名無しさん:2011/01/20(木) 01:31:33
>>229
何の話し?歌での音程の話をしていて、それをHLで表してるんだけど。

332名無しさん:2011/01/20(木) 17:58:37
>>331
おまえ、本当にその意味で言っていたのかよ…
まさかと思って好意的に解釈したんだが、本当にその意味だったとは。
そんなもん、広い意味での声楽的な方法(歌い方の個性)の問題に決まってるだろww
もしそれを、>>328みたいに、言語と結びつける能力の問題だとしたら、
もはやあべこべもあべこべ、コーヒーを肛門から吹きそうな話だ。もはや人種差別レベルの珍説だぞ?
何と言ったって、米国英語には高低アクセントなんて全くないんだからな。
音楽的センス=下がり目を聞き取る能力
香港人>>>名古屋人>>>東京人>>>茨城人=米国黒人(マイケル・ジャクソン(作詞者本人)含む)
ということになる。マイケル・ジャクソンが、>228みたいな音程を考えて作詞したはずがない。
   
    じゃ     お  だ         わ    あ       ら
                       ざ
   る                  あ  あ    く
まいけ   くそんも、 んち がね。ういいあ    るどの  せんともわか ん。

      わ           し
 
     ざ
    あ          が      おんだ
   あ   あ         だ   
ういい     るどだて。これ た  いはつ   て。
名古屋人にとっては、これが正しい英語の発音であって、
これが正しく楽曲に反映されているらしい(笑)

333名無しさん:2011/01/20(木) 18:10:33
今回はなんかずれた(笑い)ちょっと煽ってしまったが、
昔から、>>328みたいなトンチンカンなことを真顔で考える人っているんだよなあ。
「茨城弁にはアクセントがないそうですが、茨城人は音痴なんですか?」なんていう話と同じ。
「その理屈なら、フランス人やアメリカ人は、大変な音痴になります。
あなたは、パリに行ってシャンソンの大御所歌手に対して、
『フランス語にゃー高低アクセントがにゃーげなけど、おみゃーさん、わしら名古屋人より音痴きゃ?』
と是非聞いてみてほしいですね」としか言いようがない。

334名無しさん:2011/01/20(木) 19:43:28
別の例を挙げよう。
>A曲のBという部分は、八分音符と四分音符が交互に並ぶんですが、全部同じ長さで歌う人結構います
>だからってリズム感ゼロな訳じゃなくて歌は上手かったりするんですが、何故なんでしょうか?
>完全に物真似しようとしていて、そこだけ違うのでアレンジとかではないです
>八分音符と四分音符の音の長短を聞き取る能力が無いと言うことなのでしょうか?
>これは、英語やドイツ語などの母音の長短の曖昧な(これらの言語には「二倍長」という母音長短は存在しない)
>あるいはフランス語や朝鮮語などの母音の長短の存在しない言語の使用者に多いと言う可能性はありますか?

この質問が愚問である(こんな質問を発する人はいない)ことは明らか。
「そりゃそこだけアレンジしたんだよ。気持ちが乗ったんだろう。」と誰もが答える。
なのに、どうしてアクセントの話になると、>>328みたいな質問が真顔でされるのか、俺にはさっぱりわからない。

335名無しさん:2011/01/20(木) 23:03:56
必死だな( ´_ゝ`)

336名無しさん:2011/01/21(金) 02:45:03
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11559497
この上手い中でもやっぱ素人だからか平板で歌ってるのが結構居るな

337名無しさん:2011/01/21(金) 11:01:32
さんざん言われてるけどさ、アクセントと音痴は関係ないよね。

338:2011/01/21(金) 16:35:59
研究結果をうp

339名無しさん:2011/01/29(土) 22:05:52
日本語の諸方言は、無アクセント方言以外は全て高低アクセントを持つが、
強弱アクセントに変化した方言とか、そこまで行かなくても高低の他に強弱も重要とかいう方言は生まれていないんだろうか。
これだけアクセントの地域差が激しいのに、高低アクセントから強弱アクセントに変化した方言が全く無いというのも不思議だ。

ラテン語や古典ギリシャ語は高低アクセントだったが、ロマンス諸語の多くや現代ギリシャ語は強弱アクセントに変化した。
それと似たような変化を起こした方言は全く無いのだろうか?無いとしたら何が違ったのだろうか?

