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建設的な議論をしましょう。PART20

430名無しさん:2014/07/30(水) 03:07:39
ソース(ハンギョレ) ttp://japan.hani.co.kr/arti/culture/17900.html
ttp://img.hani.co.kr/imgdb/japan/news/resize/2014/0727/140646756047_20140727.jpg

<再評価>(邦題:失われた二〇世紀) トニー・ジャット著、チョ・ヘンボク訳
ヨルリンチェクドゥル(開かれた本)・2万8000ウォン
http://img.hani.co.kr/imgdb/japan/news/resize/2014/0727/140646768280_20140727.jpg

 ‘失われた20世紀に対する省察’という副題をつけた<再評価>(Reappraisals: Reflections on the Forgotten Twentieth Century 2008)
は2008年に翻訳・出版され好評を得た<ポストウォー1945〜2005>(プラネット編,邦題:ヨーロッパ戦後史)の著者トニー・ジャット(写真)
のまた別の力作だ。 脱冷戦以後、ヨーロッパ史の傑作と言われる<ポストウォー>が第2次大戦が終わった1945年から冷戦崩壊を経て
21世紀始めに至るヨーロッパ史を扱った総合的通史であるのに比べて<再評価>は<ニューヨーク レビューオブ ブックス>
<ニューリパブリック>等の新聞・雑誌に寄稿した長文の書評形式を帯びた、知識人と思想、国家と事件に対する20個余りの批評文
からなる。 これらの中の多数が<ポストウォー>(2008)作業期間に当たる1994〜2006年に書かれた。

■忘れられた20世紀の遺産、または教訓は何か?

 トニー・ジャットは問う。「今日20世紀の福祉国家は常套的にヨーロッパ国家であり社会主義的国家に置き換えられる。 … 20世紀
福祉国家は社会主義的だと言えるか?」そして答える。 「スカンジナビアを別にすれば、実践的福祉国家の核心的制度を樹立し
管理した者は社会主義者ではなくキリスト教民主党員たちだった。」英国の公共福祉法規の原則を確立したウィリアム・ベヴァリッジ
の報告書を依頼し承認したのはチャーチル政府であり、1979年までの歴代保守党政府はこれを再確認し継承した。 言ってみれば
20世紀福祉国家は、自由主義者と保守主義者が作ったものであり、それは20世紀社会主義の開始ではなく、19世紀自由主義の完結
だった。 福祉国家は平等主義的革命の先鋒隊ではなく、ファシズムとスターリン主義的全体主義への狂暴な帰結を阻むための
「予防的国家」であった。

■全体主義への帰結を阻むためのもの 社会主義の抑圧に沈黙した知識人への批判

 「西欧社会は(福祉国家の成功の結果)50年間続いた繁栄と安全のおかげで、集団的不安の政治的で社会的なトラウマを忘れた。」
逆説的に言えば、まさにこの成功のために「我々が(資本主義体制を安定させた)福祉国家を受け継いだ理由は何か、何が福祉国家を
作らせたのかを忘却」してしまったために、これを可能にした国家自体を障害物と見なし、民営化と規制緩和を要求する市場至上主義
に陥ったのだと著者は指摘する。

 福祉にまともに進入することすらできなかった韓国の主流市場至上主義者らが‘福祉亡国’を叫ぶのは迷妄か、はたまた欺瞞か。

 <再評価>でのもう一つの主要関心事は、思想の役割と知識人の責任だ。 著者は20世紀を‘知識人の世紀’だと言った。 ドレフュス事件
以来の参与する知識人、ジャン=ポール・サルトルとミッシェル・フーコー、アンドレ・マルロー、ジョン・デューイ、ジョージ・オーウェル、
ギュンター グラス、スーザン・ソンタグに至る西欧左派‘進歩主義者’、そして少なくとも1941年まではこれらよりさらに影響力が大きかった
と言われるドイツのエルンスト・ユンガー、フランスのピエール・ウジェーヌ・ドリュ・ラ・ロシェル、ルーマニアのミルチャ・エリアーデらと
ユダヤ人が多数を占めていた‘さすらいの20世紀旅行者’を彼はざっくりまとめて20世紀の‘文筆共和国’と呼んだ。 その共和国で
今日まで幅広い読者層を維持しているのは、ハンナ・アーレントとアルベール・カミュ程度だと話す。 この‘知識人の失踪’こそが
「去る30年間に起きたすべての変化の中で最も暗示するところが大きい」と語った。




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