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2012年夏部誌感想スレッド

3師走ハツヒト:2012/08/10(金) 22:59:22
風観吹さん 「Made Lord」

冒頭から、時代や場所の雰囲気の醸し出し方が上手いです。物語の中に、世界観を読者に把握させる言葉を上手に織り込んでいて、親切丁寧な作りだと思います。
どこへ行っても領主の良い評判ばかり聞かされる→なんとかして領主の短所を見つけてやると決意するの流れが自然ですね。
ただ、続くならず者の喧嘩と領主の登場のシーン、何をしている所なのかは大づかみでは分かるのですが、どのくらいの距離間に誰がいて、事態がどこまで進んでいるのかが分かりにくかったように思います。このあたり、書き手側はきちんと(前後も含め)場面を想像出来ているでしょうか? そうしたら、ステッキで殴るあたりももっといい見せ方が見つかると思います。
少しずつ増えていく疑問点と、積もる違和感の速度が良かったです。それが明らかになる例の部屋で、登場する人形とぬいぐるみ葡萄酒という装置がこの上なくいい味を出してますね。絵的にえぐくて良いです。
父親が領民の支持を失ってしまったきっかけが気になります。これがどのような理由だったがで、この領地の奇妙な体制にリアリティもしくは狂気性が増すと思いますので。
領主を誇る事で領民が代替的に自尊心を満足させていた、よって領主をこぞって誉めたたえ、領主の裏切りに領民が激怒した、というのが筋になる訳なのですが、領主を自分達の見目良い飾りにしている感じがあまり匂わせられていないせいか、ピンとこない感じがします。理屈は理解できます。
それと同じく、「貼り付いた笑顔」というような表現が多用されていて、いくらかくどい印象を受けました。重要な箇所だけにする、着目点を笑顔以外にも広げると、緩和できると思います。
比較的重要なシーンは筆が急いてしまうのか、誤字や表記揺れが多くなるのが勿体なかったです。
誰も彼も作り物の笑顔である、という中で、また領民が冷酷にエドモンドを捨て潰す中で、エドワードの存在が上手く配置されているように感じました。


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