340名無しさん:2011/02/03(木) 17:48:48
アクセント史について、金田一春彦以外にはどんな説がある?

一番最初に出たのは服部四郎の説だったかな。
自分が見たことあるのは、このスレの上の方に出てくる、
「外輪乙種は上がり目の直前が降拍になり、それが下げ核になった」説、
柳田誠司の説、山口幸洋の説。

341名無しさん:2011/02/04(金) 14:41:18
竹内結子(埼玉県出身)
「寝ている」LHHL

342キャンサイ人:2011/02/05(土) 08:31:56
http://www.youtube.com/watch?v=hIiIssXr8EU

この3:12の比嘉投手の「一軍でみんな投げた」なんてまるっきり関西弁と同じ発音ですがいかがでしょうか?

343名無しさん:2011/02/05(土) 08:38:32
その後に出る神社でのしゃべりも結構関西弁っぽく聞こえる
これは沖縄の人にとって関西弁が習得しやすくて習得してきたということもありえるの?
シーズン中のインタビューではもっと沖縄訛りでしたが

344名無しさん:2011/02/05(土) 10:23:44
「一軍でみんな投げた」は「高高高高高 高高高 低高低」というように聞こえるな。
「高高…」で始まってるのと、「投げた」が「低高低」になってるのとで京阪式っぽく聞こえるのかもしれない。
ただ、「高高…」で始まること自体は東京式の方言でも(十津川や福山など)あることだし、
「投げた」が「低高低」となる東京式だって珍しくない。

「京阪式っぽく聞こえる」と「京阪式である」というのとはだいぶ違う。
部分的に京阪式と一致するアクセントでも、システムとしての複雑さは京阪式よりだいぶ少ないはず。
沖縄のアクセントは各地でかなり差があるが、東京式以上の複雑さを持つ方言はないから、結局京阪式の習得は難しいだろう。
例えば京阪式では「風」「山」「船」「雨」のアクセントがそれぞれ違うが、沖縄で二拍名詞に4つ以上の型を持つアクセントはないだろう。

345名無しさん:2011/02/05(土) 11:31:46
例えば、たとえ習得はしないとしても、
元々一致する部分があるからその誤魔化しが聴いて、結果的に関西人から見て東京式話者の関西弁よりは違和感が少ない関西弁を話せるようになるとかって可能性は?

例えば九州でも福岡あたりの人間よりは鹿児島人の関西弁の方が違和感が少ないとか。

これ多少なりともあると思うんよね。

20歳ぐらいで鹿児島から関西に来た人で、言われなければ何の違和感もない感じの人がいる。そしてちゃんと鹿児島弁もしゃべれる。
20歳は遅いはずなのに。そんなじっくり話し込んだこととかはないが、ちょっと聴いた限りでは関西弁をしゃべっている。

346名無しさん:2011/02/05(土) 15:02:15
>>345
「裏の裏が表に見える」という現象がある方言は確かに存在していて、
アクセント体系論が確立するまでは「擬京阪式」という今では単なる素人騙しにしか聞こえない名称が、学会でさえ使われていた。
だが、鹿児島くらいまで単純化されると、最早「擬京阪」とは到底言えない。
実際には、京阪式アクセントの習得は、体系的に行えばそんなに難しいものではないんだよ。
東日本出身者、特に西関東・東海東山方言話者が、如何に「京阪式アクセントを本心では習得する気が無いのか」
ということが、「東京人には関西弁習得は未来永劫無理」という通説の裏付けになる。
先日非難轟々のドラマがあったが、
北乃きいのような(神奈川県民)ガチガチの乙種話者は、おそらくメンタリティのレベルで、
たとえドラマできちんと演じなければならない場面においても、深層心理で甲種アクセントを拒絶する。
アグネス・チャンの日本語発音がまったく上達しないのと、実は同じ理由。
無アクセント方言圏はさすがに難しいだろうが、例えば埼玉特殊や北奥羽式話者のほうが、
「自分のアクセントが唯一絶対の規範アクセントと信じて疑わない神奈川県民」よりは甲種の習得に抵抗がないと思う。

