政府・民間を問わない数えきれないほど多数の調査報告やメディア報道にもかかわらず、世界貿易センタービル(World Trade Center、WTC)を倒壊させ、国防総省を破壊したのは国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者が送り込んだ19人のハイジャック犯だ、という説明をいまだに信じられずにいる人は、少なくない。
本当は、当時のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権内の誰かかイスラエルのスパイが、あらかじめ仕掛けておいた爆発物とミサイルで攻撃したのではないか、そう疑っているのだ。米政府は直接攻撃こそしなかったが、攻撃計画を事前に把握しながら阻止する手立てを打たなかったと信じている人もいる。
荒唐無稽に聞こえる政府陰謀説だが、支持者は決して少数派ではない。2006年に米スクリップス・ハワード財団(Scripps Howard Scripps Howard)が実施した世論調査では、何らかの陰謀があったと思うとの回答は36%に上った。その他の世論調査でも、陰謀説はアラブ世界ばかりかフランスでも広く支持を集めている。
米国内では10年後の今も、「Scholars for 9/11 Truth and Justice(9.11の真実と正義のための学者集団)」や「Architects and Engineers for 9/11 Truth(9.11の真実のための建築家・エンジニア集団)」といった複数の団体が、「米史上最大の政府の陰謀」を暴こうと活発に活動している。
『9・11事件は謀略か―「21世紀の真珠湾攻撃」とブッシュ政権(The New Pearl Harbor)』などの著作で陰謀説を唱えるデービッド・レイ・グリフィン(David Ray Griffin)氏は、「本当のアホは政府の説明を鵜呑みにするやつ」だと、カリフォルニア(California)州のラジオ局KPFAの番組でグリフィン節を炸裂させた。「奇跡を科学原理、特に物理や化学の原理で説明できない事象と定義するなら、政府の説明には10個以上の奇跡があることになる」