347名無しさん:2011/02/05(土) 16:47:09
表面的な類似は、学習初期には有利にはたらくけど、完璧な習得を目指すときには不利じゃないかな。


鹿児島のアクセントでごまかしをきかせられる要素がおもいつかない。東京式ではないという点で共通しているくらい。

逆に、鹿児島くらいアクセント体系がちがったほうが、母方言の影響が出なくて、完璧に近く習得出来るんじゃないかとおもう。

348名無しさん:2011/02/06(日) 00:16:58
まぁ完璧を目指す人なんてどこにも居ないしね。
大体違和感ない感じになってれば安泰

349名無しさん:2011/02/06(日) 10:30:30
>>348
なら違和感ないレベルの習得と読み替えてもらってもいいよ。

350名無しさん:2011/02/18(金) 02:06:20
自分は東京式で、京阪式アクセントの人が身近に何人かいるんだけど、
その人たちの喋ってる中で、単独で出てくると高起式と低起式を聞き分けられるようになったけど、
会話中に自然な速度でサラッと出てくると高起式と低起式のどちらかとっさに聞き分けられないことがある。
やっぱり完全にできるようになるにはそれなりの努力が必要そうだ。

351名無しさん:2011/02/19(土) 22:06:58
やはり関東の人はもともと聞き分けられないんだね。
だから本来LHのところをHHと言ったりするんだね

352名無しさん:2011/02/19(土) 23:13:08
東京式アクセント話者にとっては、音韻的対立を持たない。
多くの日本人が、名古屋弁の「ねぁー」と「にゃー」を聞き分けられないのと同じ。

353名無しさん:2011/02/20(日) 01:44:49
>>351
関東に限らず、中部だろうと中国だろうと九州だろうと、東京式話者ならできないはずだ。

東京や大部分の東京式地域では、下降の位置によって語アクセントを表し、
上昇の位置によって、その直前に句の切れ目があることを表す。

例えば、「風」と単独で発音するとLHだが、「この風」ならLHHHになる。
「風」という単語自体が、「低く始まる」とか
「カとゼの間で上昇する」とかいう情報を持っているわけではない。
「風」が持っているのは、「下降しない」という情報だけ。

東京方言では、句の一拍目と二拍目の間で上昇するという句音調がある。
もし句の一拍目に下げ核がある場合は、一拍目の前で上昇する。
それに従って、「風」は句の先頭にある環境でだけLH、それ以外ではHHになる。
これを別の型として聞き取ってしまうようでは逆に困る。
同じ語が位置によってどちらの音調でも現れるからだ。

京阪式では、東京式と同じ「下降の有無と位置」の情報の他に、
「高く始まる句音調」(高起式)と「低く始まる句音調」(低起式)の
2つのうちどちらをとるかという情報が単語ごとに付随している。

例えば「風」は高起式、「船」は低起式で、どちらも核はなく下降しない。
「風」はHH、「船」はLHになり、「この風」はHHHH、「この船」はHHLLになる。
東京式の「風」と京阪式の「船」は、単独の形は似ていても型としての性質が異なることが分かる。

354名無しさん:2011/02/20(日) 09:17:18
>>353
>「高く始まる句音調」(高起式)と「低く始まる句音調」(低起式)
京阪式の高起式と低起式は句音調ではないのでは?
句音調って語アクセントとは関係ない「句」のまとまりを示す音調だろ?
京阪式の高起・低起は、句ではなく、語ないしアクセント単位にかかる。

355名無しさん:2011/02/20(日) 13:29:59
>>353>>354も、いろんな意味で説明がうまくないなあ。別に彼らが悪いというより、
特に近年の日本語学者がいろいろ立てている道具立ての筋の悪さが反映してしまっている。
まず、句音調を厳密に捉えても何も得るところがない。
乙種アクセントのLH部分は、反省的には文節頭につくのが本来の姿で、これが緩んで「最大でも句単位までLHの省略が許される」
というのが本来の姿のはず(名古屋方言(鳥山明の描く「ニコちゃん大魔王」の台詞)などを参照)
他方、甲種アクセントの低起/高起の区別は、本来は、松山方言などが本来の姿で単語単位であるにも関わらず、
大胆に省略される(いわゆる遅上がり)。さすがに句単位を越えることは少ないが、
句を超えて遅上がりすることも許されている。>>353の例ではこの本質が見えてこない。

356名無しさん:2011/02/20(日) 14:17:39
確かに単位は句じゃないな。
東京方言では複数文節が句を作れて、その間は上昇が現れず

アクセントによる複数回の下降だけが現れてどんどん高さが下がっていくことがある。

357名無しさん:2011/02/21(月) 23:26:17
京阪式では、高く始まるか低く始まるかが音韻的対立を持つ。
これは位置などの条件によっても動かず常に一定している。

一方で、東京式では高く始まるか低く始まるかは音韻的対立を持たない。
句の先頭では低く始まっていたのに、句の先頭でなくなると高く始まったりする。
このような方言で、高く始まるか低く始まるかを聞き分けていてはむしろ都合が悪い。

上の書き込みを要約するとこういうことだな。

358名無しさん:2011/02/22(火) 01:38:01
やはり四声は京阪式話者の方が有利ですか?
結構当てはめれるし。
無アクセント話者にはきつそうだな。

359名無しさん:2011/02/22(火) 09:15:51
拍内下降を持つ人なら、単音節の第二声に応用できるかもしれないけど
結局第三声や第四声にあたる音調はないし、
二音節以上では京阪式でも北京語よりずっとパターンが少ないから難しいだろう。

北京語では、型の数はN音節のとき4^N種類で、変調により少し減るが、
京阪式では2N‐1種類しかない。東京式ではN+1種類。

1音節では北京語で4種類、京阪式で3種類、東京式で2種類。
2音節では北京語で15種類、京阪式で4種類、東京式で3種類。
3音節では北京語で(多分)57種類、京阪式で6種類、東京式で4種類。

360名無しさん:2011/02/22(火) 22:58:20
>>359
そうでもないんじゃないかね。
北京語の四声は、実は「高(H)・昇(R)・低(L)・降(F)」と書いても間違いではないわけで、
(3声は「低」と言ったほうがいい。ピンインの凹曲線に騙されている人が多すぎる。
5段階で214なんて言う人もいるが、俺は低さ強調のため軽く凹ませて212くらいだと思うんだが…)
そうすると、単音節と2拍の区別が流動的な京阪式の場合、
ツールの転用だけで相当なところまでいけそうな気がする。
伝統的な京阪式の場合、2拍4類が遅上がりするとほぼ低平に近い発音になる。
例:海にいくさかい(LLL HH HLL)
生身の北京語は軽声も多く、数百年のうちには現代上海語のような事実上の高低アクセント言語になりそう。
そのときには、もはや東京式アクセントのような状態になりそうだな。

361名無しさん:2011/02/22(火) 23:26:04
北京語の四声を高・降・低・昇と捉えたとして、
その4種類の音調が音節ごとに自由に付く北京語と、
複数音節の語の全体で始まりの高さの高低+下降の位置一ヶ所が決まる京阪式とじゃ、
やっぱりシステムとしての複雑さが段違いだけどなあ。
そりゃ東京式よりはマシだろうが五十歩百歩では?

362名無しさん:2011/02/23(水) 06:05:14
>>359
>拍内下降を持つ人なら、単音節の第二声に応用できるかもしれないけど

第二声は拍内上昇調
拍内下降は第4声

何かを数えるとき「ぼんさんが屁こいた」ということがあるが
東京弁の「ヘ」は1モーラ、関西弁の「屁=へー」は2モーラで
単独で「屁=へー」をゆっくり発音すると北京語第三声とよく似ている。

「屁は臭い」と「平和臭い」は関西弁で同じ発音だ。

363名無しさん:2011/02/23(水) 19:10:34
中国語諸方言は音節ごとの声調だけど、
日本語は語アクセントで、一音節語もあるけど多音節語のほうがずっと多いからなあ。
日本語で一番複雑なアクセントでも中国語よりはずっと単純だな。
日本語で一番複雑なのは佐柳島のアクセントかな?

364名無しさん:2011/02/23(水) 20:54:59
システムとして違っても、やはり日常使ってる言葉に当てはめれるのが多いので、京阪式話者として、やりやすいと思いますね!

自分が使う言葉に無いと全くあらたな概念だからね

365名無しさん:2011/02/23(水) 23:07:34
九州西南部の二型アクセントは、やはり平安京都式から高起・低起の区別を受け継いだもののように思える。

外輪乙種の変化ではなく、直接。

366名無しさん:2011/02/23(水) 23:23:59
金田一春彦は一応、日本全国のアクセントの形成過程をくまなく推定した。
京阪式から讃岐式への変化はあれしか考えられないし、垂井式もそうだ。
東京式の成立過程もほぼ定説(ただし外輪だけは、>>159説もありだと思う)。

しかし、佐渡、加賀、関ケ原、北牟婁、隠岐、西南九州あたりは、まだあれで決まりだとは思えない。
たとえば、祖語の高起式に下降式を想定して、それが直接、白峰がそれを受け継いでいる、という説がある。

367名無しさん:2011/02/23(水) 23:47:47
金田一説のまとめ

補忘記から尾鷲への変化
2拍1類 HH→LH
2拍2・3類 H]L→そのまま
2拍4類 ]LH→]LH→]LL→]H]L→]HH]
2拍5類 ]LF→]LH↑
3拍1類 HHH→LLH
3拍2・4類 HH]L→LH]L
3拍5類 H]LL→そのまま
3拍6類 ]LLH→]LLH→]LLL→]HH]L→]HHH]
3拍7類 ]LH]L→]LLH↑

368名無しさん:2011/02/23(水) 23:49:53
>>366
上野の「平進/上昇式」という用語法のベースにある「二段階下がり核説(仮称)」だろ?
あれなあ。なんだかなあ、どうみてもうまくないと個人的に思うんだよなあ(苦笑)
共時分析における博物学的分類に便利なので、いつのまにか分類法として定着してしまったが、
上野の着想とは全く裏腹に、それらの方言アクセントの形成過程の解明にとっては、正直有害無益に見える。
加賀や鹿児島のアクセントを考える上では、そんな変なものを着想する必要はないと思えてならない。
これは簡単な話で、日本語のアクセントが、高低昇降が自由につく声調的アクセントから
下がり核アクセントに収斂変化していく際に、
「無核型の雛形」をどの型にするか?という際に、選択が分かれたという話に過ぎないとしか思えない。
例えば2拍名詞で院政京都アクセントが「無核」なのは1類3類4類と3つもある。
高起/低起を区別するパターンでは「椅子は2つ」、しないパターンでは「椅子は1つ」だ。
すでに2拍名詞で3つに余っている(他拍だとさらに増える)
「無核を維持するパターン」として、
京阪式アクセントは1類と4類を選択し、東京式の大半は1類を選択した。
(1980年代以降の大阪神戸では4類の無核を捨てて1類に一本化しつつある)
しかし鹿児島は3類を、加賀は4類を選択したという話に過ぎない。
せり上がり現象なるものも、この過程の一つの顕著な現象であって、せり上がりで説明がつかないからといって
下げ核を2段階にするなんて、俺には全く無意味な論理操作にみえる。

369名無しさん:2011/02/23(水) 23:55:24
補忘記式から白峰への変化
2拍1類 HH→LL→H]L→LH]
2拍2・3類 H]L→そのまま
2拍4類 ]LH→]LL→HH→LH
2拍5類 ]LF]→]LL↑
3拍1類 HHH→LLL→H]LL→LH]L
3拍2・4類 HH]L→LH]L
3拍5類 H]LL→そのまま
3拍6類 ]LHH→]LLL→HHH→LHH
3拍7類 ]LH]L→]LLL↑

370名無しさん:2011/02/23(水) 23:59:56
補忘記から関ケ原への変化
2拍1類 HH→そのまま
2拍2・3類 H]L→そのまま 
2拍4類 ]LH→]LL→HH
2拍5類 ]LF]→]LL↑
3拍1類 HHH→そのまま
3拍2・4類 HH]L→そのまま
3拍5類 H]LL→そのまま
3拍6類 ]LHH→]LLL→HHH
3拍7類 ]LH]L→]LLL↑

371名無しさん:2011/02/24(木) 00:08:36
>>368
つまり、院政期アクセント→鹿児島という直接の変化自体には異論なしと?


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